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「コロナ禍」が、働き方を強制的に改革した?

2022-10-18 21:05:55 | ライフスタイル

今朝、FM番組を聞いていたら、企業の人事が大きく変わろうとしている、という話題があった。
日本の企業の多くで見られるような「メンバーシップ型人事=組織型人事」から、「ジョブ型人事=職能人事」へと変わろうとしている、という内容だ。
このような話というのは、取り立てて目新しい話題ではない。
「成果主義」という言葉が注目されるようになってから、盛んに「年功序列を重視した組織型人事では、企業は成長しない。これからは職能を重視したジョブ型人事にして、若い世代が活躍できるような組織づくりが重要だ」と、言われ続けてきた。
このようなことが盛んに言われていた頃、多くの企業はその旗振り役担当者が、年功序列の考えから離れられず、うやむやのうちに終わってしまった感がある。

このような「ジョブ型人事」ということが盛んに言われてから10数年経ち、日本に新しい波が押し寄せてきた。
その波は、これまでのような米国などから言われて渋々のように変わらされてきた「外圧」ではなく、「新型コロナ」という感染症だった。
ご存じの通り、「新型コロナ」が流行しはじめると、政府から「極力出勤をせず、リモートなどで仕事をする」ということが推奨された。
「リモートワーク」という状況下で問題になったのは、「社員の帰属意識」だった。
職場に出勤することなく、自宅でZOOM会議と呼ばれるPC画面に向かって、会議をするようになると、会議室での会議とは違い「席順による上下関係」が薄らいでいった。
事実、リモート会議が盛んにおこなわれるようになると「画面表示の上下関係」ということが、話題になったりした。
もちろん、リモートワークが長く続くことで起きる、様々な弊害も指摘されるようになってはきているが、「リモートワーク」によって、「働く場所」について、これまでとは違う考え方がされるようになってきたのも、また事実だろう。

このように「働く場所」が限定されなくなると、「転勤」という考え方も変わり始めてくる。
「リモートで仕事ができるのなら、転勤をしなくても仕事はできるのでは?」ということなのだ。
東京の事務所で、地方にある営業所や支店の仕事をする、ということが可能になった、ということでもある。
また逆に、地方にいながら東京の仕事ができる、ということにも繋がっていくはずだ。
営業職であっても、これまでのような「対面でなくてはならない」という、固定観念を変えるような状況を「コロナ禍」が、半ば強制的に作ってしまった、ということでもある。

もちろん「対面で仕事をする」というメリットも、数多くある。
その一つが、言葉に頼らないコミュニケーションだろう。
ZOOM会議のように、言葉中心のコミュニケーションでは伝わりきらない部分を、例えば些細な表情など敏感に感じ取ることができる、という能力もまた人に与えられたコミュニケーション力の強い部分でもあるからだ。
とすれば、リモート+出社型という働き方がスタンダードになっていくと、年功序列のような上下関係は徐々に崩れていくような気がしている。
それが最終的に、「年功序列型人事」から「職能型人事」へと変わっていくことになるような気がしている。
と同時に、企業内の「肩書」の意味も変わっていくのではないだろうか?