シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

困った依頼人

2007-04-30 08:22:09 | 調査員Sの日記
探偵を長くやっていると、いろんな人達が相談にいらっしゃいます。その中には困った依頼者が居られるのも事実です。今日は、その困った依頼者の事を一部紹介します。

 その依頼者の方はメール相談からの始まりでした・・・。しかし、送られてきたメールの内容がよく理解できなかったので、電話かもしくは直接お会いしてお話を聞きたいと返信したところ、X月X日16:00に梅田の百貨店の前で待ち合わせをする事になったのです。
  「是非、事務所にて・・・」
と伝えたところ、仕事場の近くが良いという事でした。
 「ボスX月X日に面談が入ったのですが同行してもらえませんか?」
 「ん?いいけど・・・どうした?S君らしくないなぁ・・・」
 「何だか複雑そうなんですよ・・・どうも刑事事件らしいんですけど・・・」
 「詐欺か?」
 「違います・・・横領・窃盗事件のようなんです・・・」
 「わかったX月X日だな?空けとくよ
 「お願いします


そしてその日がやってきました。ボスと待ち合わせ場所へと向かったのです。
予定通り10分程前に着き待っていると、見るからに挙動不審な男性がやって来ました。
 「ボス・・・多分・・・あの男性だと思います・・・」
 「そうかもな・・・」
 「時間なので電話掛けてみます」

私が電話をかけると、思った通りその挙動不審な男性が慌てて電話をポケットから取り出していました。私はその様子をみながら男性の方へと足を進めました。
 「福山さん(仮名)さんですか?」
私はその挙動不審な男性に声をかけました。
 「あっ・・・はい・・・そうです・・・」
 「シークレットリサーチのSです」
 「ど・・・どうもです・・・」
 「どうしましょうか?何処か喫茶店でも入りますか?」
 「そっ・・・そうですね・・・」

その男性は私と話している間も、周りを気にしてキョロキョロと見回していました。
まるで誰かに追われているように・・・。

見落とし その5

2007-04-28 07:45:41 | 調査員Kの日記

その日の朝、俺は気を引き締めて調査に挑んだ。
マル秘はいつもの様に子供たちを送り出した後、一時間程して玄関から出てきた。
そして同じ様に電車に乗り、デパートへ入って行った。
 マル秘が2Fの婦人服売り場に来た時、俺は女性調査員Uに目で合図を送った。女性調査員Uは軽く頷き、マル秘の後を追って女子トイレに入って行った。
俺はまた踊り場にある長いすに腰掛けて、2人が出てくるのを待った。

 15分が経った頃、女性調査員Uが女子トイレから出て来た。マル秘の姿は見えなかったのに・・・。
俺はUに近寄り声をかけようとした時、Uが俺に目で合図してきた。
<えっ?なんなんだ・・・?>
そのまま女性調査員Uは、口を開かずに歩いて行った。俺は慌てて後を追う。
<あっ
俺はその瞬間、心臓が止まりそうになった。
女性調査員U尾行を続けていたのだ。その先を歩いている女性は、まぎれもない俺が調査していたマル秘だったのだ。

 そういう事だったのか・・・。俺は恥かしくなり、自分自身が情けなくなった。
マル秘はいつもデパートのトイレで、着替えをしていたのである。
ブーツに気づかなかったとは・・・。
 
その日、調査は終了した。マル秘浮気は明らかになった。

その夜。俺はボスに怒られ、笑われ、慰められて酔いつぶれた事は云うまでもない。


見落とし その4

2007-04-26 10:15:02 | 調査員Kの日記
それから一時間程して、女性調査員Uが現れた。
 「悪いな・・・」
 「あのトイレですね?ちょっと見てきます

そう言って女性調査員Uがトイレに入って行った。

 しばらくして、女性調査員Uがトイレから戻って来た。
 「どうだった?」
 「他に出入り口も見当たりませんし、窓もないですよ・・・」
 「そうか・・・それじゃやっぱり見逃したんだな・・・」


その事をボスに報告し、マル秘の自宅へ向かった。
そしてやはり夕刻に、マル秘は帰宅した。

 その日の夜、事務所でミーティングを行った。
 「しかしおかしいなぁ・・・出入り口からは目を離さなかったのに・・・」
 「ん~・・・しかし・・・なぁ・・・」
 「すいません・・・」
 「まぁ済んだ事は仕方ない打ち合わせ通り明日はUちゃんと行ってくれ
 「了解しました

 次の朝。俺は女性調査員Uマル秘の自宅を張り込んだ・・・。が、その日マル秘は外出しなかった。
依頼者からの情報通りではある。マル秘が行動するのは明日であろう。

見落とし その3

2007-04-22 07:28:33 | 調査員Kの日記
その次の日。
マル秘はいつもの様に子供たちを送り出した後、自宅へと姿を消し、一時間程してから玄関先に姿を現した。
そして前々日と同じ服装で駅へ向かい、乗車した。
その後5つ目の駅で降車し改札口を出て、またデパートへと足を進めた。
マル秘デパートの手前にある喫茶店に入店した。ガラス張りの店で外から店内がよく見える。
俺はマル秘に覚られないように店外にて張り込み、その様子をうかがう事にした。

 しばらくして、マル秘の携帯電話が鳴った様子だった。笑顔で電話の相手と話している。
マル秘は電話を切り、勘定を済ませ店外へと出てきた。そしてデパートへと向かったのである。
マル秘デパートに入ると、やはり2Fの婦人服売り場のトイレに姿を消したのである。
俺はまた踊り場の長いすに腰掛けて、マル秘が出てくるのを待った。

 30分・・・。
おかしい?しかし、まだこの場を離れるわけにはいかない。

 1時間・・・。
まだ中に居るのか?また見逃した?そんなはずはない・・・。

 2時間・・・。
ボスに連絡を入れる。
 「また同じ場所で見逃したみたいです・・・すみません・・・」
 「なんで?どうして?・・・」
 「また同じデパートのトイレなんですが・・・。ここの女子トイレ確認してもらえないですか?」
 「それじゃあ、そこで待機していてくれUちゃんを行かせるから」
 「お願いします・・・」


見落とし その2

2007-04-20 06:50:33 | 調査員Kの日記

 マル秘は5つ目の駅で降車し、駅を出た後デパートへ入って行った。
2Fの婦人服売り場に行き、その階のトイレに姿を消した。
デパート内はまだ人がまばらで、婦人服売り場では男の姿は目立った。
俺は張り込む位置を、階段の踊り場にある長いすに陣取った。
そこはトイレの出入り口も目視できる。
俺はその長いすに腰掛けて、マル秘が出てくるのを待った。
外は寒いせいか、利用客は多い。

 15分が経った・・・。
まだ出てこない・・・。中は混んでいるのか?化粧でも直しているのか?
 30分が経った・・・。
おかしい・・・見逃したそんなはずはない・・・。

 結局一時間半が過ぎた。
俺はボスに連絡を入れ、女子トイレの隣にある男子トイレに飛び込んだ。
が、やはりない・・・。デパートのトイレに出入り口が二つある事は、まずなかった・・・。
 「ボス・・・すみません・・・見逃したみたいです・・・」
 「仕方ない。近くを探して居なかったら、マル秘の自宅へ戻れ
 「了解しました


 その後、辺りを探してみたがマル秘の姿を見つける事は出来なかった。
そして夕刻になり、マル秘が帰宅してきたのだった。


見落とし

2007-04-18 07:25:57 | 調査員Kの日記
俺がまだ調査員になって間もない頃だった。
俺はその日、朝からマル秘の自宅玄関が目視出来る位置にて張り込みを開始した。

AM7:56  張り込み開始。依頼者であるこの家の主人は、もうとっくに出勤した後である。 

AM8:16  玄関より小学生の女の子、男の子がマル秘と共に玄関先へ出てきた。マル秘は子供たちに「行ってらっしゃい」と送り出した後、自宅へと姿を消した。微笑ましい光景である。

AM9:38  マル秘が玄関より出てきた。尾行を開始する。

 マル秘は徒歩にて駅へ向かい、電車に乗車する。
白いコートに、柄物のトレーナー。デニムのパンツに黒のブーツ。手には大きな紙袋を提げている。
どちらかと言えば、歳のわりに若い格好だ。

 マル秘は42歳の主婦。女の子と男の子、二人の子供の親である。依頼者はご主人45歳の会社員。
依頼者であるご主人が相談にやってきたのは、3日前だった。
「最近、妻の様子がどこかおかしい。素行調査してほしい」
との依頼だった。

浮気調査 Part2 その7

2007-04-16 09:30:35 | 調査員Kの日記
次の日ボスが依頼者との打ち合わせを終えて会社に戻ってきた。
 「え~とK・・・明日から3点張りでいくから・・・みんなのスケジュールを合わしておいてくれ」
 「はい・・・マル秘はどうしますか?」
 「張り付かなくても大丈夫だろう・・・どうせあの3軒の中の誰かのマンションに行くから・・・」
 「了解
 
そうなのである。後2軒のマンションもそれぞれ違う女性が住んでいるのである。ようするに、浮気相手は一人じゃないかもしれないのであった。
 
 結局、調査には2週間が費やされた。それぞれのマンションに住む女性の素性、マル秘との関係、浮気の証拠。もちろん映像も。
 そして調査が終了した夜、俺達はいつもの店にいた。
 
 「おいっ3人だぞ3人
 「よくもまぁ・・・3人ともとは思わなかったですよねぇ・・・」
 「どうやったらそんなにもてるんだ?」
 「そんなにもてる様には見えないですけどねぇ・・・」
 「しかし、奥さんも子供もいるのにやりたい放題だなぁ・・・」
 「お金もよく続いてましたよねぇ・・・」
 「体力もな


その日俺達に話は尽きる事がなかった。結局、朝まで飲んでいた事は云うまでもない。

浮気調査 Part2 その6

2007-04-14 06:06:06 | 調査員Kの日記
 そして3日目の朝。俺は調査員Sさんとマル秘が自宅から出てくるのを待っていた。
 「Sさん・・・今日はマル秘は浮気相手のマンションに行きますかねぇ?」
 「どうだろうなぁ・・・」

マル秘が自宅から出てきて尾行を開始した。
そして尾行を始めてから13時間後にやっと、浮気相手だと思われる女性のマンションに入って行った。
もちろん浮気相手の自宅の玄関に入るところも確認済みだ。
 俺達はしばらくして調査を解除し、事務所に戻った。

 「ボス・・・後の2軒のマンションは何だったんですか?」
 「おう・・・もうそろそろTも戻ってくるだろう・・・それで答えも出るだろう・・・」
 「???」
 
しばらくして、調査員Tが戻ってきてボスとなにやらか話しをした。
 「みんな今日はごくろうさん今日はこれで解散
 「えっこの件は明日の現場はいいんですか?」
 「明日はいい・・・依頼者と打ち合わせするから・・・今日までの報告書をまとめといてくれ

その後、結局みんなでいつもの店に行き、調査員Tから後のマンションの2軒は誰の部屋だったのかを聞いた。

浮気調査 Part2 その5

2007-04-12 09:33:59 | 調査員Kの日記
 俺達は浮気相手マンションの入口を目視できる場所で、休む事にした。マンションの出入り口は1つだ。
もう、調査を開始してから23時間が経過している。
 「Kさん先に寝てください・・・」
 「いいのか?」
 「はい・・・」
 「じゃぁ少し休むか・・・お前・・・寝るなよ・・・二人とも寝てしまったら大変だからな・・・」
 「大丈夫ですよ

 その日、夕刻までに浮気相手の女性が、近くのスーパーに買い物に出かけ、自宅マンションに戻ってからは外出しなかった。そして俺のケイタイが鳴った。
 「はい・・・お疲れ様です・・・えーっ?・・・どうしてですかねぇ?家にいるのがいやなだけじゃぁないんですかねえ?・・・了解しました
 「どうしたんですか?」
 「マル秘がまた違うマンションに入ったそうだ・・・」
 「何なんですかねぇ?」
 「まぁいい・・・今日はもう解除だ・・・」


浮気調査 Part2 その4

2007-04-10 10:33:24 | 調査員Kの日記
  「徹夜になってしまったなぁ・・・」
 「はい・・・そうですねぇ・・・ボスはどうして解除しなかったんでしょう?・・・」
 「さぁな・・・よくある事だ・・・」
 「ひょっとして・・・私達の事を忘れているんじゃ・・・」
 「おっ出てて来たぞ
俺達はそのまま尾行し、マル秘の自宅へと戻った。その時俺のケイタイが鳴った。
 「お疲れ様です・・・はい・・・わかりました・・・」
 「ボスからですか?」
 「そう・・・交代するって」


 それから30分もしないうちに、Sさんが運転する車が俺達の後ろに着いた。その中からボスが熱そうに缶コーヒーを持って出、俺達の車に乗り込んだ。
 「お疲れーK・・・昨日のマル秘が入ったマンション・・・部屋は確認できたか?」
 「はい603号室です」
 「そうか・・・」
 「友人の家ですかねぇ?表札はあがっていなかったし・・・」
 「ん~そっちのマンションは後回しだ!お前達は依頼者が言っていた浮気相手と思われるのマンションで張り込んでくれ 交代で寝ておけよ
 「了解