本格的に走り出すと、高校三年生の勉強は
なかなかハードなものだった。
家での勉強時間も、日に日に長くなっていく。
授業だって、聞き逃しや書き忘れがあってはいけないから、
全神経を張り詰めている。これだけでもいい加減疲れるのだが、
各々の所属するクラスで行われる必修科目の授業は
チコは例の最悪な子の背中を見ながら
授業を受けることになるわけで、
このことがチコの神経を余計に疲労させていた。
しかし、チコの心配とは裏腹に、あの子は今日まで
チコに一度として声をかけてくることはなかった。
まるで、チコには全く興味がないというように。
重要なプリントが配られる時も、
ただ、「はい。」とだけ言ってチコに渡してくれるのだ。
一年生の時は、このようなプリントをわざと渡さないということを
平気でしてきた、あの子なのに。
あれほどチコを馬鹿にして突っ掛ってきたあの子がどうして?
チコは拍子抜けした。
まあ、何もひどい目に遭っていないんだし、これだけで良しとしようか。
まだ、あの子を完全に信用したわけじゃないけど・・・。
そんなことはさておき、
これからいよいよ、お待ちかねの社会科系選択科目の時間。
今日は夫々の研究テーマを提出し、発表の日を決める大切な日。
チコは必要なものをもって、その教室へと急いだ。
教室に着くと、既に殆どの生徒が集まっていた。
実はこの中に、例のチコを殴ってくる子がいるのだが、
このことはあまり気にしていなかった。
こういった輩は、授業とか、オフィシャルなところで
殴りかかってくるということは、先ず、やってこないからである。
このような手間隙のかかる授業を選択するのは皆、
推薦狙いの生徒である。すなわち、今ここに集った子達は、
皆同じ道を目指すライバルなのだ。
希望の発表日を、取れるだろうか?テーマが重複する人はいるだろうか?
皆、同じ心配をしているだろう。
いよいよベルが鳴り、先生が入ってきた。
挨拶が済むと、先生は黒板にこれからの授業の日程を書き出していった。
先生の手を目で追いながら、自分の発表したい日を定めていく。
「はい、それでは希望の日に自分の名前とテーマを書いてください。」
この言葉を合図に、皆一斉に黒板に向かって走り出した。
我先にと、皆でチョークを奪い合っていく。皆に負けじと、チコも
力任せに割り込んだ。
その結果、黒板の日程表は、あっという間に埋め尽くされた。
チコは運良く希望の日をゲットすることに成功した。
でも、安心するのはまだ早い。テーマが重複する人はいないかな?
と思い、黒板を見ると、なんと、同じテーマの人が三人も存在したのだ。
どうしよう!四人も同じことをやるの?それではやりにくいよ。
チコだけでなく、他の三人も同じ事を考えたに違いない。
そんな所に、先生は
「あー、四人似たテーマの人がいるね。これではやり難いだろうし、
少し時間をとるから四人で話し合いをして下さい。」
と、話し合うチャンスを与えてくれたのだ。
良かった!チコ達テーマの似た四人は、
先生のこの言葉を受けて、早速話し合いを始めた。
その結果、テーマは同じだが、研究の方向性が全然違うことが判明し、
皆安心してそのまま自分のテーマに取り組んでいくことになった。
こうして全てが決着した後、皆で図書室へ移動し、
早速調べ物を始めることになった。
負けたくない。誰よりもいいものを作りたい。
推薦を賭けて、一点でも多く獲得するための、
熱い戦いが始まった。
なかなかハードなものだった。
家での勉強時間も、日に日に長くなっていく。
授業だって、聞き逃しや書き忘れがあってはいけないから、
全神経を張り詰めている。これだけでもいい加減疲れるのだが、
各々の所属するクラスで行われる必修科目の授業は
チコは例の最悪な子の背中を見ながら
授業を受けることになるわけで、
このことがチコの神経を余計に疲労させていた。
しかし、チコの心配とは裏腹に、あの子は今日まで
チコに一度として声をかけてくることはなかった。
まるで、チコには全く興味がないというように。
重要なプリントが配られる時も、
ただ、「はい。」とだけ言ってチコに渡してくれるのだ。
一年生の時は、このようなプリントをわざと渡さないということを
平気でしてきた、あの子なのに。
あれほどチコを馬鹿にして突っ掛ってきたあの子がどうして?
チコは拍子抜けした。
まあ、何もひどい目に遭っていないんだし、これだけで良しとしようか。
まだ、あの子を完全に信用したわけじゃないけど・・・。
そんなことはさておき、
これからいよいよ、お待ちかねの社会科系選択科目の時間。
今日は夫々の研究テーマを提出し、発表の日を決める大切な日。
チコは必要なものをもって、その教室へと急いだ。
教室に着くと、既に殆どの生徒が集まっていた。
実はこの中に、例のチコを殴ってくる子がいるのだが、
このことはあまり気にしていなかった。
こういった輩は、授業とか、オフィシャルなところで
殴りかかってくるということは、先ず、やってこないからである。
このような手間隙のかかる授業を選択するのは皆、
推薦狙いの生徒である。すなわち、今ここに集った子達は、
皆同じ道を目指すライバルなのだ。
希望の発表日を、取れるだろうか?テーマが重複する人はいるだろうか?
皆、同じ心配をしているだろう。
いよいよベルが鳴り、先生が入ってきた。
挨拶が済むと、先生は黒板にこれからの授業の日程を書き出していった。
先生の手を目で追いながら、自分の発表したい日を定めていく。
「はい、それでは希望の日に自分の名前とテーマを書いてください。」
この言葉を合図に、皆一斉に黒板に向かって走り出した。
我先にと、皆でチョークを奪い合っていく。皆に負けじと、チコも
力任せに割り込んだ。
その結果、黒板の日程表は、あっという間に埋め尽くされた。
チコは運良く希望の日をゲットすることに成功した。
でも、安心するのはまだ早い。テーマが重複する人はいないかな?
と思い、黒板を見ると、なんと、同じテーマの人が三人も存在したのだ。
どうしよう!四人も同じことをやるの?それではやりにくいよ。
チコだけでなく、他の三人も同じ事を考えたに違いない。
そんな所に、先生は
「あー、四人似たテーマの人がいるね。これではやり難いだろうし、
少し時間をとるから四人で話し合いをして下さい。」
と、話し合うチャンスを与えてくれたのだ。
良かった!チコ達テーマの似た四人は、
先生のこの言葉を受けて、早速話し合いを始めた。
その結果、テーマは同じだが、研究の方向性が全然違うことが判明し、
皆安心してそのまま自分のテーマに取り組んでいくことになった。
こうして全てが決着した後、皆で図書室へ移動し、
早速調べ物を始めることになった。
負けたくない。誰よりもいいものを作りたい。
推薦を賭けて、一点でも多く獲得するための、
熱い戦いが始まった。