伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

遷宮(せんぐう)の新しい視点

2010-09-21 12:02:36 | Weblog

この写真は今年8月の、伊勢神宮の内宮に在る御稲御倉(みしねのみくら)のものです。
過去記事(
http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/d/20100414)でも、御稲御倉について記述していますが、倉の中には神宮の神田(しんでん)で収穫された稲が納められています。
今回、特に目立ったのは屋根に生えた雑草の量です。前回よりも増えた感じがしました。
ただ、雑草と言いましても、なぜか品のある変わった草でした。ここで面白く思ったのは、屋根の片方だけに草が生い茂ることでした。
正面の左側屋根だけに多く生えています。この左側の屋根下に、もの凄く生命力を宿す物が置かれている影響を受けて、草が多いとすればロマンがありますね。

神宮の神田で作られたイセヒカリ米は、それぐらいの生命力を宿すのかも知れません。
ただ、過去記事で少し触れました、もう1つの「重要な物」が御稲御倉に安置されています。
それは何か?についてはインターネットで調べますと、皇學館大学の先生により既に公開されていました。
それは、伊勢神宮の御正殿(ごしょうでん)の真下に埋められる御神体である、新しい心御柱(しんのみはしら)のことでした。
他の文献と合わせて見ますと、心御柱は162cmほどのヒノキ木材であり、これを御神体として御正殿の真下に1本埋められています。そして、御正殿の床下には、心御柱の上部が出ており、この柱に自然界の供物を捧げる事が重要な神事の根幹とされています。

これの原型は、伊勢白山道では白山の三本の石柱に在るとします。
後世に地中に消えた石柱の代わりに、木の柱を地上に立てたと感じます。
この木の柱の露出した上部に取り付けた雨除が屋根と成り、この屋根が現代の立派な御正殿に進化したと感じます。だから正殿のこだわりは、屋根の形状にあります。
地中の石柱→1本の木の柱→正殿の流れです。
だからさらに言えば、今でも1本のヒノキの木を地面に突き立て、その木の先端に大麻の皮を巻いて寄り代とすれば、それは自然界の神気を呼び寄せる立派な御正殿の機能を霊的にし始めます。
私たちも家を建てる時は、地面に柱を立てることに成ります。やはり自然霊に干渉する行為で有るのは確かです。地鎮祭は、土地の精霊への大切なセレモニーです。

ただ、心御柱の神事作法については神官同士でも、それについて話さない暗黙のオキテが在るようです。御神体に関わらない神官は、まったく一切内容を知らされない様です。
しかし、神様を祭る原型を究明しますと、避けては通れない事だと思います。
ここで興味深いのは、天皇陛下と心御柱の関係です。
400年ほど前の文献
大神宮心御柱記異本によりますと、遷宮(せんぐう)により御正殿を建て替える時の新しい心御柱は、時の天皇の身長に合わせて、心御柱の長さを切ったとあるのです。
心御柱=天皇陛下、でもあるのです。
私の感応では、神宮の遷宮(建て替え)が20年間ごとに繰り返すのは、天皇陛下の交代とも関係したと感じます。
絶えず時の天皇を祭ると言う観点から、20年間の切り目が良かったと言う説を思います。
ここにも歴史の面白さが在りますね。

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