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マイナンバー事業1兆円に群がる政官業“腐敗”の三角形…相次ぐトラブルの裏に巨額利権の甘い蜜

2023年06月10日 07時31分16秒 | マイナンバーカード
言い訳ばかりの河野太郎デジタル相(C)日刊ゲンダイ
言い訳ばかりの河野太郎デジタル相(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL

絵に描いたような政・官・業の癒着ぶりだ。約13万件もの不適切な公金受取口座のひもづけが発覚するなどマイナンバー事業はトラブル続出。デメリットだらけの国民を尻目に巨額利権に群がり甘い蜜を吸う連中がいる。

マイナカード発行など事業の中核を担うのは「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」。国と地方公共団体の共同運営法人で、副理事や理事は所管の総務省出身者が務める。2014年の設立当初から、即戦力の民間人材を活用する名目で、特定の企業からの出向者が多数在籍。出向元となっているのは、マイナンバーの制度設計に深く関与した電機・通信などの大手企業だ。

制度設計を担ったのは、11年に内閣官房に創設された「情報連携基盤技術ワーキンググループ(WG)」だ。メンバー21人のうち、13人は民間企業の管理職が務めた。

NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NEC、日立製作所──当時、WGに名を連ねた大企業が、現在は機構の出向元となり、「出向者が4割を占める部署もある」(機構関係者)というほど密接な関係を築き上げている。

 

契約額9割独占の見返りに…

問題は出向社員が在籍しながらも、機構側が出向元企業への受注を制限していないことだ。本紙は、機構が公表した昨年度の契約実績を分析。すると、驚愕の「お手盛り」実態が見えてきた。

発注事業211件(計約783億円)の受注先には前出の大手4社がズラリ。同じくWGに参加した富士通、NTT、セコム、日本IBMを含めると計137件、全体の約64.9%を請け負っていた(関連会社、共同事業体含む)。多くは競争を経ない随意契約で、受注件数に占める割合は実に75.9%。契約額は計約718億円に達し、全体の9割を優に超える。

制度設計段階から関わったホンの一握りの大企業が、マイナンバー事業を独占とはムチャクチャだが、その見返りだろう。受注先には幹部官僚が天下りしている。

21年4月から22年12月の間にNTT、富士通、日立、NEC、セコムの本社や関連企業には、総務省など関係省庁OB26人が再就職していた。加えて日立、NTTデータ、NECは関連企業を巻き込み、自民党の政治資金団体「国民政治協会」にセッセと献金。その額は21年までの3年間で計2億5750万円に上る。

ランニングコストに毎年、数百億円もの税金が投じられ、事業規模はトータル1兆円ともいわれるマイナンバー事業。河野デジタル相は腐った癒着構造に切り込めるのか。得意の「突破力」の真価が問われる。

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カード番号と暗証番号が芋づる式に…「マイナンバー」が日本に引き起こす大混乱 政府は責任を取らない 荻原 博子

2023年06月09日 06時57分51秒 | マイナンバーカード

スマホにマイナンバーカードの機能を搭載する動きが、政府主導で進められている。だがそこにはセキュリティ上の問題が山積している。何かが起こった時、いったい誰が責任を取り、損失を補填してくれるのか。前編〈スマホをマイナンバーカードに…アップルが警戒、政府主導の計画に潜む「ヤバいリスク」〉から続けて詳述する。

政府は責任を取らない

もし、マイナンバー機能を搭載したiPhoneがサイドローディングを利用し手入手したアプリ経由でマルウェア感染し、その結果個人情報が外部に漏れたら、誰が責任をとるのでしょうか。

デジタル庁の「マイナポータル利用規約」を見ると、第26条に「免責事項」として、「マイナポータルの利用に当たり、利用者本人又は第三者が被った損害について、デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わないものとします」とあります。

 
photo by gettyimages
photo by gettyimages© 現代ビジネス

昨年までは「一切の責任を負わない」となっていましたのですが、「政府のサービスなのに無責任だ」と批判を浴びで「デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き」という文言が付け加えられました。

「一切責任を負わない」よりは一歩前進したかに見えますが、ただ、これでは責任の所在がはっきりしないと、プライバシー問題に詳しい東京弁護士会の水永誠二弁護士は言います。

「故意とは、わざとということ。重過失というのも、単なる過失ではなく著しく注意が欠如とした過失ということで故意に近く、よほどのことでないと責任を問えません。しかも、どこまでが重過失なのかという判断は、誰がするのでしょうか」(水永氏)

つまり、政府がわざとそれを見過ごしたなどという、ほぼあり得ない「重過失」でもない限り、先のような事故が起きた場合、アップルの過失ということにされてしまうかもしれないということ。

もちろんこれは個人的な推察ではありますが、今までの政府の対応を見ていると、アップルが日本政府に対して信頼感を持てないのも仕方ないのではないでしょうか。

 

カード番号と暗証番号が芋づる式に…

実は、マイナンバーカードによって引き起こされるトラブルについて、現在の混乱は、まだ序の口だと指摘する人もいます。

匿名を条件にシステムエンジニアの方に、これからマイナンバーカードで起きそうな重大なトラブルについて聞きました。

「政府はマイナンバーカードで、当初に法律で決まっていた税・社会保障・災害の3分野だけでなく、利用分野をどんどん広げていこうとしています。

利用分野を広げれば広げるほど、なりすましやハッキングの危険性は高くなります。今の日本のモデルでは、カードと暗証番号があればすべての個人情報を芋づる式に引き出すことができるからです」

日本の番号制度は、表のような「セパレートモデル」「フラットモデル」「セントラルモデル」と分類されている中の「フラットモデル」。行政分野をまたいだ情報連携が可能なので利便性が高い反面、1つの番号で芋づる式に個人情報が引き出せるという弱点があるといいます。

 

 

出典・アクセンチュア(株)「諸外国における共通番号制度を活用した 行政手続の調査研究 より」 拡大画像表示
出典・アクセンチュア(株)「諸外国における共通番号制度を活用した 行政手続の調査研究 より」 拡大画像表示© 現代ビジネス

一方、ドイツやフランスなど個人情報の管理が厳しい国では、各行政分野で別々の異なる番号が使われる「セパレートモデル」になっています。

面倒ではありますが、個人情報が芋づる式に引き出されないという点で、「フラットモデル」よりも情報漏洩のリスクが低く、プライバシーを守りやすく、被害も「フラットモデル」に比べる低く抑えられているようです。

 

アメリカでは社会問題に

「フラットモデル」だと、侵入さえできれば様々な情報が芋づる式に引き出せるので、実際にアメリカでは、他人の社会保障番号を入手した人が、その社会保障番号の所有者になりすまして銀行預金を引き出したり、クレジットカードを使用したりする詐欺被害が多発しています。

アメリカでは、'06年から'08年までの3年間で、このなりすましによる被害者は約1170万人にのぼります。また、被害総額は日本円にして年間およそ2兆円。途方もない金額になっています。

そのため、アメリカでは、社会保障番号が利用できる分野を制限しようとする動きが始まっています。

 
photo by gettyimages
photo by gettyimages© 現代ビジネス

韓国でも、利用範囲を拡大してくる中で、住民登録番号が盗まれ本人になりすましてシステムに侵入する事件が多発していて、そのため、当初よりも利用範囲を限定し、法律が認めた場合を除いて民間事業者による住民登録番号の収集が禁止されるに至りました。

いっぽう日本はどうかといえば、当初は利用範囲が税、社会保障、災害の3分野に限定されていましたが、これを法改正して、様々なところに使えるように利用範囲を広げようとしているのです。

日本のマイナンバーカードは、落とし穴の所在がわからないハイウェイ。

今、日本政府がやろうとしているのは、情報の新しいハイウェイをつくり、全員にそこを走らせようとしているのに似ていると私は思っています。

複数の道路をつくるよりも、一本のハイウェイでどこにでも行けたら、確かに効率もいいし、道に迷うこともなくなるので快適なドライブができそうな気がします。

 

制度の穴を埋めるのは「税金」

けれど、あまりに拙速に工事を進めたために、そのハイウェイにはいくつもの落とし穴があり、運が悪ければ、その落とし穴に落ちてしまう。

どこに落とし穴があるかわからないのに、全員にそこを走らせようとしているのですから、このやり方に異論が出てくるのは当然でしょう。

特に健康保険制度については、「健康保険証」という普通道路もさえも無くし、全員に政府のつくった落とし穴だらけのハイウェイを走ることを義務化しようというのですから、無茶な話です。

しかも日本では、急ごしらえのハイウェイを、急いで伸ばすだけ伸ばそうとしています。

そのハイウェイを走り、どこにあるかわからない危険な落とし穴にはまったら政府が責任を持って補償してくれるのかといえば、そうなってはいない。穴に落ちたのは、道路建設の発注先のミスであり、走る人の自己責任ということになっています。

デジタル化は悪いことばかりではないことは私も理解しています。新たなシステム導入時にはトラブルも起こることもあることも理解できます。ですが、今の政府のマイナンバー関連事業の進め方はあまりにも拙速すぎ。トラブルが後を絶たないのも準備不足が原因なのは明らかです。

しかも、トラブルが発覚する度に莫大なお金をかけて点検やシステムの補修を繰り返していたのではお金がいくらあっても足りません。もちろんのその全ては私たちの払った税金だということを忘れてはいけません。

少なくとも事故が起きたときの責任の所在を明確にするべき。なんの落ち度がもない国民や民間企業につけを回すことだけはご免です。

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