浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2021-08-24 00:08:15 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓
 
恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より

       第五章 心の曇りをとるための反省

       親子の確執が消えた反省の功徳


先の続き・・・

あなたの幼い頃に抱いてあげることも遊んであげることもできず、
寂しい思いをさせてしまったのではないかと、
泣いて話されると、娘さんもワンワン泣きだしてこう言いました。
「私だけなんで上に姉さんのようにしてもらえんのかと思って、
ずーっと寂しかった、辛かった」
お母さんは「かわいそうなことをした。堪忍して」と詫びました。

娘さんも「今迄の親不孝を赦してください。
私は今迄言えなかったのです。
これからは本当の親孝行をさせて下さい」と言って、
親子で抱き合って泣いて詫び合ったそうです。
このことがあって、お母さんから電話がかかって来ました。
「心の中の芯が抜けてしまったようです。

しかし有難いです」とおっしゃっていました。
この子は嫌らしい子だ、敵の生まれ変わりだという一心だったのが、
自然に消えて、なんとも言えないと泣いておられました。

この母と娘の場合は、互いになぜ自分は親にそむいて
親をいじめるのかとか、なぜこの子にいじめられるのかとか、
それぞれの自覚がなかったのでした。
ところが反省して、お母さんはこの子に上に思いをいたし、
この子は辛かっただろうと懺悔した時、

わるいことをしたという思いに目覚めてきたのです。
一方、娘さんのほうもお母さんに手をつかれ詫びられたら、
いっぺんに心が開かれ、
地獄の毎日がたちまち極楽の世界となってしまったのです。
これこそは反省の功徳と言えるものです。




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