大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

行秋の奈良~東大寺大仏殿・正倉院・二月堂~

2015年10月31日 10時16分03秒 | 行く秋の奈良探訪
毎年の恒例となった夫婦そろっての京都旅行を10月28日から10月30日の2泊3日で楽しんできました。今年は京都市内の観光は二の次に奈良、姫路、神戸(三ノ宮)と京都の郊外の宇治を巡ることにしました。

大仏殿

そんな旅は京都から奈良への近鉄特急(奈良線)から始まります。京都駅に09:08に到着後、09:30の近鉄特急奈良行きに乗車し、所要35分でモダンな造りの近鉄奈良駅に到着しました。

近鉄奈良駅前

私にとって奈良訪問は中学校時代の修学旅行以来およそ50年ぶり。当時訪れたはずの東大寺・大仏殿をはじめ主要な寺社についてはほとんど記憶に残っていないので、今回の奈良訪問は記憶に残る旅になることは間違いありません。

近鉄奈良駅から東大寺エリアまでは1.5kmということなので登大路をそぞろ歩きしながら大仏殿を目指すことにしました。その道筋の途中には、興福寺があるのですが今回は割愛しました。そしてその道筋を進むと、左手に奈良国立博物館があるのですが、ちょうど正倉院展の開催中でたくさんの見学者が列をつくって並んでいました。

時間に余裕があれば正倉院展を見たいのですが、長蛇の列を見て入場まで相当な時間がかかると判断してこれも割愛。

近鉄奈良駅から奈良国立博物館が途切れるあたりの「大仏殿交差点」までほぼ1kmです。ここまで歩いてくるうちに、奈良名物のシカが我が物顔で歩道を歩きまわっていました。

大仏殿交差点で横断歩道を渡り左折し、いわゆる大仏殿への参道を歩き、いよいよ東大寺南大門へと進んでいきます。
参道左側にはお土産を売るお店が並んでいます。そしてその道筋の右側に「世界遺産・古都奈良の文化財 東大寺」と刻まれた大きな石碑が置かれています。

石碑前にて

そして前方に堂々とした姿の国宝の「南大門」が現れます。南大門は鎌倉時代の正治元年(1199)に復興されたものです。門の両側には大きな金剛力士像が安置されています。

南大門

南大門の石段を上がったところに1頭のシカが!

南大門とシカ


南大門をくぐると、前方に朱色の門が現れます。中門(重要文化財)と呼ばれている門です。中門は江戸時代の享保元年(1716)に再建された建造物です。
その中門の柵の間から真正面に大仏殿の美しい姿を眺めることができます。

中門から見る大仏殿

さあ!はやる気持ちを抑えつつ、大仏殿へと進んでいきますが、拝観料を納める場所は中門から左手に少し行ったところに置かれています。

入館チケット

チケット購入していよいよ大仏殿を囲む回廊へと進んでいきます。その回廊から大仏殿がまるで浮かび上がっているかのように美しい姿を見せています。

回廊からみる大仏殿

正式名は東大寺金堂ですが、一般的に大仏殿と呼ばれています。江戸時代の宝永6年(1709)に再建されたもので、間口(東西方向)57.01メートル、奥行(南北方向)50.48メートル、高さ48.74メートルの大きさがある日本最大級の木造建築物です。高さと奥行は創建当時とほぼ同じですが、幅は創建時(約86メートル)の約3分の2になっています。
現在の大仏殿は創建から三代目にあたるものです。

大仏殿
大仏殿

広い参道を進んで行くと大仏殿前に国宝の金銅八角燈籠が置かれています。

金銅八角燈籠

それでは国宝の盧舎那仏と50年ぶりの対面です。…が堂内はあまりの人の多さに静かな雰囲気の中での参拝とはいかず、人ごみに押されながらの慌ただしい参拝となってしまいました。

盧舎那仏

盧舎那仏の左にはこれまで大きな虚空蔵菩薩像(重要文化財)が鎮座しています。この虚空蔵菩薩像は江戸時代の宝暦年間に造られたものです。

盧舎那仏を左に回り込むようにして進んでいきます。

盧舎那仏

そして本堂の北西角奥に置かれているのがこれまた大きな広目天の像です。大仏殿の広目天は、「左手に巻物を持ち、右手に持った筆で何かを書き留める」という天平時代の広目天の形式となっています。

広目天像

広目天像が置かれている辺りからは盧舎那仏の後ろ姿を見ることができます。後ろ姿といっても大きな光背しか見えませんが…。

盧舎那仏の光背

そして盧舎那仏の背後を通って本堂の北東に進むと、そこには大きな多聞天の像が置かれています。

多聞天像

盧舎那仏を一周して正面へと戻ると、大仏の右手には如意輪観音像(重要文化財)が鎮座しています。この如意輪観音像も江戸時代の元文年間につくられたものです。

如意輪観音像

仏に対して「素晴らしい」という表現が適切ではないかもしれませんが、盧舎那仏の柔和なお顔と威厳に満ちたその居ずまいと所作に心が洗われる思いです。

感動を胸に大仏殿を辞し、せっかくなので大仏殿の裏手にある正倉院へと向かうことにしました。有名な高床式校倉造りの建造物でもちろん国宝に指定されています。ちょうど正倉院展が開催されていることから、正門が解放されて敷地内までは入ることができました。

天平時代の756年に完成した建造物ということらしいのですが、寄棟造りの屋根のなだらかな傾斜と校倉造りの外壁の見事な融合美にただ感心するばかりです。

正倉院
正倉院

私たちは限られた時間の中での大仏殿そして正倉院訪問でしたが、ふと境内地図を見ると二月堂が至近にあることに気が付き、是非参拝に訪れようということになりました。

大仏殿の回廊に沿ってもと来た道を辿ってくると、左手にのびる石段が現れます。この石段を登っていくと二月堂へと至る道筋になっています。

二月堂への石段

石段を上りきると美しい姿の鐘楼堂が現れます。

鐘楼堂

鐘楼堂を過ぎて左手に延びる石段をさらに上がっていくと、懸造(かけづくり)で知られる二月堂(国宝)の真下に出てきます。

二月堂への石段
二月堂
二月堂

二月堂の参拝を終えて、同じ道を辿り大仏殿の中門、南大門を抜けて近鉄奈良駅へと戻ることにしました。
このあと、私たちは奈良滞在のもう一つの目的地である薬師寺、唐招提寺へと移動します。

行秋の奈良~飛鳥の白鳳伽藍「薬師寺」
行秋の奈良~天平の甍「唐招提寺」



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