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映画カムイのうた好調 全国公開50館超 旭川で再上映へ 東川町、PRさらに

2024-05-09 | アイヌ民族関連

和泉優大 有料記事

北海道新聞2024年5月8日 21:18

旭川市内のイベント会場で、映画のポスターや小道具として使われた首飾り「タマサイ」などを並べて、「カムイのうた」をPRしたボランティアのメンバー

 大正期のアイヌ文化伝承者で、旭川で幼少期を過ごした知里幸恵(1903~22年)の生涯を描いた映画「カムイのうた」が、17日から旭川市のシネプレックス旭川(永山12の3)でアンコール上映される。昨年、道内8館で先行公開された映画は、50館を超える劇場で上映されてきた。アンコール上映を契機にあらためて作品に注目してもらおうと、映画製作に協力し、撮影地にもなった東川町関係者やボランティアらがPRに協力している。

 昨年11月下旬に旭川や札幌など道内8館で封切りされた映画は、今年1月下旬には東京や大阪など道外の9館でも公開された。上映館数は増え、これまで道内12館と道外34館で上映。現在は道外5館で上映中のほか、新たに道外の10館で新規上映が予定されている。

 配給会社トリプルアップ(東京)は「北海道発の映画としては、まれなスマッシュヒット」と驚き、「アイヌ民族の歴史を史実に基づき描いたことや、人気漫画『ゴールデンカムイ』の影響もあった」とみる。

 現在は道内で上映していないものの、映画館に問い合わせがあるなど反響は続いており、旭川での再上映が決まった。アンコール上映は1週間程度で観客が多ければ延長するという。

 アンコール上映を盛り上げようと、東川町も一役買っている。・・・・・・

 

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1009228/


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白糠町長8選の棚野氏に聞く 1次産業を振興/定住促進へ支援策

2024-05-09 | アイヌ民族関連

聞き手・佐竹直子 有料記事

北海道新聞2024年5月8日 17:59(5月8日 18:45更新)

8期目の当選を決め、抱負を語る棚野孝夫町長(小川正成撮影)

【白糠】7日告示の町長選で無投票8選を果たした棚野孝夫氏(74)が同日夜、取材に答え、今後に向けた決意や重点政策について語った。

 ―道内の現役市町村長として最多の当選回数です。

 「自分としては3期目くらいの気持ち。就任当初は財政難で苦労し、立て直しの時期を経てこれからマチの発展を目指す時期だ。耕し直した土からやっと出た芽をこれからの4年で育てたい」

 ―何から取り組みますか。

 「1次産業の持続的振興だ。酪農は、従来の大型の多頭飼育だけでなく、(乳牛を牧草地で放し飼いする)放牧型も進めたい。馬や羊を飼育する畜産も拡大させたい。町内では、大規模太陽光発電所敷地内に馬や羊を放牧する事業が民間によって計画されている。再生可能エネルギーを地域の電源として活用して畜産を進める新たな取り組みを応援していく。新たに果樹栽培も定着させたい」

 ―漁業の支援策は。

 ・・・・・・

 ―人口減少も課題です。

 ・・・・・・

 ―次世代の育成は。

 「町の豊かな自然の活用策を学ぶ環境教育を0~18歳を対象に進める。町の農林水産業やアイヌ文化などを学んで地元の特色を理解してもらい、定住につなげたい」

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1009075/


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<ウポポイ オルシペ>88 マールとアイヌ語を楽しもう 絵本のシーン 展示で体験

2024-05-09 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年5月8日 10:33

絵本のワンシーンを再現したフォトスポットと体験型展示

 国立アイヌ民族博物館で開催中の第6回テーマ展示「ミナ ミナ おばけのマールとすてきなことば」(「ミナ ミナ」はアイヌ語で「笑って 笑って」の意味)は、2020年刊行のウポポイが舞台の絵本「おばけのマールとすてきなことば」(絵・なかいれい、文・けーたろう)をテーマとした展覧会で、絵本に登場するアイヌ語やアイヌ文化について学べます。

 特に絵本の読者である子どもたちにアイヌ語を学んでもらうのが目的の展覧会です。民具資料とは異なり、かたちがない「言語」というものを楽しく知ってもらうため、作者のお二人にもご協力いただきながらアイデアを出し合い、さまざまな体験型コンテンツを展示しました。

 会場の「おばけのマールとすてきなことば」コーナーには、三つの大きな四角柱があります。特に注目していただきたい絵本のシーンをえらび、体験型展示とフォトスポットにしたもので、全部で6パターンあります。

 体験型展示は、ボタンを押したり、・・・・・・・

・・・・・

 展示室には、アイヌ語を学べるなぞときゲームブックもあります。最終日の5月12日まで、展覧会をお楽しみください。<文・矢崎春菜=国立アイヌ民族博物館学芸員>

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1008915/


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国家人権委員会、民間の人権団体と「官民対話プラットフォーム会議」開催

2024-05-09 | 先住民族関連

台湾トゥディ2024/05/08

国家人権委員会は6日、人権問題についての官民対話のプラットフォームとなる「民間広泛参与対話平台会議」を初めて開催した。国家人権委員会の陳菊主任委員は、民間団体との定期対話のプラットフォームを確立することで、各方面の意見を幅広く受け入れていきたいと抱負を語った。(国家人権委員会)

国家人権委員会は6日、人権問題についての官民対話のプラットフォームとなる「民間広泛参与対話平台会議」を初めて開催した。国家人権委員会の陳菊主任委員は、民間団体との定期対話のプラットフォームを確立し、より柔軟な参加のメカニズムを構築することで、各方面の意見を幅広く受け入れていきたいと語った。

国家人権委員会によると、6日に開かれた会議には、心身障がい、外国人の出稼ぎ労働者、労働者、児童・少年、新住民、先住民族、婦女、ジェンダーなど11の分野で、長く人権問題に関心を寄せたり、権利を守るために取り組んでいる24の民間団体の代表が参加した。

陳菊主任委員は、「民間団体との対話のプラットフォームを通して、より柔軟な参加のメカニズムを確立し、各方面の意見を幅広く受け入れたい。これからも特定の議題についてシンポジウム、フォーラム、座談会などを開催し、これらの議題について専門的な立場にある民間団体と対談したい。国家人権委員会が政府と民間を繋ぐ架け橋となり、台湾の人々の人権を守るためにともに努力していきたい」などと期待を寄せた。

 https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=148&post=252327&unitname=ニュース-政治&postname=国家人権委員会、民間の人権団体と「官民対話プラットフォーム会議」開催


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地球が、音楽ストリーミングの公式アーティストに。自然音再生の収益を環境保全へ

2024-05-09 | 先住民族関連

アイデアスフォーグット5月 08, 2024 by 相馬 素美

波が打ち寄せる音、風が木の葉をなでていく音、鳥たちのさえずり……自然の音は、いつだって私たちを癒してくれる。仕事中やリラックスタイム、寝る前など、日常的に自然音をBGMにしている人は多いのではないだろうか。

それでは、その音を作り出している「地球」を、“アーティスト”と捉えたことがあるだろうか。

音楽ストリーミングでは、好きなアーティストの音楽を聞けば聞くほど、そのアーティストに再生回数に応じた収益が入る仕組みになっている。一方で、私たちは自然の音を日常的に聴きながら、音の“クリエイター”である地球に、何も支払っていない。もし、これが人間のアーティストだったら──誰もがその関係を「搾取的だ」と感じるだろう。

そんな考え方を反映し、音楽ストリーミング上で地球を「公式アーティスト」とすることで、自然音から得ている恩恵を地球に還元するプロジェクトが、国連の関連組織であるUN Liveから生まれた。その名も、「Sounds Right」だ。

Sounds Rightには、大きく2つのプロジェクトがある。ひとつめは、「NATURE」という名の「公式アーティスト」が、プロジェクトを主導する団体が録音したサウンドスケープを配信するというもの。ここでは、冒頭で触れたような、いわゆる“自然そのもの”の音を聴くことができる。

「NATURE」のページには、例えば「ニカラグアの真夜中の自然」「バイーア・ソラノの海の音」など、個性豊かなトラックが並ぶ。2024年4月末時点ですでに2,000人近くのフォロワーがいる。

ふたつめは、国籍もジャンルも多様な15組の有名アーティストが、自身の既存曲や新曲に自然音を組み合わせることで地球とコラボレーションする曲を集めたプレイリスト、「feat.NATURE」だ。こちらでは、ロック、ポップス、ラテンミュージックなどさまざまなジャンルの音楽に自然音を取り込まれており、それぞれに独特な音世界が展開されている。参加アーティストには、Brian Eno(ブライアン・イーノ)、AURORA(オーロラ)、UMIなどが名を連ねる。

これらの音楽は、Apple MusicやSpotifyといったメジャーなストリーミングサービスで聴くことができ、「NATURE」の63%、「feat.NATURE」の50%の収益が生物多様性の保全や環境の再生プロジェクトに使われるという。さらに、リスナーは「NATURE」のページにあるリンクから、任意の額を寄付することもできる。

プロジェクトの構成メンバーと意思決定のプロセスにも着目したい。Sounds Rightプロジェクトは、UN Liveと40人を超えるコロンビアの多様なミュージシャンや環境活動家たちが、自然の保全プログラムに人々を巻き込むクリエイティブな方法を話し合うところから始まった。このため、プロジェクトのメンバーにもグローバルサウス出身者が多く含まれる。

「NATURE」の収益の配分も、グローバルサウス出身の環境活動家や先住民族の代表者などを含む4人の専門家グループにより決定される。その意思決定プロセスの詳細について、プロジェクトディレクターのGabriel Smales氏はGood Good Goodの取材に対し、こう語る。

「地球は、自身のお金を何に使うでしょうか?まず、生物多様性と固有種のレベルが最も高い生態系の保全と復元を優先するでしょう」

「次に、地球はお金が最も効果的で倫理的な方法で使われることを望むでしょう」

「最後に、地球自身は話すことができないため、その最も重要な守護者である先住民(自然界を保護するために最も大きな負担を負っている人たち)、また保全科学者や実践者たちに代表されたいと思うでしょう」

Good Good Goodの取材記事より、Gabriel Smales氏のコメント

Sounds Rightを通した収益が発生するまでには少し時間がかかるが、プロジェクト主導者は公開後の4年間で6億人以上のリスナーを獲得し、4,000万ドル以上の保護費用を生み出せると見積もっている。

生物多様性や環境の保全を資本主義経済の原理に組み込んで推進することは、見方によっては非常に「人間本意」な行為かもしれない。だが、Sounds Rightの本質は、私たちが地球から何を享受しているのかを改めて思い起こさせることにあるのではないだろうか。

そう考えてみると、口にする食物をはじめ、日常を豊かにしてくれる香りや家具、自然をインスピレーションとするアートまで、私たちの周りには地球からの“おくりもの”で溢れている。そんな地球に恩返しをするときが、来ているのではないだろうか。

【参照サイト】Earth (yes, the planet) will now receive streaming royalties when you listen to nature sounds on Spotify, Apple Music
【参照サイト】Sounds Right: Nature inspired music initiative aims to raise $40m for conservation
【参照サイト】SOUNDS RIGHT
【参照サイト】feat.NATURE
【参照サイト】VozTerra
【参照サイト】Sounds Right(UN Live)
【参照サイト】Sounds Right x EarthPercent Fund for NATURE

https://ideasforgood.jp/2024/05/08/nature-streaming/


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「わたしの言葉」ってなんだろう? 東京都現代美術館『翻訳できない わたしの言葉』展をレポート

2024-05-09 | アイヌ民族関連

CINRA 5/8(水) 18:56

金仁淑《Eye to Eye, 東京都現代美術館 Ver.》

言葉をテーマにした展覧会『翻訳できない わたしの言葉』が、東京都現代美術館で開かれている。この展覧会ではユニ・ホン・シャープ、マユンキキ、南雲麻衣、新井英夫、金仁淑の5人の作品を展開している。7月7日まで。

【画像】『翻訳できない わたしの言葉』展示風景

開幕に先駆けて行なわれた4月17日のプレス内覧会では、同館の担当学芸員、八巻香澄が「言葉や言葉を発する行為を切り口にして、一人ひとりの違いや選択する権利というものを考える機会にしたい」と企画展に込めた思いを語った。

今回の記事では、内覧会でのアーティストのコメントを紹介しながら、展示についてレポートする。

発音には私の遍歴が生きている

―あなたの「わたしの言葉」はどんな言葉ですか?

この展覧会では入り口のキャプションにて、まず鑑賞者に問いかける。

内覧会でははじめに、八巻学芸員が展覧会のタイトルについて説明した。

「『翻訳できない』はコミュニケーションができないといったネガティブな意味ではなく、ポジティブな気持ちを込めています。例えば代わる言語がないとか、話している人の魅力とか、翻訳しようにもできないものがある、といったニュアンスです」

「一人ひとり、発音の仕方や言葉の選び方など個性があるものです。一人ひとり違う言葉を喋っている――そう考えたとき、それぞれの言葉を大事にしたいと思って『わたしの言葉』としました」

展示室に入るとまず目に映るのは、ユニ・ホン・シャープの映像作品《RÉPÈTE | リピート》。

ユニは、日本とフランスの2拠点で活動しているアーティスト。《RÉPÈTE | リピート》では、「Je crée une œuvre(私は作品をつくる)」というフランス語の発音を、フランス語を第一言語としている長女に訂正してもらう様子を描いている。

この作品をつくったきっかけについて、ユニがフランス国籍を取ったばかりのときのエピソードを挙げた。年上のフランス人との会話のなかで、ユニが「Je crée une œuvre(私は作品をつくる)」と言うと、何度も聞き返されたうえに「あなたフランス人アーティストなのにこのフレーズを言えなくてどうするの」と叱られた、という。

そのうえで、ユニは「でも、発音っていままで培ってきた口の筋肉だったりするので、私はフランス人アーティストであっても日本で生まれたし、そこには私の遍歴が生きている。この作品をつくったことで、自分の発音で生きていこうと思えました」と語った。

コミュニケーションそのものが私にとっての言葉

先住民族アイヌをルーツに持つマユンキキは、対話を収録した映像作品2点と自分の部屋を再現した空間を構成するインスタレーション作品《Itak=as イタカㇱ》を展示している。

「イタカㇱ」とは「(聞き手を含まない)私たちが話す」という意味。映像や空間は、マユンが大切にしているものや人々、言葉を提示しており、個人としての姿を通して、一人のアイヌであるマユンに出会ってほしいとの意図があるという。

マユンにとっての安全な空間に入るために、鑑賞者にはあらかじめ用意してあるパスポートへのサインを促される。パスポートには、例えば「私はアイヌが日本の先住民族であることを知っている」「自分が無知であることを知ったあとに、そのことについて深く学ぶ姿勢がある」などの問いが並ぶ。

「いま私が日本のなかでアイヌとして生きていると、安全が確保されていないと自分を見せるようなことができない。日々恐怖を感じるなかで、それを伝えなくてはならないと思っていた」とマユン。部屋に入ってもパスポートの中身を確認されることはないが、「サインをするということで一度ちょっと考えたり、何かを見るにあたって自分で選択するということをしてもらいたいなと思う」と語った。

マユンの部屋を出ると、映像作品を取り囲むように椅子やテーブルが置かれている空間が出現する。南雲麻衣のインスタレーション《母語の外で旅をする》。南雲は3歳半のときに聴力を失い、7歳で人工内耳適応手術を受け、音声日本語を母語として育った。18歳で手話(視覚言語)と出会い、いまは日本手話を第一言語としている。

インスタレーションでは、南雲がパートナーや友人、母親らと食卓を囲んでコミュニケーションをとる様子が映し出されている。設置されたテーブルの先に映像が映されており、鑑賞者も南雲らが囲む食卓の延長線上にいるように感じられる仕掛けになっている。

南雲は「私は言葉というのは、日本語・日本手話などというラベルを付けてしまうと『石』のような性質を持つように感じています。つまり、相手と私とのコミュニケーションそのものが私にとっての言葉なんです。相手をわかるための言葉が何であるかというラベルは捨てて、その相手との世界を楽しみたいという気持ちを含めて撮影しました」とした。

今日が『わたしの言葉』記念日

思い通りに言葉を表出しにくい、または身体を動かしづらいという障害のある人や高齢者らと向き合いながら身体表現ワークショップを行なってきた「体奏家」でダンスアーティストの新井英夫。今回の展覧会では、新井のワークショップで行なわれたエクササイズを体験できるような展示となっている。

ほかにも、その日その場所の記憶を即興で踊ったという日記のようなダンス映像など、新井の活動を振り返る展示も。新井は2022年にALS筋萎縮性側索硬化症)の確定診断を受けている。

「ダンサーとして活動していたのに筋肉が動かなくなることに絶望した。けれど、もうちょっと生きてみようかなと思う手掛かりになったのは、障害がある人とのワークショップだった。体は動かないんだけど豊かな内面があって、こちらが歩み寄ると言葉ではないけれどお互いの『わたしの言葉』がわかる。体が動かなくなっても、それは終わりではないという僕の希望につながっています」

そして、「私が垣間見た世界っていうのを少しでも想像していただいて、どんな人にも『からだの声』があるんだということに思いを馳せてもらえたらうれしい」と呼びかけた。

金仁淑は、滋賀県のブラジル人学校サンタナ学園に通う子どもたちと、子どもたちを見守る大人たちを映したインスタレーション《Eye to Eye, 東京都現代美術館Ver.》を展示。この作品は『恵比寿映像祭 2023』にてコミッション・プロジェクト特別賞、第48回木村伊兵衛写真賞を受賞している。

展示室中央の8つのスクリーンには、サンタナ学園の子どもたちと金が約1分間見つめ合ったというビデオポートレートが映し出されている。金は、彼らが話すポルトガル語はわからないという。ポートレートは150種類ほどがかわるがわる映し出され、子どもたちははにかんだり、投げキッスをしたり、それぞれの表情でこちらを見ている。

金は「子どもたちが優しい眼差しでこちらを見つめてくれています。メディアなどではまず『在日ブラジル人』『在日コリアン』として表記されますよね。でも、この人たちもみんなそれぞれ違う人生があって、その後ろに『在日―』がある、そういうことを知ってほしいなと思ったので、歩き回りながらいろんな人と出会えるように作品をつくっています」と語った。

この展覧会では、いわゆる言語として規定される概念を拡張して「言葉」を定義していた。金や南雲が言うように、人と人が向き合ったときに大切なのは、カテゴリ分けやラベル付けではなく、お互いを個として認識、尊重したうえでのコミュニケーションだと思う。それは簡単なようでいて、無意識の部分も働くから難しい。5人のアーティストの作品は、そんな個々人の無意識を具体化し気づかせる力をはらんでいると、個人的な感想を抱いた。

八巻学芸員は「展覧会を通して、『わたしの言葉』ってこういうことなんだなって気づいたら、今日がわたしの言葉記念日――じゃないですけど、お祝いするようなハッピーな気持ちで帰っていただきたいなと思い、メインビジュアルは紙吹雪をモチーフにしています。安心して、自分の言葉を大事にできる展覧会になっていると思います」と語っていた。

テキスト・撮影 by 今川彩香

https://news.yahoo.co.jp/articles/73c9d9d71d581b52434a5080f2479cca11be391c


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