植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

越冬記録 2018温室

2018年02月23日 | 2018の気象グラフ
 
2018冬は記録的な寒さが到来

 今年は寒波によって亜熱帯植物の越冬は厳しい年となりました。これによって越冬植物の選抜をはじめ、いくつかの点を見直す事にした。

私の住んでいる地でも、日最低気温が-6.4℃を記録しました(気象庁より)。
これは、北関東と同様の寒さであった。クライメートゾーン9a(-3.9~-6.7℃)なので、あと-0.3℃低ければクライメートゾーン8b(-6.7~-9.4℃)にせまる数値でありました。

クライメートゾーン9bの地域では、様々な種類が越冬できますが、ごく一部の地域に限られるます。しかし、温帯に位置する日本では(沖縄など除く)冬期の最低気温が氷点下をした回る植物がほとんど。その為、今後は越冬植物の選抜をして寒冷地(クライメートゾーン9a)でも越冬可能性のある種類を見つけていきたらなと思います。




東京都 2018.1.7




まだ、剪定後試しに、放置したアロエは凍っていません。

2018.1.6



自宅のシュロ

2018.1.6




ここで寒波前と後の温室の植物の様子を見ていこうと思います。


<寒波の植物達>
温室内(2月積雪や寒波で特に寒い日には、凍結防止用としてヒータがつく。
本来、小型温室用のヒーターなので2℃程上がるくらい。


ハイビスカス・サマーブリーズシリーズ 

2018.1.6



1つめの鉢

2018.1.6


2つ目の鉢

2018.1.6




ハイビスカス・レッドスター

2018.1.6



2018.1.6



ハイビスカス赤の大鉢(在来系)

2018.1.6



南伊豆で露地越冬したハイビスカス(在来系)

2018.1.6




ペインテッドレデイー

2018.1.6


2018.1.6



ブーゲンビリア・サンデリアナ

2018.1.6



パキラ

2018.1.6


2018.1.6




インドゴム

2018.1.6



ウンベラータ  
よく都内で屋外に置かれていると聞き、越冬させてみた。
枝先や幹に痛みがでた。

2018.1.6







<寒波後の植物達>
越冬後半 1.25の大寒波の後・・・。

ハイビスカス・サマーブリーズ

2018.2.17





ハイビスカス・レッドスター

2018.2.17





ハイビスカス赤の大鉢(在来系)

2018.2.17





南伊豆で露地越冬したハイビスカス(在来系)

2018.2.17





ペインテッドレデイー

2018.2.17




ブーゲンビリア・サンデリアナ 1/6より若干落葉した。

2018.2.17




パキラ  枝に凍傷が見られる。

2018.2.17






2018.2.17




インドゴムノキ  天井部のみ葉がダメージ。

2018.2.17





2018.2.17


●種類別越冬報告:2月17日現在 

越冬成功植物◎(温室内)
インドゴムノキ、シェフレラ、ブーゲンビリア・サンデリアナ、セローム、クワズイモ、ヒメクワズイモ、テーブルヤシ、

タマシダ、ネフロレピス・ツデー、ネフロレピス・ハッピーマーブル、アジアンタム、リュウビンタイ、アスプレニウム


越冬不可だった植物△(温室内)
ハイビスカス赤(レツドスター、ブリリアントレッド、ペインテッドレデイー)、パキラ、※ウンベラータ

※ウンベラータは1月6日には枝全体が凍傷となり、その後枯死。ハイビスカス、パキラは、枝葉が凍傷となり、根際の太い幹や枝のみ生存している様(表皮をめくると緑)だが、春からの復活や開花までは困難と思われる為越冬不可と記した。




・結果考察  2月24日現在
 

シェフレラやキダチアロエなどは、比較的多くの地で露地栽培を見かける。しかし、ハイビスカスやブーゲンビリア、パキラ、インドゴムは、本土の中では特に温暖な地域の宮崎(日南市)や静岡(熱海)などで見られのみである。また、屋外越冬している株を2017の視察時に見かけた際、大きく生育した様子を確認した。今回2018に耐寒性の調査の一環として、越冬を試みた。結果ではブーゲンビリア・サンデリアナ、インドゴムは越冬成功したが、ハイビスカスやパキラは2018.2.17時点で、枝葉全体が凍傷とななり、春からの生育や開花が困難な状態となった。

※ブーゲンビリア・サンデリアナは葉が寒さの影響を受け若干落葉した。インドゴムノキは、温室天井部の外気の影響が受けやすい部分の葉が茶色く変になった。

今回、ブーゲンサンデリアナとインドゴムノキが越冬成功したのに対し、ハイビスカスは枝葉全体が凍傷なり、春からの復活や開花が困難な状況になった。その為、パキラ、ハイビスカスは露地越冬例のある亜熱帯植物の中でも寒さに弱い分類に位置する事が分かった。また、ブーゲンビリアが越冬可能な地域でもハイビスカスが越冬不可の場合もある可能性があると思われる。



今後越冬させる予定の植物

サンセベリアの緑葉の種類・・・・・キリンドリカなどを検討中。断水下は0℃に耐えると聞く。

オキナワキョウチクトウ ・・・・・耐寒性があり、プルメリア(特に原種)に姿が似ている。
                     夏期に白花がさく。

這団扇(ウチワサボテン)・・・・・冬にしわしわになり、水分を凝縮させる特殊な耐寒能力がある。




川口 グリーンセンター

2018年02月23日 | 関東植物
 埼玉県は、場所により気候が大きく異なるのが特徴。夏場はフェーン現象を受け、熊谷市では40℃を超える日も少なくない。冬場では、山沿いの秩父・北部を中心に寒さが厳しいのが特徴である。また、今年の記録的寒波により、さいたま市が1月24日に-8.6℃を記録した。(気象庁の観測より)内陸性の気候の影響も受ける埼玉県の気候を理解するとともに、2018年の寒波の影響がないか視察を行った。

2018.2.15

川口グリーンデンターへいってきました。温室内中央の幸福の木(ドラセナ・フラングラス)が大きく成長している。温室の側面からも、日光と取り入れやすい環境なので、タコノキやトックリヤシも元気に生育していた。


2018.2.15


屋外にもいくつか耐寒ヤシや南国植物が植栽されている。チャメロップスやココスヤシは、耐寒性は約-7℃くらいまで耐えるので、露地でも寒さによるダメージは見られない。また、写真(上)の左側のココスヤシは、1月26日の積雪の影響なのか、葉が垂れている。

2018.2.15

2018.2.15

鬼面角も地植えされていた。温室近くの為か、寒さの影響は見られなかった。写真(下)のアオノリュウゼツランも(Agave)属の中では最も寒さに強い品種なので無傷で越冬している。また、2種とも乾燥下でないと本来の耐寒性を発揮できないので冬場の水管理に注意。

2018.2.15


2018.2.15

温室の壁際で風が当たりにくい為、トックリランも寒さのダメージは無かった。また、鉢栽培されている為、降雨に関係なく、冬季は乾燥した状態を保てる。また、トックリランは写真(下)ユッカ・エレフェンティペスよりも耐寒性が弱いので霜があたらない軒下での越冬が良い。

2018.2.15

ユッカエレフェンティペスは、耐寒性は強い種類。八王子でも露地で越冬しており、根付けば耐寒性が強い品種だと思われる。観葉植物として出回っている時(冬)は、まだ十分に根が育ってない場合があるので、露地植えする場合は状態を確認しておくとよい。


2018.2.15

ユズリハは、冬期のみ葉を丸める性質がある。それは、冬の寒さから芽を守る為だと思われる。冬には貴重な緑になる常緑樹(アオキ、ヤツデなど)は、南国風の植栽に扱われる事が多い。また、夏に鮮やかな花が咲くノウゼンカズラ、キョウチクトウも加えてもいいかも。

2018.2.15

2018 2.15

露地栽培のジャカランタ。本種は、熱海や都心などの温暖地でないと霜害にあうと思われた。しかし、特に枝の枯れ込みも無く元気に越冬していた。その為、埼玉県でも比較的温暖な南部では越冬できる事が分かった。温室近くの、日の当たる斜面に地植えされていたので場所が良いのかも。


2018.2.15
芭蕉(バショウ)

 芭蕉と地湧金蓮とも、耐寒性のあるバナナの中では耐寒性が強いので、容易に越冬できている。写真のように冬に葉が枯れても、春には復活するので大丈夫である。また、2種とも氷点下数度でも大丈夫なので、多くの場所で越冬例がある。


地湧金蓮(チュウキンレン)

2018.2.15

町なかでは、ウチワサボテンが屋外で越冬していた。また、(写真下)の川口グリーンデンター温室内の株は、神栖市のウチワサボテン群生地の株と、同じ品種だと思われる。また、北米の種類(這団扇)や銀世界、大型宝剣、大盆丸などは耐寒性が強い。


川口グリーンセンター温室内 2018.2.15



 唐棕櫚(トウジュロ)が温室前に植栽されていた。こもように、掌状葉のヤシは、何本かまとめて林立させた方が見栄が良くなる。また、耐寒性は-15℃まで耐えるので、日本各地に植栽されている。また、その高い耐寒性が評価されたのか北欧やヨーロッパなど海外でも植栽されている。

2018.2.15

 温室入口付近は、やや冷え込むがストロマンテ・トリオスターはある程度耐寒性があるので容易に越冬できる。その為、氷点下にならない暖地では、屋外で越冬できる事もある。葉色はとても派手でエキゾチックな植物が好きな方に人気。置き場所を選ばずに育てられる植物なので、カラテアやアロカシアが寒くて枯れてしまう場合は、この植物を試してみてはいいかも。

2018.2.15

最北のヤシ並木通り IN福生市

2018年02月23日 | 2018の気象グラフ
八王子は今年の20181/25の寒波で最低-8.0℃を記録した。東京都の中では冬期の最低気温が低い地域で、クライメートゾーン9aの地域になる。植栽では北限の地域と思われる。
最近では、様々な地域でもヤシが扱われる様になって嬉しく思う。

八王子に隣接する東京都福生市では、ワシントンヤシ(耐寒-6℃)を横田基地の近く(国道16号)に街路樹として植樹されている。毎年、防寒対策なしで越冬しており、今年の寒波の影響がないか視察を行った。葉の数がどの株も3枚程だったので、植栽の管理等で剪定されたかも・・・。


2018.2.19


2018.2.19



2018.2.19
今年の寒さの影響なのか、葉が痛んでいるのが分かる。また、部分的に茶色く変色している。しかし、建物が隣接している場所では葉の痛みが軽減されているのが分かる。葉も比較的、青々としている。




2018.2.19



2018.2.19
植栽株はこのくらいの太い幹の個体がほとんどある。根づいた環境ではより耐寒力をしっかり発揮するだろう。根付き具合でも耐寒性は大きく左右される。



万年青(オモト)
こちらは、根もとに万年青(オモト)を植栽している。オモトもワシントンヤシと同じで耐寒温度-5~6℃で、この地域でも植栽できるようだ。寒冷地では、ハマユウの代用として扱うのがいいかも。

2018.2.19



浜木綿(ハマユウ)
ハマユウは耐寒性はオモトより低い。霜があたると葉が凍傷になるが、春芽吹いて復活す場合も多い。しかし、葉のダメージが多いと春からの復活が遅れるので軒下植栽が良い。

2018.2.19



ユッカ・ロストラータ
耐寒性は、ユッカの仲間では特に優れている。
クライメートゾーン9aの地域でも露地越冬できるようだ。

2018.2.19



レモンユーカリ
耐寒性がもっとも強いのは、ユーカリグニーだが、八王子でも越冬を見かける。しかし、冬場は寒さにより葉のダメージがでる。

2018.2.19


2018.2.19



ソテツ
日本にも自生地があり、耐寒性は-4~5℃
建物の間に植栽されている為、寒風が当たらずに元気に越冬している。

2018.2.19



矮性トウジュロ?
花壇にこじんまりと可愛い棕櫚を発見。ここまでコンパクトなのは珍しい。ワシントンヤシは葉にダメージがでたが、棕櫚は無傷であった。棕櫚(シュロ)は、耐寒性があるのでここでも余裕に越冬できる。

2018.2.19



一般的な棕櫚

2018.2.19



ユッカエレフェンティペス
メキシコ原産で耐寒温度は-5℃くらい。北関東でも、軒下などで屋外越冬をみた。根が十分に活着してない場合では、越冬が難しくなる。

2018.2.19



バショウ
葉は完全に落葉して越冬中。しかし、耐寒性があるので越冬できる。
また、春からの復活も早い。チュウキンレン(地湧金蓮)とともに、寒冷地でも越冬できる種類。

2018.2.19



フィカス・プミラ
クワ科でFicusの仲間で、インドゴムと同じく観葉植物として扱われる種類。
寒冷地でも、よく繁殖して、成葉を出す株も見られる。葉先はやや痛みが見られた。

2018.2.19

過去最強寒波の記録 2018 

2018年02月23日 | 2018の気象グラフ
2018.1.25記録的寒波が日本列島を襲った。

毎年2月ごろは強い寒波に見舞われるが、今回は過去最強の寒波で上空1500メートル付近では
-15℃になる寒気が関東にも入ってきた。しかし、今回の冷え込みにより地域による

気候マップの作製をより細かく記す事ができた。








<寒波による結果> 図1



















図1.補足説明>
  緑色の字で示した観測地点は、温暖な地域でも時の寒波で冷えると推測される地域。オレンジの字で示した観測地点は、過去のデータ(気象庁などの過去のデータを参照しても、特に温暖だと思われる地域に10aに近いと思われる地点も含む(ここでは、小名浜は除く)


観測地点の表記について>
・表1の観測地点の表記で()カッコで記した地域名があるが、各観測地点(気象庁)の周辺の地域名、島名、などを記したものである。()で示してないものは、気象庁の観測地名である。

例・
厳原(対馬) ・・・・厳原は気象庁の観測地名で、()カッコで記した対馬は島名。 

伊仙(徳之島)・・・・伊仙は気象庁の観測地名で、()カッコで記した徳之島は島名。

長崎     ・・・・長崎は気象庁の観測地名

注意事項!!
今回記載されている(気候区分および植栽北限植物の欄)の植物はその観測地点の周辺で見かけた植物を記載しているが、わずかな気温差で越冬している植物種もあると思われる。また、多くは充実した大株が多かった。その為、寒さの耐性がついた事で越冬していると思われる。同じ地域でも植栽場所(方角・日当たり・朝日があたるか)・土壌水分・地質・地形)や周辺環境(住宅密集地・道路)によって越冬の結果は大きく異なる。また、熱帯植物を露地越冬させるには、植栽場所は耐寒性を考慮して軒下や南側の陽だまりに植えつける事。冬期防寒(こも巻き、ビニールで被覆)を行い、水やりは控えめにする。周辺で越冬している植物種をみるなどを行うと良い。

※亜熱帯植物を露地栽培していると、朝日があたると寒さのダメージを受けやすいと思う。また、多くの栽培家から聞く。



・愛知県の渥美半島付近(愛知県豊橋市と静岡県湖西市の県境付近の太平洋沿い)
で書籍や調査によるが、クライメートゾーン10aと記載される場合があるようだ。その地域に近い観測地点2か所の最低気温を記した。
また、同じ日に静岡県では、2018年1/25の日最低気温で、浜松(-2.8℃)、磐田(-2.9℃)、御前崎(-2.0℃)であった。気象庁HP 過去の気象データを参照(http:/ /www.jma.go.jp )


日南油津の(気候区分および植栽北限植物の欄に)ポトスと記しているが、宮崎(日南海岸)で民家の軒下で鉢植えを確認した。生育状況は、成葉を出していて株も充実しており家壁にも着生していた。その為、数年越冬していると判断したので記載。また、日南海岸でコーラルハイビスカス、タコノキの露地植えも確認。


・また、さいたまのみ1/24の日最低気温(気候区分および植栽北限植物の欄)に-8.6℃と記している。それ以外の観測地域は1/25の観測値である。
気象庁HP 過去の気象データを参照(http:/ /www.jma.go.jp )






※最低気温の数値は2018.1/25に記録した、日最低気温である。
気象庁HP 過去の気象データを参照(http:/ /www.jma.go.jp )

※気候区分はクライメートゾーンを参照。植栽北限植物の説明については、
現地調査、Googleストリートビューを参照(https://www.google.co.jp )また、2018は黒潮が12年ぶりに大蛇行した年でもある。







<結果・考察>
1.通常通り維持した地点
・クライメートゾーン10aの(石廊崎・指宿)
は今回の過去最高の寒波にもかかわらずいずれも今まで通り最低1.1℃程度で
10a(+1.7℃~-1.1)範囲内を維持したのはさすがである。
しかし、伊豆大島は、1.3を記録したため、わずか0.2℃足りずに範囲外で気候区分で9bとなった。
その為、クライメートゾーンの区分では伊豆大島は9aと9bの境目に位置するという事だろうか。

2.いつもより寒くなった地点
・また、東京23区海沿い、横浜、湘南、銚子、熱海、大阪
室戸岬、宮崎、鹿児島は-3℃未満で今まで通り9b 軒下に植栽すれば、いくらか寒害を防げる数値である。今まで通り、気候区分の9bの地域の範囲内の数値を示したのは、海沿いに位置する江戸川臨海-2.4℃である。


3.特に冷えた地点
一番寒波の影響が顕著に見られた地域は、東京の多摩地域であった
八王子は-8.0℃、府中-8.4℃ 。青森県八戸では、今まで通り-9.4 8b(-9.4℃~12.2)の数値の範囲内を示したが、これに迫るような記録である。
また、表をみると、福島県のいわきよりも冷え込んでいるのが分かる。



4.植物種による考察
・大盆丸
ウチワサボテンの大盆丸は、寒冷地でも越冬可能なようだが、
今回の過去最強寒波では、植栽の北限地の群馬県(桐生)と栃木県(佐野)では
それぞれ-5.7、-5.1だったので耐寒性は、冬期の乾燥下氷点下5℃~6℃
くらいではないかと思われる。しかし、八王子で-8℃を記録しているので-7℃が枯死限界だろうか。



凍傷害を受けた温州ミカン(枝先に痛んだ葉が確認できる)    2018.1.26



寒害で葉先が痛んだキョウチクトウ(葉が全体的に下を向いている)2018.1.26






<南西諸島の植生北限区分>図2








※このマップは、気象庁HPのの過去の気象データを参照したもので、
2018.1/25の日最低気温をもとに色分けて作成したもの。また、2018は黒潮が蛇行した年。
なお、地図は、私(自分)が手書きで描いたものである(笑)



<結果・考察>
紫色で示した地域は、冬期の最低気温が約10℃以下になる地域で、
メヒルギやタコノキ、三尺バナナ、サンカクヤシ、アレカヤシ、パパイヤ、プルメリア10aの植物の植栽北限と推測される地域。


また、クライメートゾーン9bの地域の植物(ハイビスカス、ブーゲンビリア、インドゴム、ガジュマル、湘南ゴムノキ、モンステラ、ハブカズラ、セローム、ストレチア、トックリラン、多肉植物(半耐寒性のもの)、タマシダ、コルジリネ・ストリクタ、耐寒性バナナ(アイスクリームバナナ、ピンクバナナ、宮崎バナナ)、ヤシ(ケンシャヤシ、ブラヘア類など)は容易に越冬。


オレンジ色で示した地域は、冬期の最低気温が約10℃以上の地域、
※中之島は図1(5.5℃)だがクロトンの露地植えを見たので含めた
トックリヤシやクロトンが植栽できる地域なのでその他(ドラセナ・コンシンネ・旅人の木)も植栽可能と思われる。
また、ココヤシの植栽不可と思われる地域である。 赤色で示した地域は、沖縄本島よりも温暖で冬期の最低気温が約15℃以上で国内では特に暖かい地域で、ココヤシの植栽が可能と思われる地域


また、ココヤシの自然繁殖が可能だと思われる地域の詳細にいては、図1に書かれている。また、名護市は沖縄本島の北部に位置する為、南部より平均気温が低いのでココヤシの植栽不可のオレンジ色で示した。

シダの宝庫 八丈島ヘゴ 

2018年02月23日 | 関東植物
八丈島は、年間を通して、温暖で降水量が多いので多様な亜熱帯のシダ植物が自生している。
また、冬季節の最低が約7℃くらいで氷点下になる事もない。
その為、八丈島は、ヘゴの自生北限地にもなっている。実際、少し散策するだけで石垣や樹木に
様々なシダが着生していて、シダに適した環境が整っているのが分かる。



17.9.29



17.9.29



オオタニワタリは、自然繁殖しているようで石垣や湿った場所に多くの株が着生している。
本州では四国南部にも自生地があるが、園芸目的の採取で生育地が激減をした。また、本州
には、オオタニワタリの小型版のコタニワタリが生えていてる。



17.9.29


亜熱帯~暖温帯に、生育するヒトツバもびっしりと一面に生えていた。
クリハランは、耐寒性があるので関東でも-4℃くらいまで耐えるので露地植えにもできる。
タマシダやビカクシダのように耐寒性があるので、無霜地帯では南国風の植栽に向くシダである。



17.9.28


ヘゴの耐寒性は0℃くらいで、霜にあたると一発で枯死してしまう。
本州にも、長崎や鹿児島にも北限地はあるが、周囲に大きな常緑樹が生えているなど寒さから
まもられていない個体は、時の大寒波で枯死する場合もあるのこと。



17.9.28



また、紀伊半島や四国の南端にも、南から胞子が運ばれていったんは定着する。
しかし、、時の寒波で大きく生育できないようで、ひざ下ほどの大きさの個体が多いようだ。
なので、本州の暖地(9b)で植栽するにはオニヘゴかディクソニア・アンタルクティカが向いているといえる。



17.9.29



八丈島では、自然に近い状態で、亜熱帯植物が植栽されていて、
本州では見られなかった植物(ケンチャヤシ、ヘゴ、タコノキ)が見る事ができた。
また、モンステラが林床一面に植栽されていたり、コスラヤシも見る事ができる。




インドゴムノキ 17.9.29



八丈島植物園  17.9.28 



町なかのにも、植物園でみられるような亜熱帯植物(オーガスター、モンステラ、ビロウヤシ)が多く
植栽されていた。気になったのは、このバナナ。宮崎でみたバナナよりも草丈が高い印象を受ける。
また、美人蕉も露地植えも見つかった。美人蕉は、耐寒温度がそれほど高くなく、
九州南部では屋外越冬をみるのみである。



バナナ 17.9.29



美人蕉 17.9.29



八丈島では、結構いろんな場所でヘゴが植栽されていた。(民宿や植物園など)
視察したときは、雨の日が続いていたのかどの株も元気そうだった。
ヘゴの仲間の種類を同定するのは難しいので品種はわからないが、植栽株の樹高は2マートルくらいの個体が多かった。



17.9.29


ハイビスカスは、道端の植栽に多く扱われていた。近年、道路整備をした場所も多いので、植栽されて間もない苗もあった。
ハイビスカスは生育旺盛で鉢いっぱいに大きくなり、根詰まりしてしまうのだ。。その為、このような小苗を植栽しても、数年で生垣のように
なるので大丈夫である。



17.9.29



17.9.28



林床を歩いていると、コモチシダの群生を発見した。
その名のとおり親株の葉から不定芽が生じて繁殖するシダ植物。
八丈島の林床の斜面の沢山生えていて、不定芽によって世代交代をしながら生育地を広げている様子。



17.9.29



17.9.29