くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ふたりのイーダ」松谷みよ子

2009-02-11 06:42:08 | YA・児童書
ま、まさに衝撃の結末です! 松谷みよ子「ふたりのイーダ」(偕成社)。
わたしにとって最寄の図書館にはこの本がなくて、別の図書館に借りに行きました。今まで読んだ<直樹とゆう子の物語>がどれもおもしろかったので、自分で買ってもいいかなーと思ったんだけど、なにしろわたしも生まれる前に書かれた物語です。売ってない……。「ちいさいももちゃん」は売っているのになー。
昔読んだような気はするのですが、このラストを覚えていないことから考えると、ケストナーの「ふたりのロッテ」と混同していたのかもしれません。
お母さんの実家に預けられた直樹は、裏手にある寂しい家を見つけます。しゃべる椅子は出てくるし、ゆう子は我が物顔で振る舞うし、さらにはその椅子がゆう子のことを「イーダ」だと言い張るしで、直樹は困惑します。確かにゆう子はすぐにむくれて、くちをとがらせることから「イーダ」と呼ばれていました。でも、しゃべる椅子が求めるイーダではないのです。
この家に住んでいた人たちはどうなったのか。それを調べるうちに知り合ったのがりつ子です。
わたし、始めはりつ子さんを幽霊かと思ったのです。だって、おばあさんたちが留守のときしか現れないし。でも、途中から普通に話したりお土産を持って来たりしているので、誤読と気づきました(笑)。
二人で調べていくうちに、どうやらイーダという娘と祖父は原爆の被害にあったらしいことが分かってきます。
椅子が壊れてしまうシーンは、その驚きと絶望の深さに涙が出そうでした。そうだよね。長い長い「キノウ」をひたすら待ち続けたイーダが帰ってきたと思っていたのに、はっきり違う子だと見せつけられてしまったんだもの……。
だからこそ、りつ子からの手紙が胸を打ちます。これから先の彼女の人生を思うと、容易な道ではありえないから。
なにもかもが判明し、じんわりとした感動の押し寄せる物語でした。
それにしても、今日ネット検索して、<直樹とゆう子の物語>には第五作があることを知りました! あぁ、もう一軒別の図書館に行ってきます。

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-05-19 09:22:42
おはようございます。
嬉しいです。頑張って下さい。今週の土曜日は、1週間分の「虎に翼」を見ます。

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