森友学園「安倍晋三記念小学校」事件について

大阪の森友学園「安倍晋三記念小学校」あらため「瑞穂の國記念小學院」(2017年2月23日まで安倍昭恵名誉校長)に対する国有地格安払い下げ問題は、当面の政局の焦点となりました。

2月17日の衆院予算委員会で、民進党の福島伸享議員の質問に対して、安倍総理が「(この国有地払い下げに)私や妻が関係していたということになれば、私は総理大臣も国会議員も辞めるということは申し上げておきたい」と答弁したからです。

衆議院予算委ではこの問題の追及が続き、この国有地払い下げと小学校設置認可について、財務省・国土交通省・大阪府が、森友学園に対して、あり得ないような特別扱い、破格の優遇をしている実態が次々に明らかになりました。

財務省(近畿財務局)は、この不動産鑑定額9億5600万円の国有地を、昨年3月に、新たに見つかったゴミ・埋設物の撤去・処分費用として、国土交通省大阪航空局が見積もった8億1900万円を差し引いて、昨年6月20日、森友学園に1億3400万円で売却する契約をしました。頭金2787万円、以後2017年5月以降、毎年約1100万円の10年分割払い、という破格の条件です。

財務省近畿財務局は、国土交通省大阪航空局とともに、昨年4月6日、既に土壌汚染や埋設物除去の費用として森友学園が支払った1億3176万円を、賃貸期間中の「有益費」として、森友学園に返還しました。

国土交通省は、新たなごみ・埋設物の撤去・処分費用の見積もりを行い、以前の土壌汚染・埋設物除去費用を返還した上に、小学校の建設費用に対して、木造化・木質化のサステナブル補助金6194万4000円を決定し、約5640万円を支払いました。
※この件については、森友学園が過大・虚偽の建築費用をもとに申請して、不正に補助金を得た、補助金適正化法違反の疑いがあります。

大阪府は、2011年7月頃、橋下徹知事の時に、森友学園から私立小学校設置認可の基準緩和の要望を受け、松井知事になってから、規制緩和の上、条件付きの認可適当を決定しました。また、大阪府は、小学校敷地内の緑化事業で、648万円の補助金交付を決定しました。

2月27日に、平成29年度予算案が衆議院を通過し、2月28日から参議院予算委員会の質疑が始まっても、この問題の疑惑は、ますます深まってきています。

ここで、森友学園に対する財務省・国土交通省・大阪府の破格の優遇、特別な扱いの経緯について、整理しておきましょう。新情報の追加や裏付けの確認は今後継続します。


【森友学園「安倍晋三記念小学校」事件年表
●2011年7月頃
森友学園が、大阪府(教育庁私学課/橋下徹知事の時)に、私立小学校設置の認可基準の緩和(幼稚園しか設置していない学校法人に、小学校の開設に借入金を充てることを認める)を要望

●2012年2月26日 「日本教育再生機構大阪」シンポジウムで、安倍・松井知事対談
安倍晋三氏と大阪維新の会の“歴史を変えた伝説の2.26会談”

●2012年頃
森友学園籠池理事長、安倍晋三・昭恵夫妻と会う(?)

●2012年4月1日
大阪府が私立小学校設置の認可基準を緩和

●2012年9月16日
森友学園、安倍晋三講演会を企画(総裁選出馬のため、キャンセル)

●2013年4月
豊中市が、土地全域の深さ3mまでの地下から廃材や生活ごみ、また一部区域472平方メートルで鉛・ヒ素などの有害物質を確認し、土壌汚染区域(形質変更時要届出区域)指定

●2013年5月
・竹田恒泰氏が森友学園幼稚園で講演。
・「安倍晋三記念小学校」の寄付・推薦を求められたが断る。

●2013年6月
国土交通省大阪航空局の依頼で、近畿財務局が土地の売却先を公募

●2013年6月28日
枝広直幹氏(現福山市長)が近畿財務局長に就任。

●2013年8月5日
〈鴻池事務所メモ〉籠池理事長来訪。
・小学校設立のため、豊中市の国有地を希望。
・8年借地にして、その後、購入できないか、と要望。

●2013年9月
森友学園が近畿財務局に、土地の取得要望書を提出。
文部科学省には「安倍晋三記念小学校」の設立を相談。

●2013年9月8日
〈鴻池事務所メモ〉「先週、財務局より、7~8年賃借後の購入でもOKの方向」。

●2013年9月13日
〈鴻池事務所メモ〉に籠池氏から相談。
「近畿財務局が小学校設立認可のお墨付きが必要、大阪府は土地貸借の決定が必要。鶏と卵の話、何とかしてや」。

●2013年10月12日
〈鴻池事務所メモ〉籠池夫妻来訪。
「事務方が判断できることではないというニュアンスを感じた。上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい。土地価格の評価額も低くしてもらいたい」と相談。

●2013年10月16日
〈鴻池事務所メモ〉近畿財務局が鴻池事務所に回答。
「大阪府とは横の連携をとっているので土地手当の件は府から確認があればOKと回答できます」。

●2013年10月24日
〈鴻池事務所メモ〉籠池氏が「大阪府への小学校設立申請書類に、月額賃料100万円とする。低く見積もっておけば、そこをベースに賃料交渉ができると思っている」と相談。

●2014年1月31日
〈鴻池事務所メモ〉籠池氏来訪。
「近畿財務局と前向きに交渉中。賃料と購入額で予算オーバー。賃料を年間3500万円から2500万円に、売却予定額を15億円から、7億~8億円を希望」と相談。

●2014年4月
鴻池議員に籠池夫妻が(金か商品券)を差し出す。鴻池氏、“突き返す”。

●2014年4月25日
安倍昭恵氏、森友学園塚本幼稚園で講演。

●2014年6月27日
枝広直幹氏(現福山市長)が近畿財務局長退任

●2014年7月
冨永哲夫氏(現国交省政策統括官)が近畿財務局長に就任。

●2014年10月31日
森友学園、大阪府私立学校審議会に「瑞穂の國記念小學院」設立の認可申請

●2014年12月6日
安倍昭恵氏、塚本幼稚園で講演。
※総選挙期間中、他のスケジュールをキャンセル

●2014年12月18日
大阪府私立学校審議会、「瑞穂の國記念小學院」の認可保留、継続審議。
その直後、籠池夫妻、松浦正人防府市長の紹介で、豊中市選出の大阪府議会議員中川隆弘氏(大阪維新の会)と面談。認可への働きかけを依頼。中川氏、問い合わせを行う。

●2015年1月9日
〈鴻池事務所メモ〉籠池氏から報告。
「財務省担当者より、土地評価額10億円、10年間の定期借地として賃料4%4千万円の提示があり、高すぎる。2~2.3%を想定。何とか働きかけをしてほしい」と相談。

●2015年1月27日
大阪府私立学校審議会臨時会、「瑞穂の國記念小學院」を条件付で「認可適当」と答申。

●2015年2月10日
国有財産近畿地方審議会、条件付きで定期借地契約を了承。

●2015年5月29日
森友学園と近畿財務局が「買い受け特約付き有償貸付契約」。賃料年2730万円、鑑定評価額9億3200万円。

●2015年7月7日
迫田英典氏(現国税庁長官)が財務省理財局長に就任
冨永哲夫氏(現国交省政策統括官)が近畿財務局長を退任。
武内良樹氏(現財務省国際局長)が近畿財務局長に就任。

●2015年7月
国土交通省へ「木造・木質化」のサステナブル補助金を申請。
補助金の額を増やすために、建築費を23億8000万円と過大に偽って申請
※補助金適正化違反にあたる

一方、大阪府へは、認可を得やすくするために、7億5600万円と申告。

●2015年7月~12月
森友学園が、小学校敷地内の汚染土などを除去。
汚染区域の指定は解除(2015年10月26日)

●2015年9月3日
首相官邸で、安倍総理と迫田英典財務省理財局長(現国税庁長官)が会談

2015年9月4日午前
近畿財務局で、近畿財務局統括管理官と大阪航空局調整係と、設計業者・建築業者が土壌改良工事について協議。国の費用負担額削減のため、財務局が産廃汚染土の場内処理(埋め戻し)を依頼と報道(法令違反)。

●2015年9月4日午後
安倍総理、安保法制国会中だったが、大阪のTV番組出演後、大阪市内の料理店「かき鐵」(公明党の元国土交通大臣冬柴鐡三氏の次男冬柴大氏・元りそな銀行高槻支店次長が経営)で会食。冬柴大氏も同席。

●2015年9月4日
国土交通省が、森友学園小学校への補助金交付を決定6194万4000円(約5640万円は交付済)。

●2015年9月5日
安倍昭恵氏、塚本幼稚園で講演会。
「瑞穂の國記念小學院」名誉校長就任を受諾。
安倍昭恵氏が100万円を寄付?!

●2015年12月19日
「瑞穂の國記念小學院」建設着工。

●2016年3月11日
森友学園から近畿財務局に「くい打ち工事の過程で新たな地下埋設物が見つかった」との連絡。

●2016年3月14日
近畿財務局と大阪航空局の担当者が現場視察。

●2016年3月14日
〈鴻池事務所メモ〉籠池理事長来訪。
「近畿財務局の対応に不満、3月15日に財務省本省に行く。アポをお願いしたい」と依頼。
事務所では「お断りします」と返答。

●2016年3月15日
籠池理事長、財務省理財局国有財産審理室長と会談。

●2016年3月24日
森友学園が近畿財務局に対し、土地を購入したいと連絡。

●2016年3月30日
森友学園と近畿財務局・大阪航空局が、森友学園が実施した土地改良・地下埋設物撤去費用1億3176万円(地下埋設物撤去費8632万4000円、土壌汚染対策費4534万6000円)を、賃借期間中の「有益費」として、国が支払うことで合意。
近畿財務局から大阪航空局に対して、新たな地下埋設物の撤去・処分費用について見積もりを依頼

●2016年4月1日
松井大阪府知事、私立学校に関する事務を教育長に委任。

●2016年4月6日
森友学園が実施した土地改良・埋設物撤去費用1億3176万円を国が森友学園に返還。

●2016年4月14日
大阪航空局が近畿財務局に、地下埋設物の撤去・処分費用の見積もりを報告(8億1900万円)

●2016年4月22日
近畿財務局が、本地の鑑定評価を鑑定事務所に依頼

●2016年5月頃
豊中市議会議員の木村真氏(無所属)が疑問を持ち、調査を開始

●2016年5月31日
不動産鑑定評価書を提出(鑑定評価額9億5600万円)

●2016年6月17日
迫田英典氏(現国税庁長官)が理財局長退任(現在の佐川宣寿氏が就任)。現在は国税庁長官。
武内良樹氏(現財務省国際局長)が近畿財務局長を退任。
美並義人氏が近畿財務局長に就任(現職)

●2016年6月20日
近畿財務局において、森友学園と売買契約締結。
価格は1億3400万円(鑑定評価額から地下埋設物撤去・処理費用等を控除)。支払方法は、頭金2787万円、2017年5月以降に毎年約1100万円の、10年分割払い。

●2016年6月21日 
冨永哲夫元近畿財務局長(2014年7月~2015年6月)が国土交通省へ出向(政策統括官)

●2016年8月
森友学園が建設中の小学校敷地内の緑化事業で、大阪府に補助金を申請。

●2016年9月
木村真豊中市議会議員が、近畿財務局に、国有地払い下げについて情報公開請求(非開示決定)

●2017年2月8日
木村市議が、近畿財務局の非開示決定取り消しを求めて大阪地裁に提訴

●2017年2月9日
朝日新聞が大きく報道。

●2017年2月15日 
衆議院財務金融委員会で宮本岳志議員(共産)が質問。

●2017年2月17日 
衆議院予算委員会で福島伸享議員(民進)が質問。

森友学園問題は、利権の問題というより、教育勅語を教育の中心に置く小学校を実現しようとするイデオロギー問題だと思います。

安倍総理をはじめとして、日本最大の右翼組織である日本会議に結集する麻生太郎、稲田朋美、下村博文等々の自民党議員と、橋下徹・松井一郎の日本維新の会、そして国土交通省に影響力を持つ公明党、今回の国有地払い下げ・教育勅語小学校建設疑惑の真相解明は、まだこれからです。

次に続く安倍総理の国家戦略特区疑惑、今治市の加計学園、成田市の国際医療福祉大学の問題も解明していかなければなりません。

●財務省理財局長
2012.8.17~2013.3.29 古沢満宏→財務官
2013.3.29~2014.7.4 林信光→国税庁長官
2014.7.4~2015.7.7 中原広→国税庁長官
2015.7.7~2016.6.17 迫田英典→国税庁長官
2016.6.17~ 佐川宣寿

●近畿財務局長
2012.7~2013.6.28 池田篤彦
2013.6.28~2014.6.27 枝広直幹→退官→福山市長
2014.7~2015.7.7 冨永哲夫→国土交通省政策統括官
2015.7.7~2016.6.17 武内直樹→財務省国際局長
2016.6.17~美並義人


①2011年7月~2013年4月

 



②2013年5月~2013年9月

 



③2013年9月~2013年10月

 



④2014年1月~2014年10月

  



⑤2014年12月~2015年2月

 



⑥2015年5月~2015年9月 

 



⑦2015年9月~2016年3月

 

 


⑧2016年3月14日~2016年3月30日 

 


⑨2016年4月~2016年5月

 



⑩2016年6月~2016年9月

 

 


⑪2017年2月8日~2017年2月17日

 

 

 

 

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