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イーロンマスク氏のTwitter買収に思う

2022-10-29 22:18:37 | 徒然

予てから噂されていた、イーロン・マスク氏がTwitterの買収を昨日発表した。
マスク氏のTwitter買収の話は、以前から出ていたので「買収をした」ということ自体、驚きはあまりない。
そして、Twitter社の役員を一掃したことも、理解できる。
それがTwitter社にとって、プラスなのかマイナスなのか?は別にして。

気になるのは、マスク氏がこれまで発言をしてきた内容についてだ。
親ロシアなのか?ロシア寄りの発言も少なくない、ということや一人の大株主によってTwitter社の企業文化などはどうなってしまうのか?という点。
SNSの持っている負の部分をどのような方法で、解消するのか?等に不安のようなものがある。

それだけではなく、今現在Twitterのユーザーはスタート当時よりも年齢が上がっているのでは?という、気がしている。
Twitterそのものが、市場に登場してから10数年余りたてば、初期のユーザーも10数年余り歳を重ねたことになる。
その間にSNSの世界では、InstagramやTikTokのような動画サイトなどが登場し、若い人たちを惹きつける事に成功してきた。
逆にSNSの初期を支えていた(?)Facebook(現Meta)やTwitterなどの利用者は、年齢が高いとまで言われるようになった。
確かに、Facebookそのもののアイディアは、同窓会のような既知の知人探しが始まりだ。
その意味では、限定された人間関係の中で行われる相互コミュニケーションツール、と言えると思う。
LINEなどもFacebookのような既知の関係の中でのコミュニケーションになる。

もちろん、Facebookなども知人を介し、「友達申請をする」という点では既知の関係だけではないが、知人を介するという点である程度「自制的な関係」をつくることができる。
逆にこの既知の関係だからこそ、「いじめの温床」ともなりやすいということになってしまうのは、ご存じの通りだ。

それに対して、TwitterやInstagram、TikTokなどは、自分の考えや動画を不特定多数に伝えるコミュニケーションツール、ということになる。
そのために、事実ではない情報や加工された映像が、あたかも信じるのように拡散してしまう、という危険性がある。
TwitterやInstagram、TikTokなどを利用している方は、そのような危険性を十二分に理解し、そのリスクを負って利用しているのであれば、問題は少ないが、利用者の若年化により、いわゆる「SNSリテラシー」が不足しているために、事実ではないことを真実として受け止め、拡散してしまう、ということもあるのでは?という、気がしている。

何より、イーロンマスク氏のロシア寄りの発言や前米国大統領であったトランプ氏との関係を考えた時、「鳥は放たれた」とtweetをした「鳥=言論の自由」が放たれたのか?はたまたイーロンマスク氏の思惑が放たれたのかは、まだわからない。
上述した通り、SNSというグローバルなコミュニケーションツールを独占するコトで、利用者が暗黙のマナーをつくり、コミュニケーションツールとして、社会にプラスとなる影響力が持てなくなることを、老婆心ながら不安を感じている。