既にPRIDEが消滅して久しいが、K-1やDREAM、Dynamite!など、多い時は3つものイベントが挙って地上波のTV放送があったほどバブル感のあった大晦日恒例の格闘技イベントは、今年はまったく姿を消してしまった。
(TV放送はなくても、やってはいるんだけどね・・)
K-1などもMAXから魔娑斗が引退してからのTV放送は著しく激減、ファイトマネーの未払いなどの問題も露呈し、K-1の選手がボクシングに転向するなどのニュースも入ってきた。
格闘技好きの自分にとっては悲しい限りであるが、ドームやアリーナなど、でかい会場を借り切って、ド派手な演出をする打ち上げ花火的な大会は、経済的な事情からも興行的にムリがあるコトは、既にUWFブームの時に実証済みである・・。
堅実に2000人ほどのキャパの小さな会場で地道に興行を続けていく・・とゆーコトで生き残ったのが修斗やパンクラスであるが、そうした格闘技団体のお手本となったのが、言うまでもなく、ボクシングである。
一部の選手は、TV向けの派手な入場パフォーマンスなどの演出がされたりもするが、派手さはなくとも、ただリングとスポットライトだけのシンプルなボクシング会場には、イベント的に作られ、煽られたお祭的な雰囲気ではなく、通好みの”本物”の格闘技のにおいがする。
―とゆーコト(?)で、この大晦日、唯一TV放送があったのが、井岡一翔のWBC世界ミニマム級タイトルマッチの防衛戦。
同級10位のタイの挑戦者、ヨードグン・トーチャルンチャイは、井岡の1歳下の21歳で、8戦全勝というプロのキャリアも同じ。 プロ7戦目で世界王座を獲得した井岡に対し、ヨードグンは3戦目で世界ユース王座を獲得し、ムエタイで100戦を超えるキャリアを誇る。
しかし、蓋を開けてみれば、わずか98秒という秒殺TKO勝利で井岡が試合を決め、V2防衛に成功した。
試合を決めたのは、この左フック!
見事に挑戦者の顔面をとらえ、キャンバスに沈めた。
1ラウンド98秒での決着というのは、世界防衛戦では国内の史上最短KO記録!
これで井岡のプロ戦績は9戦全勝6KO。
そのまま倒れた挑戦者は起き上がれず、レフェリーも途中でカウントをとめた。
試合後、「こんな強烈なパンチは今まで受けたことがない」と語った挑戦者は試合後も起き上がれず、担架で運び出されるほど・・。
これもまれに見る光景だ・・。
この左フックも1発ではなく、一連のコンビネーションの中での攻撃。
この前に既にボディが効いていて、少し挑戦者の体が”くの字”に折れたかな?・・と思った直後の攻防での1発が、カウンターで入ったかたちだ。
スローで、ようやくとらえられるほどのスピーディーな展開だった。
あまりに決着がつくのが早すぎて、ちょっと物足りなく感じたが、本当にボクシング界に井岡の時代が来るコトを予感させる1戦であった。
ちなみに同じ日に行われたDREAM 2011元気ですか!!大晦日!!のメインで、石井はヒョードルに1RKOされたようだが、まあ、当たり前か・・。