シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

困った依頼者 Part4

2008-05-30 05:34:24 | 調査員Sの日記
 その日は君と面談に出かけていました。
「・・・浮気ですか・・・どうして、そう思われるのですか
「あの女と浮気してるに決まってるんです
「ですから・・・どうして、そう思われるのですか
「なんで、そんなに否定的な事を言うの浮気は絶対にしてるの
「・・・ご主人が浮気をしていないと言ってるんじゃないんですよ・・・まだ調査したわけじゃないですし・・・あなたが、どうしてそう思われるのかをお聞きしているだけですよ・・・」

その女性は物凄くヒステリックでした。

「そんな事どうでもいいじゃないその事を話さないと調査は出来ないの
調査が出来ないのではなく、全てをお聞きして調査方法を考え、調査料金のお見積もりをさせていただかないと・・・」

女性は苛立った顔をしていました。

「それは私のプライバシーでしょ!?
「・・・プライ・・・バシー・・・ですか・・・言ってる意味が・・・」
「そうよ私が調査してって言ってるんだから、やってくれればいいんじゃないの
「分りました・・・それじゃぁ・・・ご主人のお仕事はいつも何時くらいからの出勤ですか
「それも調べたらいいじゃない
「はぁ・・・それじゃぁ・・・あなたのご主人の事を、何も聞かずに全て調査しろと
「そうよあんまり何も言いたくないの
「・・・しかし・・・それじゃぁ・・・」

私も段々と、その女性の態度に苛立ってきました。

大阪の夜 Part3 その3

2008-05-28 05:20:57 | 調査員Mの日記
 マル被たちの軽自動車が停車したのは、大阪城公園
もちろん、路上駐車。
軽自動車から2人が降りる。
私も車を降り、徒歩での尾行を開始する。
も遅れて着いて来る。
マル被たちが、公園の中へ入って行った。

暗い公園の中。ホールでコンサートでやっていれば、まだ人も居るのであろうが・・・。
2人は更に暗い方向へと歩いて行く。私は少し、マル被たちと距離を広げた。
何度か来た事があるのであろう。マル被たちは、自分たちの歩いている場所が分っている様子である。
私は、自分が公園のどこに居るのかさえ分りにくい。
マル被たちがベンチのような物に座るのが見えた。
<こんな所にベンチなどあるのか?なぜ?>

私はマル被たちを撮影出来る場所を探した。
もうもどこに居るのかさえ分らない。マル被にばれないように、無線は切ってある。
<この暗さじゃぁ・・・カメラは大丈夫か?>
赤外線カメラは用意していない。今どきのビデオカメラは、少々の暗さには強いから。
しかし、この距離では・・・。

マル被が女性の胸に手を乗せてキスを始めた。
<こんな所で・・・>そう思っていた時である。
後ろの方から、小さな声がした。
「兄ちゃん・・・そこ退いてくれ
「はぁ

振り返ると、私の後ろに1人の男がしゃがんでいた。
男はまた小さな声で「そこ退いてくれと言った。
「何だ今は退けんあっちへ行け
「そこは俺の縄張りだ退いてくれ
「何を言ってるんだ何の縄張りだ


男は黙ってマル被たちの方へ、顎を突き出した。
「はぁ
私はマル被の方を見たが、意味が全く分らない。
男は痺れを切らし、私の横に座ってマル被の方を覗いている。
<あっ!?こいつ・・・覗き魔だ!>
「あんたが覗くのは構わないが、俺は今ここを動くわけにはいかない
「もういいよ・・・このままで・・・」

そう言ってその男は、マル被たちを覗いていた。
マル被たちも、次第にエスカレートして行った。
「あの場所がいいなぁ・・・あそこが欲しいなぁ・・・」
男が呟いた。
「どこの話だ
「あそこでも覗いてるだろう

私は目を凝らしてよく見ると、男が指差した場所に1人の男がしゃがんでいるではないか。
それだけでは無かった。
マル被の周りを良く見ると、数人の男が覗いているのが確認出来た。
「皆・・・縄張りがあるんだよ・・・」
「そ・・・そうなのか・・・」


私は結局、マル被たちが帰るまで覗き魔の男と、マル被たちを覗いていた事になってしまった・・・。

大阪の夜 Part3 その2

2008-05-26 07:29:08 | 調査員Mの日記
 しばらく軽自動車を走らせたマル被は、ファミリーレストランの駐車場に車を止めた。
車から降りた2人は手をつなぎ、そのまま店内へと入って行った。
「今のは撮れましたか
「おうバッチリな


私もと一緒に中へと入ったのだが、マル被たちが座っているテーブルからは距離があり、会話を聞き取る事が出来ない。
店も、夕食どきとあって込み合っていたため仕方無かった。
私たちは食事を済ませ車に戻る事にした。
しかし、駐車場からはマル被たちを目視する事が出来ず、車を駐車場から出してマル被たちを撮影した。
マル被たちは、丁度、窓側のテーブルであったのでそれは可能だった。

「まだ出て来ないんですかねぇ・・・」
が少し苛立った声で言った。
私はその言葉で、時計を見た。
もう22時を過ぎている。マル被たちが店に入って2時間以上が経過している。
「そんなに話す事が沢山あるなんて・・・いいなぁ・・・青春だなぁ・・・」
「何ですかそれって
「お前は嫁とあれだけファミレスで話せるか
「・・・そうですよね・・・無理ですよね・・・」

俺は少し妻との思い出を、思い起こしていた。
<俺も昔はよくしゃべれたなぁ・・・どんな事でも楽しくしゃべれたのに・・・今は、少ないなぁ・・・明日から努力しようっと・・・>
そんな話をしている間に、マル被たちが立ち上がるのが見えた。

「出てきますねぇ・・・」
「うん・・・」

店を出たマル被たちは、再び軽自動車を走らせた。

大阪の夜 Part3

2008-05-24 07:46:56 | 調査員Mの日記
 その日は朝から浮気調査を行っていた。
依頼者は26歳の女性。結婚の約束はしているのだが、まだ入籍はしていない。
普段こういった調査の事を、私たちは素行調査と言うのだが・・・なぜか依頼者のこだわりだそうだ・・・。
浮気調査と呼ばされている。呼び方が違うだけで、何も変わりはない。

朝からと言ってもAM9:30からであった。
マル被は25歳で無職。時々アルバイトに出かけるそうなのだが・・・。
本当に結婚する気があるのだろうか・・・。
早くてAM10:00を過ぎないと、自宅から出ては来ないらしい。
「Mさん・・・マル被はパチンコするんじゃないですか
「どうせそんなところだろう、と思うけどな・・・」


AM11:18にマル被が自宅マンションを出て来た。
案の定、パチンコ屋へ直行。
それからマル被は、飯も食わずにPM7:18まで打ち続けた。
勝っているようには見えなかったのだが・・・。
よく金が続くものだ・・・。

マル被がパチンコを止めたのは、携帯にメールが入った事が原因のようだった。
マル被はパチンコ屋の駐車場から、軽自動車を走らせて東へと向った。
10分程車を走らせたマル被は、ハザードを点滅させて道路脇へ急停車した。
が運転する私たちの車も、左に寄せて停めた。
辺りは少し暗くなりかけていたので、年齢まではハッキリ見る事が出来なかったのだが、若い女性がマル被の軽自動車に乗り込んだ。そして軽自動車は、再び走りだした。
「やっぱり依頼者の思ってたように、他にも女がいたんですねぇ・・・」
「まだ分らんが・・・そうみたいだなぁ・・・」

親子?

2008-05-22 05:36:27 | 調査員Nの日記
 私がこの仕事について、1年が過ぎ、やっと慣れてきたところです。
最初はヘマばっかりでした。今もやっちゃうんですが・・・大きなヘマが無くなってきました。
やり始めた頃は、気ばかりが先に走っちゃて行動が伴ってませんでした。

ある日張り込みに行って、車の中で寝てしまった事がありました。その時は無茶苦茶に怒られました・・・。
夜の張り込みで、季節も良い時期でもありました。丁度、疲れも溜まっていて・・・ついつい・・・。
気がついたら朝になっていて、先輩の車もマル被の車もありませんでした。
慌てて携帯を見たら、着信履歴が先輩たちと事務所からで全て埋まっていました。
私は急いでさんに電話すると
「何やってたんだ生きてたのか何かトラブルでもあったのか事故でも起こしたのか
と質問攻めにあいました。
私は正直に
「すいません・・・寝てしまいました・・・」
と言うと、いきなり電話を切られてしまいました。
私は仕方なく事務所に戻ったのですが、誰も居ません。当たり前です・・・皆、現場に出たままなのですから・・・。
私はそのまま待機していたのですが、また睡魔が襲ってきて・・・。

それから何時間が経ったのでしょう・・・。私はいきなり頭を叩かれて、目が覚めました。
私は、何が起こったのか訳がわからずにキョロキョロしてました。
先輩たちが私の周りを囲んでいました。寝ぼけたままの私は、状況が分るまでに少し時間がかかりました。
ハッと気がついた時にいきなり怒鳴られました。
「いいかげんにしろ皆どれだけ心配したのか分っているのか
「すいません・・・」

先輩たちは仕事の事ではなく、私の事を心配してくれていたのです。
私は、皆に心配をかけ迷惑をかけた事に、情けなくなり泣いてしまいました。
先輩たちの優しさにも感動して・・・。

私が泣いていた時、BOSSが帰って来ました。
「おう生きてたか良かった良かった・・・だけどお前・・・本当に心配したぞ・・・急に連絡が取れなくなったんだからなぁ・・・事件に巻き込まれたんじゃないかとか、事故でも起こしたんじゃないかとか・・・」
「すいません・・・BOSS・・・皆さん・・・本当にすみませんでした・・・」
「ん・・・で・・・何で泣いてんだお前・・・皆に怒られたか
「・・・いえ・・・自分が・・・情けないのと・・・BOSSが私の事を、自分の子供の様に思って心配してくれていると思うと・・・」
「・・・おい・・・ちょっと待て・・・今・・・何て言った
「・・・自分の子供の様に・・・心配・・・」
「何っ自分の子供だ・・・お前・・・幾つだ
「えっ
「俺とお前は、そんなに年が離れてるのか
「・・・いえ・・・」
「兄弟みたいに、と言うならまだしも・・・何が子供だ・・・お前は全く反省の色が無い

皆、苦笑していました。
「だいたいお前はなぁ・・・」
という具合に30分くらいは怒られてしまいました。

大阪の夜 Part2 その2

2008-05-20 09:04:51 | 調査員Mの日記
 北浜での張り込みもとうとう朝の5時になり、辺りは明るくなってきた。
が交代にやって来た。普段ならこの程度では交代は行わないのだが、BOSSが気を使ってくれたのであろう。
「お疲れ様です
「お疲れさん後はヨロシク
「了解です


私は車を走らせた。
「Mさん・・・俺が運転しましょうか
「いや・・・いいよ・・・お前も疲れているだろう
「俺はMさんと違って若いですから
「・・・・・・・」
<否定出来ない・・・>


私は車を御堂筋に走らせていた。
そして丁度、千日前通りとの交差点で信号待ちになった。
何気無く右隣の車を見ると、前に男性が2人、後部座席に女性が1人乗っていた。
すると突然、助手席の男性が後部座席へと移り、女性とキスを始めたのだ。
<な・・・何なんだ!?今日は・・・全く・・・>
そう思っていつうちに、男性は女性のTシャツを捲り上げて、その胸に顔を埋めたのである。
女性は仰け反っていた。
私が呆気に取られていると、信号が変わり、その車はそのまま走り去って行った。
「Mさん尾行しないと
「・・・・・・」

私は交差点を左折して、御堂筋から離れて行った。
<全く・・・世の中どうなっているんだろうか・・・>

大阪の夜 Part2

2008-05-18 07:55:45 | 調査員Mの日記
 その夜、私は北浜のビジネス街にあるマンションにて張り込んでいた。
「Mさん・・・今日も熱帯夜ですねぇ・・・」
が額の汗を拭き取りながら言った。
「そうだなぁ・・・エアコン入れるか・・・
「入れても大丈夫でしょう・・・」

私は車のエンジンをかけ、エアコンを作動さした。
午前2時過ぎ・・・ビジネス街とあって、人通りは無い。車もほとんど通らない。街灯も無く、真っ暗だ。ただ自動販売機の灯りだけがやけに明るく光っていた。

「こんな時間になったから、マル被は朝まで出て来ないんじゃないですかねぇ・・・」
「多分・・・そんな事だと思うけどな・・・」

そんな話をしていた時に、一台の車が自動販売機の手前で停まった。
丁度、私とが乗っている車の前方10m位にだ。
その車の中には、2人乗車しているのがシルエットで分る。
降りて来る気配が無い。何か話している様子だけが映っている。
「カップルですかねぇ・・・”今日も楽しかったわ~”とか言ってるでしょうねぇ・・・」
が女、性の声を真似しておどけた。
「はっははは・・・きっとそうだろう・・・全く・・・羨ましい・・・」
「えっ何か言いましたか
「何も無い


しばらくするとそのカップルが、自動販売機の灯りの中で抱き合ったりKISSしているのが確認できた。
「俺たちがここに居る事を分ってないんですかねぇ
「そんな事はないだろう・・・こんな近くでエンジンかけているんだから」

その時、突然、助手席にいた女性らしき人物の頭のシルエットが、運転席の方へ倒れて消えた。
「え~っ・・・まさか・・・」 運転席の男性と思われる頭のシルエットが揺れていた。
次に、運転席の人物がシートを倒した。それと同時に、助手席の人物が運転席の人物の上に重なった。私たちの方を向いている格好だ。
「えっえっえっ!?ウソ~ッ
思わずが覗き込んでいる。
女性が動くのが分る。それに合わせて車が揺れる。
「何考えてるんだ・・・あいつら・・・公然わいせつ罪だぞ
<全く・・・とんだバカップルもいるもんだ・・・>

その後、車から女性が降りてきて、自販機でジュースを買い、再び車に乗り込んだ。
そして、何事も無かった様に走り去って行った。

遅い帰宅 その2

2008-05-16 05:27:56 | 調査員Mの日記
 次の日の朝。妻と子供たちが慌しくしていた。毎朝、こうなのではあるが・・・。
「おはよう
「おはよう

皆、笑顔で答えてくれた。いつも寝起きが不機嫌な娘まで・・・。
「お父さん・・・昨日、どこ行ってたの
「ん・・・ちょっと食事会だ」
「ふ~ん・・・いいなぁ・・・私も家族で行きたいなぁ・・・」

ちょっと罪悪感を感じた。
「うん・・・今度な・・・」
私は新聞を読みながら答えた。その時、新聞が逆さまになってないかの確認は怠らない。
「絶対に連れてってよね昨日だって私たち3人で食事に行ったんだから・・・」
「飯・・・食いに行ったのか
「だって昨日は、私の誕生日だったんだよ

私は、頭をハンマーで殴られたようなショックを受けた。
<ま・・・まずい・・・忘れてた・・・下の娘の誕生日・・・それで皆、怒ってるのか・・・笑いながら・・・>

「お父さんは仕事だったんだから仕方無いでしょ
何故か妻のフォローも不気味に聞こえる。
「悪かった・・・今度、絶対に埋め合わせするから・・・」
「絶対よ・・・でも・・・本当に仕事だったのかなぁ・・・怪しい・・・どんな仕事だったんだろう
「な・・・何が怪しいんだ
「別に・・・お母さん・・昨日行った店のお料理・・・とっても美味しかったねまた行きたいなぁ・・・」
「そうか・・・そんなに美味しかったのか・・・どこの店だ
<今度・・・その店へ連れてってやろう・・・>
「ミナミにあるの・・・でもどっかの親父軍団がうるさくってねぇ・・・お母さん

下の子が妻の方に、アゴを突き出しながら言った。
「ほんとよねぇ~・・・折角の美味しいお料理なのにねぇ~・・・あのクソエロジジイたちったら・・・」
「そんな親父軍団がいたのか
「そうよ・・・それも若い女たちと・・・呆れるわ・・・ホントに・・・」
「ふ~ん・・・それで何って店だ
「ミナミのXXXXっていう店・・・知ってる
「・・・・・・・・」


私はその後、会話も出来ずに新聞を読んでいるフリをした。
もちろん、私の前には朝食は出てこなかった。
<気づかなかった・・・探偵なのに・・・女の子たちだけに気がいってた・・・>

全部、妻と子供たちに見られていたとは・・・。誰か助けてくれ~

遅い帰宅

2008-05-14 05:24:13 | 調査員Mの日記
この間、合コン・・・いや・・・食事会に行って帰宅した時である。
私が玄関のドアを開けると、いつもは不機嫌そうな顔をしている妻が微笑んでいた。
普通であれば喜ばしい事ではあるのだが、食事会の後の遅い帰宅である。
私は嫌な予感を感じたのだが、いつもの様に
「ただいま・・・まだ起きてたのか・・・
そう言って着替え始めた。
「おかえり・・・」
遅い返事・・・。
しかし、妻は微笑んでいる。
<これは・・・何か・・・非常にヤバイ!>
そう思いながらも、打つ術は見当たらなかった。

「今日は早いのね
妻の言葉にドキッとする。夜中の2時過ぎなのに・・・早い?。
「そんな事はないだろう・・・今日は現場が早く終わったけど、BOSSと食事してきたんだから・・・」
「そう・・・2人で食事してきたの

どう答えようか迷ったが
「いや・・・6人でだが・・・どうしてだ
妻は私の問いには答えず、ただ微笑んでいる。
「どうして、そんな事を聞くんだ
自分の顔が引きつっている様な気がする。
「別に・・・私・・・先に寝るから・・・おやすみなさい・・・」
「お・・・おやすみ・・・」

物凄く意味ありげな妻の態度に、私はドギマギした。
別に私は浮気してきたわけでも、悪い事をしてきた訳でもない・・・ただ女性たちと食事・・・やっぱダメか・・・。
<バレてるのかな・・・>

W不倫 その23

2008-05-12 07:55:37 | 調査員Sの日記
 沖田裕二(仮名)さんの浮気調査から、3日後。
BOSSと私は、依頼者である沖田めぐみ(仮名)さんを待っていました。
場所は、面談した時と同じミナミにある喫茶店。
「BOSS・・・この前は沖田さん・・・辛そうでしたけど・・・今日は大丈夫ですかねぇ
「どうだろうな・・・旦那の浮気調査の日に、自分が浮気するくらいだからなぁ・・・やり直すつもりは無いんだろうし・・」
「あれはマズイですよねぇ・・・」
「欲望のまんまって感じかなぁ・・・まさか・・・”寂しかった”なんて言えんよなぁ・・・」
「そうですよねぇ・・・」
「今度からは、その浮気が法的にも浮気じゃなくなるかもしれんなぁ・・・」
「はい・・・」


10分程遅れて、めぐみさんがやって来ました。
「こんにちは・・・うまくいったみたいね・・・」
めぐみさんには、前もって結果を伝えていました。
「こちらが報告書で、こちらがビデオテープです・・・テープはこれ一本しか無いので、大切にして下さい」
「そう・・・ありがとう・・・でも今日は何かよそよそしいっていうか・・・冷たいっていうか・・・業務的なのね・・・」
「あのね・・・ご主人の浮気調査の日に、依頼人浮気するなんて良い話じゃないでしょ
「別にいいじゃない・・・旦那もしてたんだし・・・」

めぐみさんは口を尖らせました。
「そういう問題じゃ無いでしょ・・・やり直すつもりは無いんですね・・・」
「・・・・・・」

めぐみさは急に俯いたまま、何もしゃべらなくなってしまいました。

「報告書を確認していただけますか確認していただいたら、こちらの終了書にサインをお願いします」
めぐみさんは何も言わずに、報告書を読み始めました。
そして、報告書を読み終わると、調査終了書にサインしました。
沖田めぐみ(仮名)・・・その文字は震えているように見えます。
「それではこれで調査は終了しました・・・また何かご相談があればいつでも連絡して下さい」
「・・・・・・」
「沖田さん・・・もういいですか・・・失礼しても・・・」

めぐみさんは、力が抜けた様に座ったまま2度頷きました。
「大丈夫ですか
「・・・また電話しても・・・いい・・・
「いいですよ・・・そう言ってるじゃありませんか
「・・・相談じゃなかったらダメ
「その場合は手が空いている時にお願いしたいですけど」

めぐみさんはまた2度頷きました。
「それじゃこれで失礼します」
私たちはめぐみさんを残し、喫茶店をあとにしました。

「すっきりしないですね~」
「ん・・・仕方無い・・・」
「どうなるですかねぇ・・・あの4人は・・・」
「6人だ
「6・・・人・・・ですか
「子供たちも居るだろう・・・」
「そうか・・・揉めないで話し合って欲しいですよね・・・」
「ん・・・んそういえばまだしてもらってないなぁ・・・」
「何をですか
「接待
「誰にですか
「それは・・・君に決まってるじゃないか
「えっ・・・・」


本当にあの大人4人は、きっちりと話し合ってくれるでしょうか・・・。また、その後の結果を聞く機会があれば聞いてみようと思っています。
それより・・・今日はBOSSを接待しなくてはいけません・・・オセロで負ちゃったんで・・・トホホホ・・・・