先日、ダウンした件については、
「大丈夫だった?」
と、軽く尋ねられたぐらいで、
皆、あまり気にしていないようだ。
「いらっしゃいませ!」
会期終盤。お客さんはますます増えてきていて、
「そちらお持ちでしたら、直接会場へどうぞ。」
前売り券や招待券持ってるお客さんも
沢山やってくる。
仕事に来た頃は、
大汗をかくほどだったのに、
気がつけば、涼しい秋風に、
長袖で身を包む季節になり。
お客さんにも、職員さんにもいろんな人がいるけど、
ここまで、仕事が苦痛と感じる事は
一度もなかった。
後一時間、後、四十五分。
最終日の閉館時刻も一刻一刻と迫り、
「閉めます!」
職員全員が、ロビーに集まり、
「お疲れさまでした!」
警備員さんの挨拶と同時に、
大きな拍手が沸き起こった。
これで一つ、会期が終わった。
次の会期が始まるまで、
アルバイトの人は来ない。だから、オオタさんにも会えない。
寂しくなるなぁ。
まあ、とりあえず、無事に一つの会期を終えられた事を
喜ぼうか。
帰り道、ヒカルはいつもより一つ手前の停留所で
バスを降りて、スーパーマーケットに立ち寄った。
「お帰り。あら、何かいいもの買って来たの?」
その通り!
袋の中は、缶チューハイにカクテル。
「うん、会期が終わったし。
ここまで無事に仕事をやり遂げたって事で。」
夕食の席に、お母さんは少し上等のグラスを出してくれた。
「ではでは、ここまでお疲れ様。」
カンパーイ!
翌日から、一週間ほどは常設展示のみ。
この期間はお客さんもまばら。
常勤職員しか勤務しないし、休憩時間も
二人だけ。
ある意味、じっくりコミュニケーションをとるチャンスなのだけど、
苦手な人と二人っきりになると、
ちょっと辛くなる。
コンコン!
休憩室のドアをノックする音。
「失礼します。」
入ってきたのは、経理係の事務職員さんだ。
「お給料の明細が出ています。」
「ありがとうございます!」
今日はここに来て、始めての給料日。
ヒカルは明細書を開いてチェックした。
十二万円ほどで、前の事務職と金額的には
ほとんど変わらないんだけど、
何だか、始めて給料をもらった時以上の
深い感動。
タダ同然で働いていた、ここ半年の自分が
如何にみじめだったか。
それも同時に思い知った気がした。
「大丈夫だった?」
と、軽く尋ねられたぐらいで、
皆、あまり気にしていないようだ。
「いらっしゃいませ!」
会期終盤。お客さんはますます増えてきていて、
「そちらお持ちでしたら、直接会場へどうぞ。」
前売り券や招待券持ってるお客さんも
沢山やってくる。
仕事に来た頃は、
大汗をかくほどだったのに、
気がつけば、涼しい秋風に、
長袖で身を包む季節になり。
お客さんにも、職員さんにもいろんな人がいるけど、
ここまで、仕事が苦痛と感じる事は
一度もなかった。
後一時間、後、四十五分。
最終日の閉館時刻も一刻一刻と迫り、
「閉めます!」
職員全員が、ロビーに集まり、
「お疲れさまでした!」
警備員さんの挨拶と同時に、
大きな拍手が沸き起こった。
これで一つ、会期が終わった。
次の会期が始まるまで、
アルバイトの人は来ない。だから、オオタさんにも会えない。
寂しくなるなぁ。
まあ、とりあえず、無事に一つの会期を終えられた事を
喜ぼうか。
帰り道、ヒカルはいつもより一つ手前の停留所で
バスを降りて、スーパーマーケットに立ち寄った。
「お帰り。あら、何かいいもの買って来たの?」
その通り!
袋の中は、缶チューハイにカクテル。
「うん、会期が終わったし。
ここまで無事に仕事をやり遂げたって事で。」
夕食の席に、お母さんは少し上等のグラスを出してくれた。
「ではでは、ここまでお疲れ様。」
カンパーイ!
翌日から、一週間ほどは常設展示のみ。
この期間はお客さんもまばら。
常勤職員しか勤務しないし、休憩時間も
二人だけ。
ある意味、じっくりコミュニケーションをとるチャンスなのだけど、
苦手な人と二人っきりになると、
ちょっと辛くなる。
コンコン!
休憩室のドアをノックする音。
「失礼します。」
入ってきたのは、経理係の事務職員さんだ。
「お給料の明細が出ています。」
「ありがとうございます!」
今日はここに来て、始めての給料日。
ヒカルは明細書を開いてチェックした。
十二万円ほどで、前の事務職と金額的には
ほとんど変わらないんだけど、
何だか、始めて給料をもらった時以上の
深い感動。
タダ同然で働いていた、ここ半年の自分が
如何にみじめだったか。
それも同時に思い知った気がした。