Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

Resilience―”折れない心”

2014年04月29日 | システム

最近、レジリエンス(Resilience)なるものが注目されているという

挫折や失敗をした時や、困難に処した時、落ち込んだ時、そうした逆境を乗り越える精神力、こころの強さのコトで、日本語で「逆境力」「回復力」などの訳が当てられるそう。

わかりやすく言えば、”折れない心”・・とゆーコトになろうか?

 

レジリエンスという概念が注目されはじめたのは、1970年代、第二次世界大戦において、ホロコーストを経験した孤児たちの研究がきっかけの1つになったという。

孤児たちのその後を調査した結果、過去のトラウマや不安に苛まれ、生きる気力がもてない人たちがいる一方、そうしたトラウマを乗り越え、前向きに仕事に取り組み、しあわせな家庭を築く人たちもいる・・。

 

同じ経験をしながら、その後の人生が大きく違うのはなぜか?

 

―研究の結果、逆境を乗り越えた人たちには「思考の柔軟性」という、共通の傾向があるコトがわかってきた。

すなわち、きびしい状況でもネガティブな面だけでなく、ポジティブな面を見出せる人が、逆境を乗り越えるられる・・とゆーワケである。

 

―では、そうした”折れない心”をいかにして育てるのか?

 

埼玉学園大学小玉正博教授は、初心者に上級者向けの難しいけん玉の技術をやってもらうという課題を与え、心の折れにくい人、折れやすい人の違いを見分けるというユニークな実験をしている。

すぐに挑戦をあきらめてしまう、心の折れやすい人に共通の傾向として、1回の失敗・成功ごとに一喜一憂するような感情の起伏の激しさ、さらに最初から「向いていない」「ムリだ」とあきらめている自己の能力への過少評価を指摘。

逆に黙々と挑戦し続ける、心の折れにくい人は、自分がだんだん成長していると感じる自己効力感や、いつか出来るだろうという楽観性をもっているコトも実験結果から得ている。まとめると・・

 

レジリエンス(逆境力)とは、 

感情コントロール ・・(1回の失敗・成功ごとに一喜一憂しない)

自尊感情      ・・(自己の能力を過少評価しない)

自己効力感     ・・(自己の成長を感じる) 

楽観性        ・・(いつか出来る!と信じる)

 

・・きびしい状況でもポジティブな面を見出し、自分のいる状況を前向きにとらえる「思考の柔軟性」というものを詳細に分析すれば、以上の4つに集約される・・というコトになろう。

 

”ストレス社会”と言われる現代、このレジリエンスを知識として、スキルとして知っておくコトで、きびしい状況を乗り越える上での助けになるのなら・・と、教育の現場や企業でも研修などで取り入れられているそうだ。

 

また、食生活や運動を変えるコトで、レジリエンスを養えるという。

脳のエネルギー源となるブドウ糖が少なくなると、集中力も落ち、感情の起伏が激しくなるといわれており、少量の食事を3時間おきにとるコトで、血中のブドウ糖を一定のレベルに保ち、感情をコントロールする力を高め、レジリエンスを高めるられるのである。

全力でのランニングを繰り返すインターバル・トレーニングでも、体力の限界を越えるコトで、自己効力感を養えるコトから、レジリエンス向上に役立つ。

世界100カ国以上に展開する米・大手製薬会社のグラクソ・スミスクライン社では、トレーニングに参加した1万人の社員のうち、約8割が職場におけるメンタルヘルスが改善され、仕事のパフォーマンスが上がった(!)という。

 

真に生きる力とは、成功を続ける力ではなく、失敗を乗り越える力である。

よりしなやかに、「剛」より「柔」・・。

 

 

変化する状況に前向きに、しなやかに、柔軟に対応する”折れない心”―レジリエンスこそ、今、すべての人に求められているものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 


絶望の中、歩み続ける勇気を!

2014年04月23日 | 人生覚書き

 

「歩くのはかまわない、でも止まってはいけない」

                        栗木恭一

 

はやぶさのイオンエンジン開発に携わった宇宙工学者・國中均の恩師、栗木教授のことば。

 

 

たった60キロあまりの燃料で実に7年間、60億キロ!の旅をして来たはやぶさの感動的な帰還、そして小惑星イトカワの微粒子を持ち帰った快挙は記憶に新しい。

(カテゴリー/サイエンス:小惑星探査機「はやぶさ」帰還参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/8c82f2ce2389f63b5e501127ffe5fdee  

(カテゴリー/サイエンス:「はやぶさ快挙!小惑星イトカワの微粒子確認!!」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/92c778fdb04ba17a53bebddf1769af7e 

(カテゴリー/人生覚書き:「クールな頭脳、熱いハート」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/accc003befbfaad1c53659f91ebd6bb0

 

燃料を燃やすエンジンではなく、マイクロ波を利用したイオンエンジンは、成功すれば、圧倒的に遠くまで行ける。

 

マイクロ波型イオンエンジンとは、マイクロ波を当てて原子を激しく振動させ、プラスイオンと電子とに分け、両者が電気的に引き付けあう力を利用して噴射し、推進力とする。

この力は、地上では1円玉を動かす程度の弱さであるが、無重力の宇宙空間では徐々に加速し、時速1万kmにも達するという!

 

はやぶさのプロジェクトリーダーである川口惇一郎は、このイオンエンジンに目をつけ、國中に白羽の矢を立てた。

それまで、電機推進などという研究は役に立たない、”穀つぶし”と周りから揶揄され、悔しい思いをしてきた國中は、二度とめぐって来ないだろうチャンスに、二つ返事で「やってみせます」と答えた。

 

小惑星までの長距離航行を可能にするのは、1万時間の運転に耐え得る必要がある。

最大のカベは電子を発生させる中和器の耐久力で、どうしても100時間で壊れてしまう・・。

 

改良のカギは、中和器に使う5つの磁石にあるコトは分かっていた。

その磁石に練り込む金属の種類や量、配置の仕方・・ひたすら、その組み合わせを考えては実験を繰り返す日々が続いた。

 

しかし、1年がすぎ、2年がすぎても改善しない・・。

 

―この研究には、出口はないのではないか・・?

 

次第に恐怖で眠れなくなった。

答えはないのかもしれない・・。

今、取り組んでいる方法が間違っているのかもしれない・・。

日々、不安でたまらない。

「こわくて、こわくて、しょうがない・・」

周りから実験の経過を聞かれるコトすら恐怖だった。

 

ある日、ついに國中は、恩師であり、イオンエンジン研究の世界的パイオニアである栗木教授を訪ね、言った。

 

「もう、開発をやめたいです・・

 

涙ながらに語る國中に、栗木教授がそっと言ったのが、冒頭のこの言葉。

 

「歩くのはかまわない、でも、止まってはいけない」

 

―それは、未知の荒野を、決して立ち止まるコトなく歩み続けてきた恩師の、重みのある一言だった。

 

どんなにこわくても、

どんなにゆっくりでも、

常に足を前に出すコトだけは、やめてはいけない・・。

 

―それが、未知の分野に挑む者の、最も大切な姿勢・・。

 

 

國中は、いつ答えが出るともしれない磁石の組み合わせ実験に、再び挑みはじめた。

 

―それから1年後、「これが最後だ」と思った組み合わせで試した時、中和器の耐久時間が突然、9000時間をマーク、ついにエンジン開発の目処が立った。

 

 

ちなみに國中の好きな言葉は、「こんなこともあろうと・・」 

実はこれ、『宇宙戦艦ヤマト』の技師長・真田志郎のセリフ。

 

はやぶさの地球帰還の際、4つのエンジンの寿命は3年という飛行予定をはるかに越え、耐久力の限界は既に過ぎていた。

最後に1つ、生き残ったエンジンも、地球到着目前で止まってしまった。

 

その窮地を救ったのは、國中が「こんなこともあろうと」誰にも知らせず施した細工。

 

イオンエンジンは、プラスイオンと電子を噴射する2つの装置が組み合わさって機能するが、生き残った装置同士を組み合わせる、クロス運転という驚きの仕掛けである!

 

國中はこれについて、こう語っている。

 

 

「本当はこんなもの使わないほうがいいんだけどなと思ってましたけど、まあ、最後使うことになっちゃって・・。

やれることは、人の思いつくことは全部やりましたと。

人の想像力で出来る、想像力で想定されることは、すべてに対応できるだけのことはやり尽くそうと・・。」

 

 ―これぞ、絶対にあきらめない歩みの真骨頂であろう・・。

 


国内最速!井上尚弥、プロ6戦目で世界王者に!

2014年04月11日 | 格闘技・武道

先日、6日に行われたWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで、“怪物”井上尚弥が王者アドリアン・エルナンデスを6回2分54秒、TKOで下し、プロ6戦目にして世界王座を奪取した。

 

これは前WBA同級王者井岡一翔がもつ7戦目で世界王者・・という記録を更新、国内最速記録となった

 

井上は終始、王者を圧倒し、スピード、テクニック、ともに

「これはモノが違う・・

・・と思わせる戦いを展開、”怪物”の異名がホンモノであるコトを実証した。

 

とにかく、エルナンデスのパンチが当たらない。

接近戦でもつれあった時に1、2発もらったくらいか・・?

左目の上をカットし、顔もボコボコに腫らしていたエルナンデスに対し、井上は試合後も無傷で顔もきれいなまま・・。

圧勝といっていい内容だった。

 

将来的には井岡一翔ととの日本人頂上対決も噂されるが、もし、実現すれば、史上最高、最強の日本人対戦カードとして語り継がれていくコトは、まず、間違いない!

必ずや、伝説の一戦となるコトだろう。

 

いや~、ぜひとも井岡VS井上、実現して欲しいものだ・・。

 

 

 


散るさだめ・・

2014年04月08日 | 人生覚書き

散る桜

  残る桜も 散る桜

               良寛

 

良寛の辞世の句。

太平洋戦争の時に神風特攻隊の心情になぞらえた歌としてよく知られたそう。

 

今、咲き誇っている桜も、等しく散るさだめにある・・。

それは人生も同じ・・。

 

今年の桜ももうすぐおわり・・。

 

それでも桜は、また花を咲かす・・。


塵の如き人生

2014年04月03日 | 人生覚書き

 

  風の上に

      ありか定めぬ 塵の身は

           ゆくへも知らず なりぬべらなり

                          『古今和歌集』

 

 

―風に吹かれて居場所も定まらない塵のようなこの身は、どこへ行くかも分からなくなってしまった・・というイミの、『古今和歌集』に収められた”読人知らず”の歌。

 

天下の傾奇者・前田慶次『前田慶次道中日記』の中にも引用し、こよなく愛したとされる歌でもある。

 

 

武人として知られる慶次であるが、漢詩や和歌など古典にも通じた高い教養と、歌会などにも顔を出し、マンガ『へうげもの』で知られる古田織部など、文化人とも交流のある”粋”な風流人であった。

 

所定めぬ漂泊のわが身と重ねたのであろうか・・?

 

しかし、実際の慶次は、歌会などを通じて親交を深めたとされる直江兼続と、その主君・上杉景勝に心酔し、仕官。

新規召し抱え浪人の集団である組外衆の筆頭として、破格の1000石を受けた。

 

 

自分が前田慶次という人物をはじめて知ったのは、『北斗の拳』でおなじみ、原哲夫のマンガ、『花の慶次』を読んで・・。

原作である隆慶一郎の小説、『一無庵風流記』も、すぐさま古本屋で探して読んだものだ。 

 

 

強くて粋で、イタズラ好き・・。

 

あの時代、誰にこびるコトなく、傾奇者として生きたその自由な生き方は、誰しもあこがれるコトだろう。

 

 

その傾奇者が愛した歌・・。

 

 

慶次の生きた戦国時代、誰もが風に舞う塵のように、明日をも知れぬ激動の時代であった。

 

しかし、慶次は、決死の覚悟を胸に秘めつつ、さわやかに笑って過ごした”漢”だったのだろう・・。

 

 

自分も、そんな風に生きたいなぁー・・。(笑)