さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ハキダメギク

2018-09-30 22:10:35 | 草花

*2018年9月30日撮影

 今日は曇り空で、午後遅くから雨がちらつき始めました。
 台風24号が迫りつつあるようです。
 少し風が出てきました。雨も降っていますがまだ小雨です。
 明日の朝までには北のほうに去っていくとされていますが、明日は雨が残ると思います。

 これも雑草という呼び方がよく似合う草です。
 ハキダメギクと名付けられています。命名者はかの有名な牧野富太郎博士です。
 熱帯アメリカ原産の外来種で、大正時代に渡来したとされています。





*2018年9月30日撮影

 キク科の花なので菊の仲間です。
 花はちょっと変わっています。
 白い花びらは先が3つに分かれています。
 それよりも、花びらが5個あいだを開けてついているのが奇妙です。
 ちゃんと全周に花びらがつけば、10個つくことができて、もっと華やかな花になったのにと思います。

 じつは、これは花びらではなく独立した舌状花という花なのですが。





*2018年8月19日撮影

 ハキダメギクはキク科のコゴメギク属に属します。
 コゴメギクというのは、ハキダメギクに酷似した植物で、日本にもハキダメギクと同じ頃に渡来し、今では全国に広まっているそうです。
 ただ、ハキダメギクほどは多くはないようです。
 世界的にはコゴメギクの方が広く分布しているため、コゴメギク属という分類名称になっているようです。
 
 コゴメギクとハキダメギクの区別は難しいので、もしかしたらこれもコゴメギクなのかもしれません。
 ハキダメギクの方が多い、ということを信じて、ハキダメギクとさせてもらいます。
 
 

カラハナソウ

2018-09-28 23:29:47 | 草花

*2018年9月28日撮影

 昨日は雨で寒い1日でした。今日は晴れたものの、かなり雲が多く、気温はいくらか暖かくなりました。

 川沿いの藪のようなところに、ホップの実のようなものを発見しました。
 これはカラハナソウというそうです。つる性の草です。
 ビールに使うホップは、セイヨウカラハナソウといって、このカラハナソウの近縁の仲間だそうです。

 この実のようなものは雌花で、この形のまま実になるのだとか。
 実は熟せば茶色っぽくなるようですが、この薄緑色をしている間は、雌花なのか実なのか区別がつきにくいようです。
 雌雄別株なので、雄花は別の場所にあるのでしょうが、見つけられませんでした。
 同じ仲間でよく似たカナムグラの花と見間違えているのかもしれません。





*2018年9月28日撮影

 カラハナソウは「唐花草」と書きます。
 変わった形の花を見て「唐から渡ってきた花だろう」ということになって命名されたという話になっています。
 あまり説得力のある説には思えません。





*2018年9月28日撮影

 現在の北海道大学の前身は札幌農学校ですが、その前は「開拓使仮学校」でした。
 明治の初め頃、その教授となったアメリカ人トーマス・アンチセルは、自生するカラハナソウを見つけ、これでビールができるのではないかと思って試したのだとか。
 しかしビールの味は再現できませんでした。苦味が足りないのです。
 そこで、ホップと似た草が育つのであれば、本物のホップも日本で育つのではないかと考え、ヨーロッパから苗を輸入してホップ栽培に取り組みました。
 これが北海道でのビール醸造の始まりと言われています。

 ホップの場合も雌花のまだ青い未熟のものを使うそうです。
 カラハナソウも苦味はあるのですが、ホップほど強力ではありません。

 

セスジツユムシ

2018-09-26 22:18:32 | 昆虫

*2018年9月26日撮影

 今日も雲は多かったものの晴れの1日でした。

 笹の葉の上で動かないセスジツユムシを発見しました。
 夜行性の昆虫で、昼間は草の葉などの上にじっとして休んでいます。
 夜になってから食べるのは草の葉。完全に草食性です。

 背中に縦筋があるので、セスジツユムシです。





*2018年9月26日撮影

 ツユムシというのは「露虫」と書きます。
 見るからに弱々しい外見と昼間見てもほとんど動かないことなどから、草の露を食べているに違いないというわけで、露虫になったと言われています。

 セスジツユムシの場合は、全身緑色の個体もいますが、全身茶色い個体もいます。
 雄はスリムですが、雌はずんぐりしています。
 今日のセスジツユムシは胴体がかなりずんぐりして見えるので雌のようです。

コルチカム

2018-09-24 22:21:54 | 草花

*2018年9月24日撮影

 めずらしく2日続けて晴れました。

 今日の花は、地面にいきなり花だけが出現しているコルチカムです。
 園芸品種ですが、和名はイヌサフランといいます。
 サフランとはまったく無関係の植物ですが、見た目が似ているのでサフランの名がついたようです。
 もっとも、園芸用のコルチカムはたくさんの原種からつくられ、コルチカム自体もたくさんの品種があるので、イヌサフランとコルチカムはどの程度一致するのかは難しい問題です。





*2018年9月23日撮影

 コルチカムは球根のまま放置しておいても秋に花を咲かせます。

 花が終わってから植えても、春には葉を出します。
 この春の新芽がギョウジャニンニクに似ていて食べる人がたまにいるのですが、コルチカムは猛毒です。
 球根もまちがえて食べることがあるのですが、これも猛毒です。

 食べるのは厳禁のコルチカムですが、花は変わった雰囲気でとても美しいと思います。

ユウガギク

2018-09-23 21:46:07 | 草花

*2018年9月23日撮影

 9月になって、もう後半になってしまいました。雨の日が多くて、すっかり涼しくなって、秋です。
 そして、今日は待望の秋晴れの1日がやってきました。

 秋の野菊の一種、ユウガギクが咲いています。
 実のところ、ユウガギクとカントウヨメナなどよく似た野菊の区別にはまったく自信がありません。
 なので、これはユウガギクではない可能性は高いのですが、とりあえずユウガギクということにしておきます。





*2018年9月18日撮影

 ユウガギクは「優雅菊」なのかと思っていたら「柚香菊」なのだそうです。
 柚の香りがする菊という意味ですが、実際に柚の香りがするかどうかは確認できないという意見が多いようです。





*2018年9月18日撮影

 あまり密集せずに生えて、花もなんとなくぱらりとした感じで、優雅な感じがします。
 なので私としては「優雅菊」にしておきたいところです。





*2018年9月18日撮影

 会津の鶴ヶ城公園に咲いているユウガギクはみな背が低くて、30cmくらいですが、本来はもっと大きくなる草のようです。
 鶴ヶ城公園では頻繁に刈られてしまうので、大きくなれないのだと思います。

 草刈りはやりすぎだと私は常々思っていますが、公園を管理する側にすれば雑草がはびこるのは許せないのかもしれません。
 しかし刈られてしまえば本来咲くべき花も咲かず、草を頼りに生きている昆虫類も死んでしまいます。
 この城跡は観光客を呼ぶためだけにあるのではなく、ここにしかない貴重な自然を守るためにもあるのだということを管理者が理解する日がいつか来て欲しいと願っています。





*2018年9月18日撮影

 ユウガギクの「優雅な」花をもういちど。
 
 野菊という名の植物はないのですが、野菊という名で呼ばれる花はたくさんあります。
 有名な「野菊の墓」という小説に描かれた野菊は、カントウヨメナではないかという説もあるのですが、ユウガギクであってもおかしくはありません。