シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

ストーカー Part2  その17

2007-06-30 08:20:26 | 調査員Sの日記
次の日、昼前に”やつら”全員の身元が判明し、ただちに依頼者に連絡しました。
「ストーカーの名前も住所もわかりました。13時に迎えに行きます。それから警察の方へお供します」
「だけど・・・やっぱり・・・」
「どうされました?」
「・・・・・・」
「怖いのですか?」
「・・・はい・・・」
「大丈夫です私たちを信じて下さい勇気を出して

その後、彼女と電話でのやり取りが続きました。
彼女は酷く脅えていて、なかなか返事をもらう事が出来なかったのです。
その気持ちは十分に理解出来ます。しかしここで勇気を出さないと、とんでもない事が起きる可能性が高いと思われるのです。
事実、彼女は私がここに書いていない被害も受けているのです。
私たちの警護にも多額の費用がかかるのも事実ですし、ストーカーをのさばらさない為にも、逃がさない為にも・・・。

そして数十分経った頃、やっと彼女は私の必死の説得を受けてくれました。
 <よし

ストーカー Part2  その16

2007-06-28 07:41:54 | 調査員Sの日記
 夜になりBOSSから連絡が入りました。 
「そっちはどうだ?何もないか?ミニバンは来たか?」
「はい・・・昼過ぎに来てから後はこれと言って・・・」
「そうか。もうすぐ交代が行くから、それまで頑張ってくれ
「交代するんですか?」
「うん。もうすぐ”やつら”の身元が出揃う・・・明日の朝、依頼者警察に同行する。その時”やつら”を尾行しないといけない。明日彼女に同行するのはお前だその方が彼女も心強いだろう・・・だからお前は休め
「了解しました
<いよいよ明日か・・・>

暫らくして交代の調査員がやって来ました。
「お疲れ様です
「お疲れ様です
「後お願いします
「了解しました

私は現場を離れ帰途に着きました。

ストーカー Part2  その15

2007-06-26 09:29:15 | 調査員Sの日記
 次の日、BOSSから依頼者に連絡し、出来るだけ外出をひかえてもらいました。そして私と調査員Nさんで警護ビデオ撮影につきました。
 その日は昼過ぎになってから昨日の黒いミニバンが現れました。中には何人乗っているのかわかりません。
<やっぱり来たか・・・本当に腹の立つ”やつら”だ・・・仕事もしないで・・・>

 ミニバン
は昨日と同じように止まったままです。もちろんビデオは回っています。
今日は依頼者が外出しないので数時間ミニバンは止まったままです。また脅迫メールでもしているのでしょうか、心配です。
<しかし、こいつらの目的は何だろう・・・?本当にただの嫌がらせだけなのかなぁ?・・・>
 その時また昨日の様に一人の男がミニバンから出てきました。そして依頼者の自宅を下から様子をうかがう様に見て車へと戻って行きました?下からは依頼者の自宅は見る事は出来ません。ただ退屈になったのでしょうか・・・?
<くそ~とっ捕まえてやりたい
私は自分の気持ちを必死に抑えて、男たちの様子をビデオに収めました。
その後ミニバンは数時間その場所に居ましたが、それ以上は何もせずに走り去りました。

ストーカー Part2  その14

2007-06-24 06:28:41 | 調査員Sの日記
 どうにか男が見える位置に到着し、男が入る部屋を目視しました。
そこは301号室。
上の階に上がり確認を取りました。
 玄関にもマンションの郵便受けにも表札はありませんでした。私はマンションの裏へ回り301号室を見上げて明かりがついている事を確認し、301号室の玄関ドアが目視出来る位置に移動しましたがドアの上部分しか見る事が出来ませんでした。
「BOSSこのまま少し張り込みます多分、鍵を開けて入ったと思うので本人の部屋だと思いますが・・・」
「おうそうしてくれ
BOSSに報告を入れ、張り込みを開始しました。

 数時間が経過した頃、BOSSから連絡が入りました。もう一度部屋の明かりを確認して戻って来いと。
私は301号室の明かりが消えている事を確認して戻りました。
「BOSSこれで身元を確認できますね」
「ん~そうだな・・・これで警察も動いてくれたらいいのになぁ・・・」

そんな話をしている間に皆が戻って来ました。
「お疲れ様です
「お疲れ様です

皆それぞれBOSSに報告を済ませました。
「明日は警護と”やつら”の身元の割り出し今日はおつかれさん
「お疲れ様です



ストーカー Part2  その13

2007-06-22 07:54:12 | 調査員Sの日記
 そしてその男を乗せるとミニバンは走り出しました。
私は慌てて自分の車に戻ったのですが見失ってしまったのです。
しかし、他の調査員たちが尾行を開始していたので無線で確認を取りながら追いかけました。
 そして、依頼者の自宅から15分位走った所にあるマンションの前で、ミニバンから降りた”やつら”が何か話しこんでいる時に追いつきました。
 暫らくして”やつら”の中の一人が仲間に手を振り、そのマンションの中へ消えて行きました。私はその男を他の調査員に任せ、ミニバンを追いました。
そして、10分位走ったマンションの前でミニバンが再び止まったのです。
私は素早く車を降り、徒歩での尾行に備えました。
 そこはワンルームマンションのようです。男がエレベーターを使わずに非常階段で上の階へ上がろうとしました。私は一瞬戸惑いました。
 <このまま着いてくとまずい・・・>
そう思い私は下から非常階段が見える場所に行きました。
 <絶対に今日、カタをつけるんだ!>

ストーカー Part2  その12

2007-06-20 10:12:24 | 調査員Sの日記
  黒いミニバンを張り込んで数時間が経ちました。ミニバンは一向に動きません。時々、窓を開けてタバコをふかしたり、トイレに行くのかコンビニへと行くのか数回にわたり一人ずつ車を降りてすぐに戻ってきました。
<くそ~!このまま行って、とっ捕まえてやりたいなぁ・・・>
そう思っている間に陽が暮れていました。

 そして数時間が経った頃、ミニバンから一人の男が降りて彼女のマンションへと歩いて行きました。
「S行け
無線からBOSSの声が聞こえてきました。
 私はミニバンに残っている連中に覚られない様に気をくばり、ビデオカメラを隠した鞄を手に男を追いました。
その男は彼女の部屋の前でドア越しに中を確認しようとしたのか、辺りをきにしながら郵便受けを開けていました。しかし直ぐに廊下を戻り、私と二度目のすれ違いをしミニバンへと戻って行きました。

ストーカー Part2  その11

2007-06-18 07:06:40 | 調査員Sの日記
 依頼者にBOSSが連絡を入れ、私が依頼者の自宅へと向かいました。
チャイムを押し
「あの~すいません
中から彼女がドアを開けて、私を招き入れました。
ドアが閉まった事を確認して彼女にBOSSから預ったビデオを見せました。
「この中に居ますか?」
彼女はビデオのモニターに顔を寄せて食い入る様に見ていました。
「あっこの人
ビデオを見ていた彼女が叫びました。
「こいつですかわかりました
ビデオの映像の中にその男はいたのです。
私はすぐさまBOSSの車に戻り報告しました。
「やはり居たか・・・あの車を徹底的にマークしろ
「了解

私はBOSSの車を降り、自分の車へと戻りました。
 <やっぱりあいつらか!!!>
他の調査員たちにも連絡は行き届いてるでしょう。ただ、もしやつらが車を降りてバラバラに行動し始めた時の事を頭に入れて、瞬時に判断しなくてはなりません。
BOSSからの詳細のメールが各調査員に送られました。

ストーカー Part2  その10

2007-06-16 08:04:05 | 調査員Sの日記
 私はBOSSに連絡を入れ、今から依頼者が自宅へ戻るところだと報告しました。
「それで彼女はビデオの男は知らないと言ってるんだよな?」
「はい・・・そうですけど・・・何か?」
「その男がまだ居るんだよ・・・彼女の自宅近くに・・・」
「えっそうなんですか
「うん・・・彼女が自宅に入るまで気を抜くなよ
「了解しました
<どういう事だ?別のストーカーが居るという事なのか?>

私は考えながら彼女の後を警護しました。

 駅を出て彼女はそのまま自宅へと戻るようです。その時私の目にも黒いミニバンが目視でき、緊張が高まりました。彼女がミニバンの横を通り過ぎる時に車の中の様子をうかがいましたが、スモークフィルムが貼られている為外からはよく見る事が出来ません。
 しかし、その時は何事も無く依頼者は自宅の中へと姿を消しました。
私はBOSSの車に素早く乗り込みました。
「お疲れ様ですボス・・・どういう事でしょう?」
「あの車よーく見てみろ・・・もう二人乗ってるから・・・」
「あの男は居るんですか?」
「まだ確認は出来てない・・・お前が依頼者と一緒だっただろ映像は撮ってある・・・お前、何かのセールスマンになって彼女に確認して貰って来い」 
「了解わかりました



ストーカー Part2  その9

2007-06-14 07:58:00 | 調査員Sの日記
 その後依頼者繁華街に入り、打ち合わせ通りに幾つもの角を曲がり、待ち合わせの喫茶店に入りました。
電車を降りてからは尾行者はいないようでした。
私は依頼者の向かい側の椅子に座り、ウェイトレスが注文を聞き去るのを待って依頼者に話かけました。
「この男ですか?」
さっき撮ったばかりの映像を見せながら尋ねました。
「いいえ・・・違います・・・この人が・・・何か?・・・」
<えっ違うのか・・・怪しい男だったのに・・・>
「全く知らない男ですか?よく見て下さい。どこかで見覚えがないですか?」
「・・・わかりません・・・知らない・・・」

女性は首を横に振りながら答えました。
「そうですか・・・・でも脅迫メールはあなたが言っていた男からですよね?」
「はい・・・多分・・・そうだと思います・・・」
「他に変なメールだとかは無かったですか?」

女性はまた、首を横に振りました。
「わかりました・・・今からはどうされますか?ちゃんと警護しますから、行きたい所へ行ってもらってかまいませんよ。大丈夫心配しないで
「ありがとうございます・・・」

依頼者はその後、ショッピングをして家路につきました。その間は不審者も見当たりませんでした。


ストーカー Part2  その8

2007-06-12 08:06:14 | 調査員Sの日記
「今から依頼者が外出警護
「了解

自宅マンションの玄関ホールから依頼者が出てきました。
私は車を降り依頼者尾行するように警護に入りました。
依頼者が怪しいミニバンの横を通り過ぎたその時です。
ミニバンから一人の男が出てきて、依頼者尾行し始めました。明らかに尾行です。
「映像は大丈夫か?ミニバンに誰か残ってるか?アイツ車の鍵掛けなかっただろう?」
「絵はOKです車には後、男が一人

私はそのまま依頼者尾行者尾行し駅まで来ました。
依頼者が駅へと入ると、尾行者は振り向いて引き返してきました。
私の方を向いて歩いて来るのです。そしてすれ違いました。
<こいつなのか?ストーカーは?>
私はそのまま依頼者尾行し駅へと入って行きました。