植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

那須・マツ編

2019年05月27日 | 高山帯アカマツ
栃木県・那須町は、地質は、砂利・岩石の地層が多い。また、河川周辺(川辺・沢など)を除き、乾燥し日当たりの良い場所が多い。その中で、日光国立公園にある那須アカマツ天然林では、美しい景観が広がっており観光客を楽しませている。地域の人も大切に守られてきたアカマツ林では、近年のマツセンチュウによる松枯れ防止や、維持管理も行っている。



2019.3.26
樹齢20~30年の若いアカマツ群落。定期的に維持・管理を行っているので元気よく状態良好である。クロマツは、海岸沿いに多いマツなので見かける事は少ないが、時折標高600~、800程の亜高山帯でもみられる。




2019.3.26


5.16


ブナ 2019.5.16


5.16

ミズナラ 2019.5.16


5.16


シラカバ 2019.4.6


4.6


2019.3.26


3.26

固体番号とセンチュウ防止の薬剤などが記されている。近年のセンチュウ対策で、周辺の地域・山も含めて目立ったセンチュウ被害はあまり見られなく、枯死した原因として周囲にほかも樹木が自生して光合成不足や蒸れによる環境変化による枯死の例がもっとも多い気がする。




2019.3.26
また、那須は、比較的冷涼な気候で強風の日が多く、風通しのよい気候のおかげで被害が少ないのだろうか。西日本や関東南部のような猛暑日がない年もある。那須町のごく一部に、盆栽家などで大事にされている「那須五葉」がある。




3.26
街路樹もアカマツを使用している。那須は、常緑樹は育ちにくい寒い地域なので耐寒性があり常緑のアカマツ・モミ・日光ヒバ、コニファーなどが多く庭木・旅館等でも利用されているようだ。



2018.2.11


2019.4.6

マツでさえも、強風で折れる。これにより、那須では、いくつか枝別れしたカマツが多く見られる。冬季には、風速最大20m/hの日が一週間続く事あり越冬後のマツは葉がもまれていくらか葉がとんでしまった株も見られる程である。強風にうまく適応した葉をもつヤマナラシも周辺には、自生している。


強風で倒状しながらも生育するヤマザクラ。2019.4下旬も開花を確認した。那須では、枝折れや倒れる状に耐えられるような樹木でないと生育できないようだ。また、倒状の原因として強風以外にも地盤が岩石で根が深く張れない事も原因のようだ。




2018.12.15
厳しい冬に耐えるツバキ。ツララがかぶりながらも耐寒性の強い種類なら寒い那須地域・北海道・函館でも越冬できうrようだ。ほかに、寒冷地で越冬できる常緑樹はマサキ、カルミア、シラカシ、シャクナゲ、ナンテン、ツツジなど。




樹齢20年ほどの若木のアカマツ達。厳しい気候の為、たまに十分にまだ若いアカマツは、風雪で倒れる事もある。また、周辺には、カラマツ・ヤマハンノキなど風雪に耐えられるような強い種類が自生している事が多い。




2018.2.13
樹齢100年以上の大木ほかにも大木があるが、どの木も細かく枝分かれした樹形が多い。おそらく、風雪で何度も折れて生育し続けた結果だろうか。折れたまま生育した例もあるほどマツは生命力が強い樹木である。


2019.12.4



那須植物・茶臼岳

2019年05月27日 | 関東植物

2019.4.22


新緑の季節に茶臼岳にいってきました。
活火山であり、標高1,915mであり、多くの登山者で賑わっていた。
栃木県・那須町は、関東の中でも冬季の寒さが厳しく、標高も1500メートル以上ある為最高気温も冬場は0℃以下であり日によっては北海道南部の函館よりも寒い地域である。関東地方にしては珍しくタケカンバやシラカバ、ブナ、ミズナラといった亜寒帯~冷温帯に分布する樹種も分布する。自生する植物を調べるともに気候(最低気温等)も調べる為、本調査を行った。



2018.5.25

クマサザ、タケカンバ、ヤマハンノキなど時に雪崩にもあう場所でも生き残れる木が多く生えている。カラマツは、ここより少しさがった那須マウントジーンズ周辺に自生・植栽されている。


2018.5.25


2018.5.25



ウラジロタデ 2018.5.25
葉の裏の白い毛が名前の由来なようだ。岩場の隙間など、完全に開けた場所には生えていなかった。標高1800m付近から徐々に個体数が多くなった感じであった。冬季は、地上部は枯れ休眠するようだ。


ガンコウラン 2018.5.25

茶臼岳など高山帯や海岸に生える植物であり、那須山(茶臼岳)の山頂付近に多く自生していた。細かい葉が特徴で絨毯のように広がっていた。写真の株のように丸く大きく生育した物は珍しい。

5.25


火山地域なので、岩場がごろごろ。もう少し低地では、水はけが石が多くて悪くなった場所には、コゴミやヨシ、オモトヤナギなどが自生している。また、そのような場所では、ミズナラやコナラなどが生えても根腐れを起こしていずれかは枯れてしまうようだ。

2018.5.25


風雪が強い地域なので、こんな樹形の木も。樹種はミズナラで、那須の冷涼な気候にあうのか、多く自生している。ミズナラ以外にも、ブナ、イヌブナ、コナラ、カシワなどが自生している。


2019.4.22


4.22

 4月も関東北部も山沿いでは、霜や積雪を観測する事がしばしば。熱帯植物を多く栽培している私は、用心深く外出すタイミングを探しているところだ。やはり、ゴールデンウイーク頃に外に出すのが無難だろう。また、2019年のGWには雪を那須高原地域で観測した程気温が冷え込んだ事に驚いた。結局、冷え込む年は寒冷地では5月下旬がいいだろう。


2019.4.22


2019.4.22


4.22

峠の茶屋駐車場から(1,462m~)タケカンバ、カラマツが点々と見え始めてやがてタケカンバの群生が多く見られるようになる。タケカンバはシラカバよりも幹が白い印象である。理由は、幹以外にも若い枝も白くなる事が挙げられる。また、タケカンバは、樹皮がよくむける事。シラカバのようにタケカンバは横縞が樹皮にはいらない事など両種に違いがあります。


2019.4.22


4.22


2019.4.22


4.22

 4月にも雪が降る寒冷地。風が年中強い地域であり、自生しているヤナギ、アカマツも若い枝中心に折れてしまう。しかし、アカマツなどは折れたまま生育する事もあり乾燥・寒さに耐える生命力の強い落葉広葉樹中心の森林が広がっている。標高750~1,000mを超えるとカラマツ、タケカンバ、クマサザが生えている。


2019.4.9


2019.4.9


4.9


 那須地域の気象データをより詳しく学びながら、今後の熱帯植物の耐寒性の研究に取り組んでいく予定。
また、シュロ、ソテツ、アメリカデイゴやハマユウ(浜木綿)、タイタンビスカス、宿根サルビア、ユッカ類の露地越冬に取り組んでいきたい。成功すれば、おそらく最も北の露地栽培例になるので、楽しみである。

ひたちなか海浜公園

2019年05月21日 | 関東植物


2019.4.18

ひたちなか海浜公園にいってきました。近年SNS等で観光客中心にネモフィアの綺麗な植栽が取り上げられて有名である。また、北関東に位置しながらも、海洋性気候で比較的温暖である。


2019.4.18


4.18

他の地域(北関東)よりも耐寒性ヤシの植栽や亜熱帯性植物の越冬にも適している地域である。落葉樹のケヤキなどは、新緑の季節を迎えていた。同じ北関東の那須地域は、まだ桜が開花し始めの段階に対し、ひたちなか海浜公園の桜はほぼ開花が進み葉桜状態であったのが驚いた。


2019.4.18

大木のマテバシイ
潮風に強く、関東以西~沖縄まで分布するブナ科の常緑広葉樹。環境適応性が高いおかげで、九州南部が分布ながらも全国様々な地域で植栽されている。耐寒性は、-7℃くらいが限界なようだ。






2019.4.18
大木のモッコク


ここまで大きなのは初めてである。寒冷地ではやや不向きなようだが、温暖なひたちなかでは元気に生育していた。酒列磯前神社のタブコニのように枝葉が均等に、網目状に伸ばしており、光合成を効率よく行っているのが分かる。



マツと海なんとも涼しげな感じ♪ 4.18


菜の花とネモフィア 4.18



2019.4.18
おしゃれなマクドナルド前の植栽

2018.4.18


ユッカ・ロストラータ・他オージープランツ 2019.4.18


バンクシア 2019.4.18


4.18
ワシントンヤシは、ある程度耐寒性-5℃はあるが、大寒波時には温暖なひたちなかでも厳しいのかもしれない。北関東では、やや海沿いでも越冬ギリな感じがわかる。一株寒さの為か生長点が枯れ、枯死していた。


4.18



2019.4.18
こちらのワシントンヤシは葉先にダメージがみられるが、大丈夫なようだ。ひたちなかでも、場所によっては、枯れてしまうようで、南側や陽だまりなど越冬場所も多少考慮するべきだろうか。




2019.4.18

ムスカリの川。ひたちなか海浜公園では、マツ林までチューリップなど球根類が植栽されていた。木の下なので多少日が遮られる為か、まだ開いてないチューリップもあるがとても綺麗であった。


2019.4.18

ソメイヨシノは、気候が温暖な為多くの株が散って葉桜になりかけている様子であった。


4.18


4.18



2019.4.18
周辺のアカマツは、センチュウ防止として薬剤を幹に注入して防止しているようだ。


2019.4.18



2019.4.18
スイセンのかわいいポット栽培 これを他の植物にも使ってみよう(笑)




2019.4.18
シュロとアツバキミガヨランの植栽
両種とも耐寒性-10℃程度までなら大丈夫な植物である。北限は、東北南部沿岸(宮城・石巻、仙台)あたりだといわれている。


2019.4.18