日本ユーラシア協会広島支部のブログ

本支部は、日本ユーラシア地域(旧ソ連邦)諸国民の相互の理解と親善をはかり、世界平和に寄与することを目的とする。

日本ユーラシア協会広島支部ニュース2022年12月28日

2023-02-26 22:19:05 | 日記
 日本ユーラシア協会広島支部ニュース2022年12月28日
【2023年度ロシア語能力検定試験】
2023年度ロシア語能力検定試験の試験日程
●第81回ロシア語能力検定試験 (3・4級のみ)2023年5月28日(日)
●第82回ロシア語能力検定試験 (1・2・3・4級)2023年10月28日(土)・29日(日)

【2023ひろしまフラワーフェスティバル】[ひろしまフラワーフェスティバル企画実施本部より]
 平素はひろしまフラワーフェスティバル(FF)にご協力いただき誠にありがとうございます。
11月8日にはっぴょういたしましたとおり、2023ひろしまフラワーフェスティバルは、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の円滑な開催のため、日程を6月10日(度)・11日(日)に変更いたします。
 4年ぶりの平和大通りでのパレードやひろば展開、また平和記念公圉一帯での開催に向け、準備を進めております。(後略)

【初めて地球を一回りした日本人~石巻若宮丸物語:第8話 阿部和夫】
サンクトペテルブルクでの見聞
 皇帝の前で自分の意思表示をした一行は、宮殿を出ると、思いがけない光景をみることになります。気球を上げる興行がフランスから来て行われていたのです。皇帝は、漂流民一行にそれを見せようと、謁見の日取りをそこに合わせてくれていたのでした。直径6m程の気球にかごが付けられ二人が乗って空に上がるのを見た一行は驚きました。恐らく気球を見た最初の日本人だったと思います。
 日本に向かう船が出帆するのは、二週間程後でした。その間、漂流民達はいろいろな場所や施設等を見学させて貰いました。
 それは、漂流民にとって驚きの連続でした。歴代皇帝の墓所や寺院、クンストカメラ(ピヨートル大帝の創設による学術美術品の陳列館)でガラス瓶に入った胎児に度肝を抜かれ、話しに聞くだけだった象の骨格標本を見て恐ろしさを感じています。プラネタリュームを見学し、春夏秋冬どの季節の星空でもたちまち映し出すといわれて驚きました。
 また、劇場にも行きました。三階建ての劇場がどの場所からも舞台がよく見えるように作られているのに驚きました。恐らくオペラを見せて貰ったのでしょうが、セリフは、歌の様な節回しで語られ、女の役者の声は、小鳥のさえずりの様だと感想を漏らしています。
 遊園地では、「水車を大きくしたような輪に人が乗るかごを取り付け、輪の回転と共に空中にせり上がる遊び道具」即ち観覧車を見て、木戸銭を取られるのに行列が出る程の人気だったと驚いています。
 養生所(病院)で、身分の上下に関わらず手当をして貰えること、更には捨て子や親のない子どもを集めて養育する孤児院を見て、日本ではとても考えられないことだとしています。
 さらに、ここで初めて体験する白夜の季節が、帰国グループと残留グループとが共に過ごす最後の時となります。
 様々な未知のものを見聞して驚いた漂流民ですが、彼等が最も感動した場面は、クロンシュタットにある別荘に招かれた時です。別荘の素晴らしさよりも久々に海を見て感激しました。
 やはり彼等は、海で生きてきた男達だったのです。

【黒い雨訴訟と内部被曝(第3報)】
 2020年7月29日の「広島『黒い雨』訴訟」広島地裁判決に関連し、「日本とユーラシア」11月15日号で原爆(ウラン型の広島原爆)投下後70年が経過している中で、黒い雨地域の女性の肺にとどまっているウラニウムからアルファ線が発射された瞬間をとらえた写真・新聞記事を紹介した。
 この地裁判決では内部被曝とは、「放射線を出す原子(体内に取り込まれやすい放射性微粒子を含む)が体内に入り,例えば,血流を経て,骨,肝臓,脾臓等に沈着する等,人体が体内から放射線を浴びることをいう。空気中に放射性微粒子が漂っている場合,呼吸によって体に取り込んでしまう。また,放射性微粒子が水や食べ物に溶け込んでいる場合に,それを食べてしまうと体の中に取り込んでしまう。このようにして体内に取り込んだ放射性微粒子から放射線が出ることによって内部被曝が起こる。」と述べている。さらに「内部被曝においては,アルファ線やベータ線といった透過力は弱いが,その範囲で集中した被曝をもたらす放射線による被曝が問題となる。アルファ線は,体の中ではたった40μmしか飛ばないが,その範囲では集中した被曝をもたらし,ベータ線は約2mm飛ぶが,ベータ線を発射する放射性原子の半減期が非常に短いものであるので,その範囲では非常に高い電離の密度を持つ。このように内部被曝は,被爆態様として非常に危険性が高い。」と述べている。
 プルトニウム型原爆については、「死亡した長崎被爆者の腎臓を米軍が資料として保管していたものを戦後60年ほどたって撮影した写真からは,腎臓の1箇所から2本のプルトニウムのアルファ線が発射されていることが確認できる。」としている。長崎大学のサイト「長崎原爆被爆者のプルトニウム内部被ばく」(2018年8月9日)ではプルトニウムアルファ粒子の飛跡を写真で見ることができる。
 先日12月12日、長崎地裁は被爆2世による国に対する国家賠償請求を棄却する判決を下した。広島大の星正治名誉教授(放射線生物・物理学)は「放射線による被爆2世への遺伝的影響の可能性が否定できないなら、裁判所は救済を命じるべきだ。遺伝的影響は既に動物実験などで十分証明されていて、人も例外でないことは明らかだ。」とコメントされている。

【書籍の紹介】
東電役員に13兆円の支払いを命ず!: 東電株主代表訴訟判決  2022/10/27 (株)旬報者 河合 弘之 (著, 編集), 海渡 雄一 (著, 編集),  その他 内容:福島第一原発事故は防ぐことが可能であった!原発事業者としての義務を怠った東電役員を断罪した歴史的判決はどのようにして勝ち取ることができたのか。「被告らの判断及び対応は、当時の東京電力の内部では、いわば当たり前で合理的ともいい得るような行動であったのかもしれないが、原子力事業者及びその取締役として、本件事故の前後で変わることなく求められている安全意識や責任感が、根本的に欠如していたものといわざるを得ない。」(判決文より)

【「映画『氷雪の門』への考察(22回目)】
映画『氷雪の門』シナリオの原作といわれる「金子俊男著『樺太一九四五年夏ー樺太終戦記録ー』(1972年講談社)を読む(その2)。「海軍刑法第31条 指揮官、休戦又ハ講和ノ告知ヲ受ケタル後、故ナク戦闘ヲ為すシタルトキハ死刑ニ処ス」(陸軍も同様)との規定があるにも拘わらず、ポツダム宣言受諾についての天皇の玉音放送(1945年8月15日)後も戦闘が続き、戦争を一層過酷なものとした要因を考察します。


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