今年も友人から作品展の案内状が届きました。
洋裁の好きなメンバーが着物地を解いて全く違う洋服に甦らせるというサークルです。
和布が持つその感触がたまらなく好きというメンバーばかりということです。
お誘いした友人もやはり同じ趣味でこの作品展を楽しみにしています。
普段中々会えないメンバーですが年に一度の、見て、感激して買って、帰りにランチしてお喋りして一日を
楽しんで過ごす事が恒例になってきました。
会場に行くまでに乗換えを3度もしなければならないのですが、
お喋りをしながらの道中はちっとも苦になりません。
頑張って朝早く出たお陰で一番乗りでした。
もうお馴染みになったサークルの皆さんが笑顔で出迎えてくれました。
その中の一人である私の友人が良く見てから考えて買ってね、衝動買いは駄目よと耳打ちします。
判った判ったといいながら目はもう綺麗に陳列されている棚に目がいってしまいます。
予算を決めてといつも思うのですがこういう女性の気持ちをくすぐるような作品になると緩んでしまいますね。
製作する方達は皆着物地には目が肥えていて、正絹、紬、かすり、銘仙、和布の持つ特徴を良く活かしてあります。
いろいろ試着してみてお気に入りを何点か買い求めました。デパートで売られているものに比べて
信じられないほどのお値段が付いています。
友人に言わせると値段付けは手間暇を考えると悩んでしまうのだけれど結局は布に携わっている事が好きだから、
皆が喜んでくださるのだからという事にゆきつくのだそうです。
正面の壁にうちかけが飾られてありました。手刺繍のそれは豪華なものです。
どのようにして廻ってきて飾られているのか聞けませんでしたが多分職人さんによる作品なのでしょう、
伝統的な技術ですよね。
受け継がれて残していく物、着物になっていたものを解いて再生してまるっきり感覚の違うものに
甦らせてと自由自在に和の世界の素晴らしさを訪れた私達に見せてくれます。
同行した友人に何が参考になるの?と聞いたら良いものを使っている事、丁寧に仕上げてある事と言っていました。
そうでしょうね、友人も言っていました、最後まで手を抜かないのよ、人様に渡るものだから。
なるほど、私が最も苦手としている根気ですかね。
小物コーナーに可愛いものを見つけて思わず手にとってしまいました。
またまた、増やしてしまうかなと思っても余りの可愛さにお買い求めでーす。
まだ、出していないお雛様の側に一緒に並べてあげましょう。
右側のは留袖の模様の所を使って狐の嫁入りの巾着ですよ、良く考えましたねー。
部屋の中は来場する人達が増えてきて熱気に包まれてきました。
外にでると何日か前に降った雪が日陰にまだ残っていて渡る風が冷たかったけれども
心の中はほっこりとした気分、また来年どんな作品に会えるか楽しみにして会場を後にしました。