静岡のケンブリッジの森デザイン事務所の藤原氏からの依頼。
三島ガレージのある家のKさんのテーブルとなる。
手ノコで引いたあとにチョウナがかかっているかなり昔の
貴重な古材を仕事場から発見する。今まで見えなかったのに
いきなり目の前に来る事がある。これはもう使って下さいという
事だと解釈。ケヤキだが、切っても臭いが飛んでいるほど古い。
これを入れて厚み50の700×2700のスマートな天板予定。
割れやへこみなどは絶好の絵となる。
たいがいは優等生でない木の方が味わい深いものができる。
木に言う通りに、制作する。
木と木のつなぎは小口を2センチ角のオス・メスにして合わせる。
こうすると木が動いても向こう側が見えることはない。
今まではごつい2センチ幅の4枚刃を使用してメスを彫っていたが
けやきの硬い節などあるとガツンと機械の芯が狂うほどの抵抗を受け
こわかったが、ビストロ・ダンディの親方がいいのがあるよと教えて
くれた。これは真っ直ぐにセットすると3ミリで最大21ミリまで
調節が効き、これを使うとなめらかで格段にセーフティーに彫れた。
赤けやき、山桜、えんじゅ、日本くるみ、雷電木、ウォルナット
などのハーモニー予定。
いまだ2700に届かず。家の間取りに合わせたサイズなので
どこにもないKさんの為だけのオリジナルテーブルとなる。
素材も2度と同じものはない。
それこそ人生と同じ一期一会である。
2700到達。結果はテーブルとなりますが、木工ではない。
その線を残すのか、消すのか、あくまでも絵を描く。
しかしテーブルとして拭いた時にガサガサならぬように磨きあげる。
オイルを伏せたて。仕上がりは写真ほどテラテラではありません。
ぐっとそれぞれの木の質と色味が浮かび上がる。
鉄足作り。もう少し鉄工場をかたつけるべきだと思う。ははは。
鉄工場がキレイで骨格が見づらい。
最もシンプルで強靭で安定した骨格を思考。
富士山も思考。
鉄足の4点に本皮を貼る。
鉄足に黒のつや消し塗装。スカッと仕上がる。
生みの親の仕事を終える。
あとはKさんに育ての親をバトンタッチです。
歳ゆくごとにその表情はより豊かになります。
藤原君、ありがとう。