正々堂々blog

衆議院議員川内博史の日記。

電気用品安全法 その15

2006年03月20日 | Weblog
本日付の新聞に、経済産業省のPSE法に関する「お知らせ」が掲載されています。経済産業省も、いい加減にしないと、こんなデタラメな「ウソ」と「ごまかし」を続けているようでは、日本の産業政策に汚点を残します。しかも税金を使っているのですよ、これは。

電気用品の不具合が原因で、平成16年には
「約1000件の事故が発生しています。」
と書いてあります。

今、問題になっているのは中古の電気用品ですから、この1000件という数字は、如何にも中古に関わる数字のように感じる訳ですが、これは「ごまかしの数字」です。

経産省が出典にしている独立行政法人製品評価技術基盤機構の、平成16年度「事故情報収集制度報告書」を調べてみました。

家庭用電気製品の平成16年度の事故報告件数は、確かに1,024件です。しかし経年劣化いわゆる「中古」であることに起因する事故は、22件しかなく、そのうち更に人的被害(死亡・重傷・軽傷)が発生している事故は0件です。この報告から分かることは、経年劣化を理由としてPSEマークを貼付することを強制する立法事実は無い、ということです。

従って、このお知らせの冒頭に出てくる
「事故から守るため」に「PSEマークを付すること」というのは全く論理整合性を欠いています。

「PSEマーク」をすべての電気用品に付したいというのは、「安全」の為ではなく経産省の「わがまま」あるいは「ミス隠し」の為です。

もう1点、「中古品販売事業者の皆様へ」という項目があります。
これは、明確な「ウソ」です。

ここには「技術基準適合確認義務」のことについて、全く触れていません。

社団法人日本電気協会が発行している「電気用品の技術基準の解説」という全976ページの解説書に、確認の細目が出ています。法の8条1項には、「製造事業者」は「技術基準の適合を確認する」義務を定めてあります。

何度もこのブログで繰り返して指摘している通り、法律上で、PSEマークを貼付することができるのは、「製造事業者」と「輸入事業者」だけであり、これらの者になる為には、中古電気用品の「販売事業者」は届出をし、「製造事業者」になり、「技術基準」の「適合確認」をしなければならないのですから、「お知らせ」に「検査をして」と記述してあるのは、明らかな「ウソ」になります。

自分達の「ポカ」を多額の税金を使って、ごまかしにごまかしを重ね、施行をごり押ししようとする彼らの姿勢は、ぼくの理解の限度を超えています。

なぜなら、法改正は「1円の税金」も使わずに出来ることだからです。

PS 3月17日環境委員会の会議録です。