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ありふれてるけど異常な水

2011年07月08日 | サイエンス

地球は「水の惑星」と呼ばれるほど水が豊富だ。

これは、実は宇宙レベルで見た時にもそうで、宇宙開闢から137億年たった現在の宇宙の元素組成を見ると、水素Hがもっとも多く、次いでヘリウムHeと酸素O、そして炭素Cと続く。

すなわち、水素Hと酸素Oからなる分子―水H2Oもまた最多分子の1つで、実際、この宇宙で水よりも多く存在する分子は水素分子H2のみ。

一酸化炭素COが水に匹敵するかもしれない・・という程度で、それほど、この宇宙では、水はありふれた物質?なのである。

 

まあ、我々が知りえている物質が、宇宙全体のわずか4%にすぎず、その4%中で最も多い・・といっても、全体から見れば、ごく微々たるものかもしれないが・・。

(カテゴリー/サイエンス:「宇宙の96%は謎の物質」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/2f53504b941393659c1cf2bb50c296f3

 

水は生命誕生に不可欠な要素であり、この宇宙に水が豊富にあるというコトは、地球以外のどこかで生命が誕生している可能性も、十分にありえる・・というワケだ。

 

そして、水はありふれていながら、奇妙な性質をもつ、異常な物質でもある。

それゆえに生命が誕生しえたのであるが、水の代表的な性質が、何でも溶かす溶媒としての性質

もちろん、易溶性の物質もあれば、難溶性の物質もあるが、地球規模の長い時間・広大な空間を考えれば、岩石といえど、水と接触するコトで、鉱物の元素が水へと溶け出す。

もちろん、水がアルカリ性か酸性かといった条件で、溶ける量や元素も違ってくるし、地球上にはいろいろな環境があり、いろいろな状態の水があり、当然、さまざまな鉱物から多様な元素が溶け出してくる。

当然、その中には生命体をつくる”SPONCH CaFe”(スポンチ・カフェ)元素も含まれ、またそれ以外の元素も多く含まれている。

(カテゴリー/サイエンス:「偶然一致性問題」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/bdb02fd92a74aa083886024d4995a889

 

そして、これも水の性質であるが、水ほど溶けた物質同士が作用して、新たな物質をつくる反応場になる液体はないのである。

 

さらにご存知のように、水は温度によって気体→液体→固体・・と相転移するが、誰もが知ってるように、氷は水に浮く

この現象こそが、水の奇妙な性質であり、水が異常な物質たる所以なのである。

氷が水に浮く―これは、H20は液体より固体の方が密度が小さい、あるいはH2Oは凝固すると体積が大きくなる・・というコトであるが、水みたいに固体が液体に浮くとか、凝固すると膨張する・・という性質は、通常の物質にはない。

 

つまり、この宇宙にありふれている水という物質は、”異常”なのである。

実際、水のような性質のある液体を、異常液体というそうだ。

 

普通、液体は低温ほど高密度であり、氷点(凝固点)の温度で最大密度になるが、水は4℃で密度が最大になり、この4℃から氷点0℃に向けて、密度が小さくなる。

 

風呂を沸かすと、暖かい水は上へ、冷たい水は下へと行くように、夏場の池や湖では、日光であたためられた表層水の下に冷たい低層水がたまる・・という成層構造を成すが、このあたたかい水と冷たい水は密度(比重)が異なるため、混じり合わない。

やがて秋から冬へと季節が移り、表層水が冷やされると、比重が重くなって沈んでいき、成層構造が崩れはじめる。

さらに冷やされると低層には4℃のもっとも重い水がたまる。

これが続いて低層から表層まで4℃で均一になると、成層構造は完全に崩れ、水がよく攪拌・混合されるコトになる。

 

そして、最も寒い時期には、さらに冷やされた表層水の下に、4℃の水がたまっているという、夏とは逆の成層構造になる。

これが春になり、だんだん表層水があたたまると、また表層から低層まで4℃で均一になり、また攪拌・混合される・・。

 

こうして年2回、さまざまな元素や豊かな栄養分を含んだ水が底から掘り返され、攪拌される・・という現象が起こりえるのも、水が4℃で最大密度になるという、異常液体だからこそなのである。 

 

この水がもし、氷点0℃で最大密度になるという、普通の性質だとしたら、どうなるか?

すなわち、氷になったら沈む・・という性質だったら・・というコトである。

 

冬になり、表層水が冷えて凍ると、その氷は底へと沈む。

凍っては沈んで・・と繰り返していくコトで、上から下まで、全体が凍りついてしまう。

これでは、当然、水中(氷中?)に生物が生存できる見込みがない。

 

 し、これが地球全体で起きたとしたら・・?

 

地質学者によると、今から8~6億年前の先カンブリア紀末、地球全体が氷に覆われる、スノーボール・アースという状態だったという。

先カンブリア紀末といえば、エディアカラ生物群という、地球最初の多細胞生物の出現期と重なっており、その1億年後が、カンブリア爆発という、現生動物のほとんどが出揃った時期にあたっているのである。

 

もし、水が普通の性質をもった液体であったなら、全地球凍結という状況下では、海は表面から海底まで全部が凍りつき、生物は進化どころか、生存するコトすら出来なかっただろう。

 

しかし、水が4℃で最大密度になるという異常液体であったために、表面が凍結した氷で覆われ、さらに冷却され続けても、氷の下の水は、あまり冷えるコトなく、液体のままでいられ、その水の中で、生物は生存し、進化するコトが出来たのである。

 

すげー・・。

 

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
水。 (トーマス。)
2011-07-15 01:06:00
 あ、どうも。こんばんは。難しい話は
さっぱりわかりませんが、水にはとにかく
感謝です。特に夏場は!

 水を安心して飲めるだけでも十分に
ありがたいことですよね。
水がなければ (きんと)
2011-07-16 00:18:51
生きていけないワケですからね・・。

特にこの季節は、水に対する感謝の想いもひとしお・・ですね。

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