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世界の被ばく者の声に触れて 顔写真パネルも 夢の島・第五福竜丸展示館

2023-01-25 | 先住民族関連
東京新聞2023年1月24日 07時12分

企画展に展示されている核実験被害者の写真を集めたバナーと、展示を企画した安田和也主任学芸員=江東区夢の島2の第五福竜丸展示館で
 米国の水爆実験に遭遇した日本のマグロ漁船の被害を今に伝える「第五福竜丸展示館」(東京都江東区夢の島二)で、世界各地の核実験で被ばくした人々の苦しみを紹介する企画展「世界のヒバクシャ-核開発・核実験のもとで」が開かれている。(佐藤航)
 「五歳くらいの時に、赤い火球を見たような覚えがある」。展示では、米国が一九五〇年代から核実験を行っているネバダ州に隣接するユタ州で生まれ育った女性の証言が紹介されている。女性は結婚して子ども三人をもうけたが、長女は脚の骨にできたがんで六歳で亡くなったという。
 紹介されている十六人の証言は、神奈川県小田原市のフォトジャーナリストで同館専門委員豊崎博光さん(74)が取材した。米国による太平洋のマーシャル諸島の核実験で被害を受けた第五福竜丸の乗組員や、旧ソ連の核実験によって故郷を追われた北極海の島の先住民族。顔写真入りのパネルが並び、被害の状況やその後の経過を振り返る貴重な声に触れることができる。
 福竜丸の漁労長だった故見崎吉男さんは「火山が爆発したかと思った」と実験の瞬間を回想。その夜には目が痛むなど体調に異変があり「乗組員に毛が抜ける者がみられ、皮膚も黒くなった」と振り返っている。
 核開発に携わった作業員や、核実験に動員された兵士の声もある。幅広い人々に悪影響を与える核の危険性を伝えている。
 ウクライナに侵攻しているロシアが核兵器の使用に言及するなど、再び核の脅威が危惧される。日本政府も国際情勢の悪化を理由に防衛政策の転換を打ち出した。豊崎さんの協力で展示を企画した同館の安田和也主任学芸員は「平和が危ぶまれる今こそ、改めて被ばく者の声に耳を傾けてほしい」と呼び掛けている。
 三月二十六日まで。入館無料。午前九時半~午後四時、月曜休館。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/227039
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