次の日の朝BOSSが
「M君、F君と一緒に・・・」
また次の日も、4日目も・・・
5日目の朝も
「M君、F君と一緒に。それから皆聞いてくれ。今晩はF君の歓迎会をやるから19時には戻って来てくれ。」
私は嫉妬で張り裂けそうでした。なぜなら私がルーキーだった頃は、先輩が同行してくれたのは最初の一日だけだったのです。
<ちくしょう・・・俺の時はあんなにしてもらえなかったのに・・・それでミスを重ねて怒られてばかりいたのに・・・なんであんな奴・・・>
「ボス・・・」
私がボスに声をかけようとした時、ボスが私の言葉をさえぎって言いました。
「いいから、いいから。多分Fはキレるからいいんだ。それよりお前、現場の時間だぞ。いいか19時 には戻って来いよ。19時までに結果を出せ」
<そんな無茶苦茶な・・・こっちの時間にマル被はあわしてくれないよ~>
その日の夜、近くの居酒屋で宴会が始まりました。ボスと大先輩のMさんは昔からの酒豪で、Mさんにいたっては一晩でチュウハイを70杯も飲んだ記録があるとか・・・。
「今日はF君の歓迎会と云う事で・・・それではかんぱい」
F君はMさんの横に座りたらふく焼酎を飲まされていました。
「それはそうとT君、今日の現場どうだった?」
「あっ、結果でました。バッチリですよ。Kさんの車での尾行はいつもすばらしい」
「車だけか」
目の据わったKさんが・・・
「すいません・・・」
「それじゃあK君、明日T君と報告書頼んだよ」
「はい、わかりました」