平和への希い


 
  積極的平和主義とは、世界のすべての国が、日本
  の平和憲法を掲げる努力をすることです。

平和への希い76 集団的自衛権と法的安定性

2015-07-28 10:22:44 | 日記
平和の希い76 戦後70年 
     集団的自衛権と法的安定性

7月27日、磯崎首相補佐官の発言、安全保障関連法案を巡っての「法的安定性は関係ない」
が、物議をかもしています。

「法的安定性」について調べてみました。一番わかりやすかったのは、世界大百科事典の解説でした。
世界大百科事典 第2版の解説
ほうてきあんていせい【法的安定性 legal certainty】

昼と夜,春夏秋冬の四季の循環が不規則に変化したりしたら,われわれの生活が成り立たなくなるように,
法治国の国民の生活も,法や法の適用が不規則に変化すると,さまざまな不都合をこうむる。
人々は法が安定して適用されることを期待して行動しているから,この期待を裏切らないようにしなければならない。
法的安定性とは,法や法の適用を安定させ,人々の信頼を保護する原則である。
そこから,
(1)立法上の原則として朝令暮改を慎むこと,
(2)法適用を安定させること,
(3)当事者の信頼を保護すること,
などの原則が生ずる。

「集団的自衛権は、戦争放棄している憲法に違反している、すなわち、憲法の安定性を犯している」との大多数の
憲法学者などの主張に対して、磯崎補佐官は「法的安定性は関係ない」と公言したのです。
与党自民公明党主・菅官房長官からも「誤解を招く発言」などと不快感、民主枝野幹事長は「法治主義の観点から
行政に携わる資格なし」と糾弾。

安全保障関連法案は、参議院に移って議論が展開されています。
安倍首相が丁寧に説明すればする程、集団的自衛権は、憲法違反であることが浮き彫りになっているように思います。

「なぜ、今のままの自衛隊と日米安保で、日本の安全が守れないのか」「なぜ、不測の事態が起こってからでは、国民の安全を
守れないのか」「なぜ、集団的自衛権は不測の事態の抑止力になり得るのか・・・。逆に不測の事態を誘い込むことになるのでは?」
「戦争放棄している国に侵略戦争を仕掛けるだろうか。かつて日本軍部ファッショがいきなり国際連盟を脱退して侵略を始めたように。
中国や北朝鮮が国連を脱退して・・・・。あの悲劇的な大戦の歴史認識が疑われるような不測事態を想定するのはいかがなものか」。
 
戦争放棄を規定している憲法は、最低限の自衛権を超えて同盟国の戦争に加担せざるを得なくなる「集団的自衛権」のために、
法的安定性を失ってしまうのです。その時々の都合・状況で憲法が解釈され、「不安定な憲法」にされてしまうのです。

戦争とテロを誘い込むような「憲法違反の集団的自衛権」は絶対許せないのです。廃案にするべきです。参議院の良識を見せて欲しい。
孫や子供たちが戦争に駆り出されないためにも。膨らむ防衛費を福祉などにまわすためにも。