シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

今年も・・・

2008-12-31 07:00:00 | 調査員Nの日記

今日で今年も終わりですね。
今年も色んな事がありました。
お世話になった方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、来年もよろしくお願いいたします

皆様も良いお年をお迎え下さい


浮気調査 番外編 Part2 その9

2008-12-30 07:00:00 | 調査員Kの日記
 2週間の調査を終えた。
マル被は、2週とも水曜日に同じ男性と食事し、ラヴホテルに入った。
今からその事を、マル被の妻である依頼者に報告しなければならない。
俺はBOSSと2人で、依頼者を待っていた。
「こんな結果でも、ショックでしょうね」
「んそうだなぁ・・・」

BOSSがスポーツ新聞を読みながら答えた。

しばらくして依頼者が現れた。
「どうもです」
「どうもお世話になります・・・どうだったでしょうか
「こちらが報告書になります・・・こちらを読んでいただければ・・・」
「今・・・いいですか読んでも・・・」
「どうぞ・・・ビデオテープもお渡ししておきます」
「はい」

依頼者は報告書を取り出し、それを読み始めた。

一通り読み終えた依頼者はこう言った。
「あの・・・これは
「これは・・・といいますと
「主人は男性とホテルに行ったのですかラヴホテルに・・・」
「そうです・・・2週とも水曜日に同じ男性と食事し、同じラヴホテルに入りました」
「男の人と
「そういう事です」

依頼者は、どこか納得いかない顔をしていました。

「何しに行ったのでしょうか
「中の様子までは分りませんが・・・この男性とそういった関係がある可能性が、極めて高いと思われます」
「そういった関係・・・ですか・・・」
「そうです」
「・・・・・・」

依頼者は何か考えている様子だった。
「でも・・・主人は私と結婚してるんですよ・・・子供も居りますし・・・」
「だからと言って、男性とも関係を持たないとは限りません・・・バイセクシュアルというらしいんですが・・・ただ、この男性とラヴホテルに入った・・・そこまでしか今の所調査しておりません・・・中での事は勿論、調査する事は難しいと思われますが・・・」
「何とか調べる方法はないでしょうか
「後は・・・パソコンや携帯のメールなのですが・・・これは法律にも関わってきます」
「・・・・・・」
「思い切って、ご主人に話されてはいかがですか

依頼者は、また何か考えている様子だった。
夫が男性とラヴホテルに入ったという事を、受けきれないでいるのか・・・。

沈黙が続いた後、やっと依頼者が言った。
「少し考えてみます・・・また、ご相談させていただいてもよろしいでしょうか
「はい、いつでもどうぞ」
「それじゃぁ・・・どうもありがとうございました」

そう言って依頼者は帰って行った。

俺はいつもの浮気調査よりも、もっと複雑な気持ちになっていた。
「BOSS・・・飲みに連れてって下さいよ」
「ん・・・そうだなぁ・・・連れてってやろう・・・そのかわり、支払いはお前だけどな
「え~っ・・・じゃぁ割り勘で・・・」
「いいぞ割り勘でお前の支払いな
「それって割り勘って言わないでしょう・・・」


俺はその日の夜も、酔っ払っていた事は云うまでもない。

浮気調査 番外編 Part2 その8

2008-12-29 09:03:29 | 調査員Kの日記
 が車に乗ってやって来た。
「お疲れさんちょっと換われ
そう言ってを運転席から追い出した。
「もし対象が出て来たら、後を追ってくれ俺はちょっとドライブしてくる」
「ドライブですか

俺はの言葉に返事もせずに、車を走らせた。
<マンションの出入り口は一つ・・・NとUちゃんで大丈夫だろう>

俺はマンションのベランダと、各階のドアが見える位置を探した。
しかし、街中である。そんな都合のいい場所は、両方とも無かった。
仕方なく、俺はマンションに戻った。

「Uちゃん・・・今日は徹夜になるだろうから、今日はもう上がってもいいよ」
「そうですか・・・それじゃぁ、そうさせていただきます」
「Nはこのまま俺と残れ
「了解です
<今日はもう出てこないだろうなぁ・・・>


俺が停めた車の位置からマンションの入り口を見ると、郵便受けが見る事が出来た。
<あっ・・・ラッキー・・・>
「Nいいか、朝になったら対象はポストに寄る可能性が高い・・・対象が触ったポストの位置を、しっかりと覚えておけ
「はい分りました
<待てよ・・・帰ってきた時はポストに触らなかったなぁ・・・もしかして、自宅じゃないのかなぁ・・・>


結局、徹夜になった。
俺は、対象がポストに触る事を祈った。
対象の男性の姿が現れた。スウェット姿だが、昨日の男性に間違いない。
郵便受けを開ける。
「よしっ
男性が郵便受けの物を手に、再びマンションの奥へと消えて行った。
「見て来い
「はい

が小走りにマンションへと近づいて行く。玄関の出入り口から覗き込む。そして、直ぐに車へと戻って来た。
「302号室です
「間違いないか
「はい大丈夫です
「そうか・・・一応、確認してくるわ・・・」
「えっ・・・」

車を出た俺は、とは違い、歩いてマンションに近づき、郵便受けを確認し、歩いて車に戻った。
「合ってたよ・・・」
「・・・はい・・・」
「もう、このまま対象を尾行して、勤務先も調べておこう・・・お前・・・大丈夫か
「大丈夫です
「目が真っ赤だぞ・・・一晩だけなのに・・・」
「大丈夫です


そして、男性の勤務先も判明した。
その日の昼に依頼者から電話があったらしい。
BOSS依頼者「まだ調査は終わっていないので、終わるまで待って下さい」とだけ言ったそうだ。
気になるのであろう。当然だ。

浮気調査 番外編 Part2 その7

2008-12-28 05:41:57 | 調査員Kの日記
「もし、マル被たちが出て来て別れたら、Nはマル被を追えUちゃんは俺ともう一人の男を・・・」
「了解しました」
俺はそう言って、マル被たちが入って行ったラヴホテルに近寄って行った。
建物に、電話番号が書いてあるかどうかを確かめる為にだ。しかし、無かった。
俺は携帯を取り出し、ICレコーダーに繋げた。
104番にかけ、ホテルの番号を聞く。そして、ICレコーダーのスイッチを入れ、その番号にかけてみた。
「すいません・・・そちらは男同士でも入れますか
「はぁ・・・いいですよ・・・」

ぶっきらぼうな女性の声が返ってきた。
「結構いますか・・・そういうお客さん・・・」
「はぁ・・・さぁ・・・何か
「いえ・・・自分たちだけが入るのは”ちょっと”と思ったものですから・・・」
「大丈夫ですよ」
「分りました・・・それじゃぁ」
<やっぱりか・・・>


それから2時間半が経った頃、マル被たちがラヴホテルから出て来た。
2人は、また通天閣の下まで歩き、別れた。
マル被は地下鉄の『恵美須町』駅方面へ。もう一人の男性は南方向へ。そのまま行くとJR『新今宮』の駅だ。
俺はマル被とは別の男性を追った。やはりJRに乗る。Uちゃんもしっかりマークしている。

男性の自宅だと思われるマンションが判明した。
外からは、部屋の明かりが点いているかは確認出来ない。
しばらく、出入り口を目視出来る位置で張り込んだ。

30分程してから電話が入った。
「お疲れ様です
「お疲れさん
マル被は自宅へ帰りました」
「そうか・・・それじゃぁ・・・急いで事務所に寄って、車でこっちに来てくれ」
「分りました」

<マル被の自宅は、事務所から二駅程だ・・・事務所に戻って車に乗ってきても、この時間だと1時間もあれば大丈夫だろう>


浮気調査 番外編 Part2 その6

2008-12-26 05:37:50 | 調査員Kの日記
 店の中へ入ると、マル被の姿を探した。
店の中はそんなに混んではいなかった。まだ、夕食の時間には早いのだろう。
俺はマル被を直ぐに見つける事が出来たが、店員が案内した席はマル被から遠かった。
「すいません・・・席を替えてもらってもいいですか
「どうぞお好きな席に
「あっちの席に移りたいんだけど・・・」
「どうぞどうぞ

俺たちは、マル被の直ぐ後ろのテーブルへと移動した。

店の雑音の中、マル被たちの会話は十分と言えないが聞き取る事が出来た。
俺は生ビールを注文し、ちゃんはウーロン茶。そして、串カツの盛り合わせ。
には少し申し訳ないような気になったが、これも仕事だと割り切った。いつもの事なのだが・・・。
マル被たちの会話は、仕事の事がほとんどであった。愚痴である。しかし、同じ会社の人間同士ではないようだ。
 
店に入ってから40分が過ぎた頃、俺はちゃんに合図し、店を出た。
が外で待機しているから、マル被が出た後でもよかったのだが、このままだと酔ってしまいそうだったからだ。
「お疲れ様です
「お疲れさん

が近寄って来た。
「お前、一々近寄って来るな
「すいません・・・」

が俺とちゃんの手を見た。
「お前・・・ひょっとして、お土産でも期待してたか
「いえ・・・そんなんじゃないですけど・・・」
「アホ串カツ食いながら尾行出来るのか
「そうですよね・・・」
「早く持ち場に戻れ
「了解しました


俺たちが外に出てから20分くらいが過ぎた頃、マル被たちが店の中から出て来た。
2人で並んで歩いて行く。駅とは違う方向だった。
<もう一軒行くのかなぁ・・・>
と、その時だ。
マル被たち2人がラヴホテルに入って行った。
<え”~っ!?何だ?どうして?>
俺が呆気に取られていると、ちゃんが寄って来た。
「こんな所に・・・何か用事でもあるんですかねぇどうします
「・・・どうするって・・・出て来るのを待つしかないだろう・・・」

俺たちが話していると、そのホテルから2人の男性が出て来た。
<このホテルって・・・>
俺はちゃんをそのまま張り込ませた。
俺はビデオの確認をする為に、少しその場を離れた。

マル被たち2人がラヴホテルに入って行く姿が、辛うじて映っていた。
マル被たちが咄嗟に中へ入った為、ビデオが入った鞄を向けたのだが、撮れてるかどかが心配だった。
その映像を確認した俺は、マル被たちが入ったホテルまで戻った。


浮気調査 番外編 Part2 その5

2008-12-24 05:35:10 | 調査員Kの日記
 水曜日。
依頼者は俺と会った次の日に、調査料金を振り込んでくれたらしい。
今日は、俺とちゃん。
マル被は電車で移動するそうだ。浮気相手の女性を尾行する時に、同じ女性のちゃんは居なくてはならない存在だ。
女性を尾行する場合、電車では女性専用車輌があるからだ。
今回も、もし浮気が発覚した場合、相手の身上調査も受件している。

朝一番で、マル被のその日の持ち物や服装、髪型等をチェックして、マル被の退社時間から張り込み。
マル被は営業だそうだが、必ず一度会社に戻る。既に、さっき会社に戻った事を確認していた。
「そろそろ出て来ると思うから、見逃すなよ
「了解しました


大きな雑居ビルの場合、マル被が出て来る時に探す事が大変だ。
しかし、この会社は一棟まるごとがマル被が勤める会社である。そんなに大きくもないビル。表には『大阪営業所』と書かれた看板があった。

「来た行くぞ
「はい

尾行が始まった。
マル被は、通勤にJRを使っている。
しかし、今、地下鉄に乗り込もうとしていた。
<やはり、真直ぐには帰宅しないようだな・・・>
地下鉄の中は、仕事帰りの客で一杯だった。
見わたすと、ちゃんは、しかりマル被をマークしていた。

マル被が降りた駅は『恵美須町』。そのまま地上へと階段を上がって行く。
『新世界商店街』を通り、通天閣の方へ。そして、マル被は通天閣の真下で立ち止まった。
<誰かと待ち合わせのようだな・・・>

しばらくすると、若い一人の男性が片手を上げながらマル被に近づいた。
そして、二、三、言葉を交わすと南方向へと歩いて行く。
そこには、飲食店等が建ち並んでいる。
2人が入った店は、串カツ屋だった。
<いいなぁ・・・俺も串カツで一杯やりたいなぁ・・・>
そう思っていた時、ちゃんが寄ってきた。
「Kさん、どうしますか
「それじゃぁ・・・俺がUちゃんと入るわお前は外で張り込みだ
「えっ・・・いつもながら・・・わかりました・・・」
「不服そうだなぁ・・・代わってやってもいいんだぞ・・・その代わり全責任を持てよ」
「いえ外で待ちます

ちゃんが笑っていた。
「そうか・・・それじゃぁそうしてくれちゃんとお前の分まで食って来てやるから」
「そんなぁ・・・」
「冗談に決まってるだろう仕事中だ

うらめしそうなを尻目に、俺はちゃんと中へ入って行った。


浮気調査 番外編 Part2 その4

2008-12-22 09:07:39 | 調査員Kの日記
俺はO’CATにある喫茶店で、BOSSが来るのを待っていた。
面談と契約の報告をする為だ。
5分もしないうちに、ガラス越しにBOSSの姿が見えた。

「お疲れ様です」
「お疲れさん」
調査は、水曜と木曜日だけで2週間。契約書も漏れは無いです。入金が確認次第OKです

俺は依頼者と交わした、契約書と重要事項の確認承諾書をBOSSに渡した。
「そうか・・・浮気調査だったよなぁ
「そうです。でも、依頼者は確信は無いらしいです。それとなく・・・という事です」
「ふ~ん・・・それは夜の回数が減ったとかか
「いえ・・・それは以前かららしいです」
「そうか・・・じゃぁ女の感ってヤツか・・・結構鋭いからなぁ・・・女の感は・・・」
「そうですよねぇ・・・まぁ、調査して何も無かったらいいんですけどね・・・」
「そりゃそうだ」

BOSSが紅茶を飲み、タバコに火を点けた。
BOSSはコーヒーは飲まない。飲まないというより、飲めないらしい。
何でも昔はブラックで飲んでいたそうだが、胃潰瘍にかかってから飲めなくなったそうだ。飲むと、そのまま吐いてしまうのだ。
俺が一度、現場で缶コーヒーを渡した時にそれを見た。トラウマらしい・・・。

「しかし、水曜と木曜だけでいいのか
「何でも、それ以外の日は早く帰宅するそうです・・・帰ってからはパソコンを弄ってるらしいんですけど・・・」
「パソコンのメールや何かは、依頼者は調べなかったのか
「ロックされているようで・・・」
「そうか・・・ロック・・・仕事は何だった
「アパレルの営業です」
「それじゃぁ、怪しいなぁ・・・アパレルの営業マンが自宅のパソコンをロックしてちゃぁ・・・」
依頼者が気になる理由の一つに挙げてました」
「パスワードの解明は無理だったのか
依頼者も色々と試してみたらしいのですが・・・」
「そうか・・・それじゃぁ尾行するしかないなぁ」
「だけど、調査の結果が何も出なかったら、依頼者に不安は残りますよね・・・」
「何も無ければ、ロックする必要は無いと言いたいのか
「そう思うんですけど・・・」
「人に見られたくないものもあるだろう・・・エッチな画像や動画を入れてるとか・・・」
「そうですよねぇ」
<確かにそうだよなぁ・・・俺はロックしてないけど、一杯入ってるものなぁ・・・嫁に変態かって言われた事もあったなぁ・・・やっぱり見られたくない人もいるよなぁ・・・でも、見られた方がその後で盛り上がったりなんかして・・・>


「お前、何ニヤついてんだ
「い・・・いえ・・・別に・・・」

BOSSが俺の顔を覗き込んできた。
「今日はもう終わりだろう
「はい、何もありませんけど・・・」
「飯でも食いに行くか
「今日は止めておきます」
「そうか、たまには家でゆっくりするのもいいよな」

そう言ってBOSSがニヤッと笑った。
<ちょっと何だか・・・俺もその気に・・・>
「それじゃぁ、その件は頼むわ後・・・昨日の報告書もな・・・」
「分りました」


俺はBOSSと別れて、自宅へと車を急がせた。

浮気調査 番外編 Part2 その3

2008-12-20 05:34:35 | 調査員Kの日記
 翌朝、俺は契約書と見積書をチェックした。
そしてシャワーを浴び、服装を整えて車に乗り込んだ。
昨日の依頼者との待ち合わせ場所に向う。

思ったよりも車が空いていて、約束の時間より20分も早く着いてしまった。
俺は先に店に入るり、モーニングを注文した。まだ、そんな時間だった。
<依頼者が来るまでには、食べ終わるだろう・・・>

俺がタバコを吸いながら新聞を読んでいると、店の入り口に黒いコートの女性が現れた。
昨日の依頼者である。
「どうもです」
俺はタバコを灰皿で揉み消しながら、依頼者に声をかけた。
「こんにちは」
早速、俺は見積書を出して依頼者に説明を始めた。
依頼者は黙ってそれを聞いていた。
「これでどうでしょうか
「はい、それでお願いします」
「分りました。それでは、この契約書のここと、この重要事項に承諾のサインをお願いできますか」
「はい」

依頼者がサインをした。これで契約は完了した。

「では、次の水曜日から調査をさせていただきますので、期日までに料金をお振込み下さい。入金の確認が出来次第、準備させていただきます・・・後・・・何か分らない事はありませんか
「いえ・・・今のところは・・・」
「そうですか、もし何かあればご連絡下さい」
「分りました・・・よろしくお願いします」


店を出た俺は、BOSSに連絡を入れた。
「お疲れ様です
「おつかれさん
「今、契約が終わったところです・・・BOSSは今どこに
「ミナミだ・・・帰るのは夕方くらいになると思うけど・・・」
「そっちに行ってもいいですか
「ああ、いいよ・・・それじゃぁ着いたら電話してくれ」
「了解です


俺はBOSSの居る、ミナミへと車を走らせた。
朝とは違って、道路は混んでいた。ミナミまで、1時間もかかってしまった。
俺は車を、BOSSがよく使うコインパーキングへとまわした。
やはりそこにはBOSSの車が停めてあった。俺はそのパーキングに乗り入れ、車を停めた。
「お疲れ様です今、着きました」
「お疲れさんどこだ
「BOSSが車を停めてるパーキングです」
「それじゃぁ10分後に、O’CATの喫茶店で」
「分りました」

浮気調査 番外編 Part2 その2

2008-12-18 05:41:15 | 調査員Kの日記
 面談を始めて直ぐに、さっきの店員がホットコーヒーをテーブルの上に置くと、足早に去って行った。
「・・・それじゃぁ、あなたが考えているのは、水曜日か木曜日だという事ですね
「はい」
「週末はどうなんですか
「週末は、いつも自宅に居りますから・・・」
「なるほど・・・それじゃぁ、水曜日と木曜日に絞って調査しましょうか・・・」
「それでお願いしたいのですが・・・出来れば2週間ほど・・・」
「分りました・・・それじゃぁ一度、キッチリとした見積りを出しますので・・・明日、お時間はありませんか
「今日と同じ時間くらいなら」
「分りました・・・それじゃぁ、明日、同じ時間にこの店でいいですか
「はい・・・お願いします」
「それと・・・こちらが重要事項となっておりますので、必ずお読み下さい」

俺は依頼者に、重要事項が書かれてある用紙を渡した。
これは探偵業法という新法が出来、必ず行わなくてはならない。
「それじゃぁ、明日。同じ時間に・・・」
「よろしくお願いします」


店を出た俺は、車に戻る途中でBOSSに連絡を入れた。
「お疲れ様です
「お疲れさんどうだった
「はい、明日、同じ時間にもう一度会う事になりました」
「そうか。それじゃぁ、明日はそのままそっちに行ってくれ今日はゆっくり休んでな」
「了解しました」


車に乗り込んだ俺は、車を自宅へと向けて走らせた。
<眠い・・・>
体にカフェインを入れたにも関わらず眠い。
家に着くまでに、何度もあくびを繰り返した。
自宅へ戻った俺は<そのまま寝てしまおうか>と考えたが、シャワーを使う事にした。
妻は出かけているようだ。
シャワーの後で、俺はベッドに転がり込んだ。
しばらく目を閉じていたが、シャワーを使ったせいか今度は目が冴えてきていた。
仕方なく、起きてからやろと思っていた見積りを始めた。さっきの面談の件である。
しかし、文字を見ると眠くなってきた。全くの悪循環だ。

気がついた時は、ベッドの中だった。
長男が、夕食だと起こしに来ていた。
夕食の時間。それは俺が、一番ホッとする時である。
俺は仕事がら外食が多いためか、自宅で取る夕食は一番落ち着く事が出来た。
「いつも他の女とご飯食べて・・・浮気してるんじゃないの
と何度か妻に言うわれた事があるが、俺にはそんな気が更々無い。
酒を呑みながら、家族と会話が出来る事の方が楽しいのだ。
そして、テレビの前でウトウトとするのである。

浮気調査 番外編 Part2 

2008-12-16 08:57:46 | 調査員Kの日記
 俺が浮気調査を終え、自宅に戻ろうとしている時だった。
携帯が鳴り出した。俺は車を路肩寄せた。
「もしもし・・・お疲れ様です」
BOSSからだった。
「終わったばかりで悪いんだけど・・・そのまま面談に行ってくれないか
「はい、分りました」
「疲れてるだろうが、頼む」
「いえ、大丈夫です

俺はその日、徹夜で朝まで調査しての帰りだった。
浮気調査。いつもと変わらない調査だった。
「調査内容は
浮気らしい」
「分りました。今から向かいます

その日は他の調査員たちも、現場の予定が入っていた。
もう、開始してる頃だろう。
俺とさんが、徹夜組だった。疲れていないというと嘘になる。
しかし、面談をする依頼者との待ち合わせ場所が、俺の自宅方面だった。
予定を入れ替えて誰かが行くより、俺の方が早く着く。

待ち合わせの場所に着き、BOSSに連絡を入れた。
「お疲れ様です今、着きました」
「了解。さっきメールで依頼者の携帯の番号を入れておいたんだが・・・」
「はい、確認しました・・・このまま電話かけてみます・・・何かあったらまた連絡入れます」
「了解頼んだ

俺は携帯を持ったまま、タバコに火を点けた。
直ぐに、依頼者が電話に出た。
「もしもし、シークレットリサーチのKですが・・・今、待ち合わせの場所に居るのですが、今どちらに・・・」
「あっ・・・今、駅の前に居ます」
「黒のコートの
「そうです」

俺は電話をかける時に、辺りを見回して、電話に出る女性を探していたのだ。

俺は黒のコートの依頼者の方へ近寄って行った。
「どうも、シークレットリサーチのKです。初めまして」
「どうも・・・」
「喫茶店かどこかでお話しましょうか
「はい」

辺りを見回すと、直ぐに喫茶店が目に入ってきた。
「あそこでいいですか
俺はその喫茶店を指差しながら、依頼者に尋ねた。
「はい」
依頼者は緊張しているのであろうか。言葉が短い。

店の入ると、店員が素早く水の入ったコップを運んで来た。
「いらっしゃいませ。何になさいますか
「俺は、コーヒーをホットで」
「私も同じ物を・・・」

店員が店の奥へと戻って行くと、俺は依頼者に名刺を差し出した。
「それで、ご相談というのはどういった・・・」
「さっき電話でもお話したのですが・・・主人に他の人が・・・浮気しているみたいなので・・・」
「分りました・・・それじゃぁ、いくつか質問させていただいても、よろしいですか
「はい」

俺はいつもの様に質問していった。