そして非常階段のドアを開け首だけ突っ込んで中を見ましたが、みんなの姿がないのです。
「ボ~ス開きましたよ~」
返事はありません。
もしやと思い、私はボスの部屋のチャイムを押すとどうでしょう、ドアが開きカーンさんが一言
「ゴクロウサマ」
<えっ?何で・・・どうして・・・俺は昨日に引き続き汗ビッショリなのに・・・どうして俺より早く非常階段から出られたんだ?・・・>
部屋の中へ入るとボス達は酒を飲みながらくつろいでいました。
「どうしたんだ?そんなに汗だくになって・・・」
話を聞いてみると、私が下りるのと一緒に下の階へ下りたらしいのですが、そこのドアが開いていたそうなのです。そして非常階段とは逆の方向、中央にオープンの階段があったらしいのです。
「それだったら呼んでくれたらよかったのに・・・」
「呼んだんだが聞こえなかったらしいなぁ・・・」
<もう・・・ウソばっかり・・・>
「嘘じゃない本当に呼んだんだって・・・少し声が小さかったかもしれんが・・・」
「もう~本当にお願いしますよBOSS]
その夜も私は部屋で 「人間不信」 に陥った事は云うまでもありません。