シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

お願いしますよBOSS Part2 その11

2006-07-30 07:54:33 | 調査員Tの日記
 どれ位時間が経ったでしょうか。やっとの思いでロビーまでたどり着きエレベーターで37階へ上がりました。
そして非常階段のドアを開け首だけ突っ込んで中を見ましたが、みんなの姿がないのです。
 「ボ~ス開きましたよ~
返事はありません。
もしやと思い、私はボスの部屋のチャイムを押すとどうでしょう、ドアが開きカーンさんが一言
「ゴクロウサマ」
 <えっ?何で・・・どうして・・・俺は昨日に引き続き汗ビッショリなのに・・・どうして俺より早く非常階段から出られたんだ?・・・>
部屋の中へ入るとボス達はを飲みながらくつろいでいました。
 「どうしたんだ?そんなに汗だくになって・・・」
話を聞いてみると、私が下りるのと一緒に下の階へ下りたらしいのですが、そこのドアが開いていたそうなのです。そして非常階段とは逆の方向、中央にオープンの階段があったらしいのです。
 「それだったら呼んでくれたらよかったのに・・・」
 「呼んだんだが聞こえなかったらしいなぁ・・・」
 <もう・・・ウソばっかり・・・>
 「嘘じゃない本当に呼んだんだって・・・少し声が小さかったかもしれんが・・・」
 「もう~本当にお願いしますよBOSS

 その夜も私は部屋で 「人間不信」 に陥った事は云うまでもありません。

お願いしますよBOSS Part2 その10

2006-07-28 06:27:11 | 調査員Tの日記

 ホテルに帰るとエレベーターホールが混んでいました。
エレベーターは2基しかなく、奇数の階、偶数の階と別々にとまるようになっているのです。ですから、なかなか下りて来ないのです。しばらく待っていると、偶数の階に止まるエレベーターが下りて来ました。
 「ボスこれで38階まで行って階段で下りましょう
 「ん~・・・大丈夫か?」
 「何がですか?大丈夫に決まってますよ

私達はそのエレベーターに乗り、38階まで行きました。
 「ボスこっちですよ非常階段は
私は得意気にボス達を手招きし非常階段に入りました。一番後にボスが入った時、非常階段のドアがボスの後ろで「ガチャッ」と音を立てて閉まりました。
 「おい今鍵がかかったんじゃないのか
そう言いながら、ボスがドアを開けようとノブを回しましたが、開かないのです。
 <え~っ!でも下の階は大丈夫だろう・・・>
 「大丈夫ですよ~ボス・・・下へ下りましょう
ボスの顔が見る見るうちに不機嫌そうな顔になりましたが、下へ下りてくれました。
 「この中は特に暑いですねぇ・・・さぁボス着きましたよ~・・・あれっ・・・」 
ドアが開かないのです。
 「お前が要らない事を言ったからだ
 「すいません・・・」
 「お前は下まで下りてここを開けろ
 「は~ぃ・・・」

とは言ったものの、ここは37階。それにこの暑さ・・・
 <要らない事を言った為に・・・トホホホ・・・>


お願いしますよBOSS Part2 その9

2006-07-26 07:54:58 | 調査員Tの日記
 店を出た私達はそのまま大通りを歩き、露店が沢山出ている通りに入って行きました。
 <何なんだ~ここは扉がオープンになっている店の中を見ると裸の女性が踊っているし・・・露店には平気でプラダの鞄や財布を売っているし・・・すごい・・・>

私達が露店を見物しながら歩いていると、一人の男が声をかけてきました。
 「シャッチョサン・コレイイヨー・ヤスイヨー 
その男はビトゥンの鞄を手にしていました。
 「その鞄は幾らだ?」
男はボスの言葉を聞かずに、手にしている鞄の中と表を引っくり返しました。するとその鞄はリバーシブルになっていて、セリーヌに変わっていました私達が呆気にとられていると、その男はこう言ったのです。
 「ドッチモ・ホンモノ ドッチモ・ホンモノ」  
 <おいおい・・・どっちも本物かよ・・・そんなわけないだろ・・・
私達は大爆笑でした。
私達は露店を見物しながら通りを抜け、歩いてホテルまで帰ることにしました。
 <えーっ!このクソ暑いのに・・・まぁいいか・・・すぐ近くだし・・・

お願いしますよBOSS Part2 その8

2006-07-22 08:18:04 | 調査員Tの日記
それから私達は夕食をとりに街へと出かけました。タクシーに乗り込み運転手に 
 「何処かおいしい中国料理店へ連れて行ってくれ」 
ボスが言うと
 「オカシイ・ミセネ」 
 「違うおいしい店だ
 「ワカリマス・オカシイミセネ」
 
このタクシーの運転手は少しは日本語がわかるようです。
 「だからおいしい店だって
 「パッポンノ・チカクデモイイカ?」
 「どこでもいい
ボスが答えました。
 「パッポンってなんですか?」
 「お前の好きそうな繁華街だ
 「オー・パッポン・イイネェ・キモチイイハ・イッシュン・クルシイハ・イッショウネ
 「この運転手は何を言っているんですか?」
 「さぁ~な・・・お前の目で確かめろ」 
ボスがニヤつきながら言いました。
私達はホテルから数分走った所で降ろされました。
 <なんだ歩いてこれるじゃないか!・・・>
私達はタクシーが止まったまん前の店に入って行きました。店に入るとそこは食堂を少し豪華にした様な造りでしたが、二階の個室に案内されるとそこは豪華そのものでした。
 <これは高くつくんだろうな・・・ボッタくられなきゃいいけど・・・>
ボスは私の心配をよそに、カーンさん達と共にいろいろと注文していきました。
 「T君・・・何飲む?」
 「ボス・・・大丈夫ですか?ここ高くないんですか?」
 「いいから・・・いいから・・・」
 
やけに太っ腹です。
私は食事をしている間カーンさんとニオッにタイ王国の事を色々と教えてもらいもした。私は少し酔っ払い、気が大きくなった頃ボスが 「出ようか」 と言ってボーイを呼び勘定を支払いました。その時ボスが支払った金額は「1000バーツ」。おつりが「200バーツ」。と言う事は全部で「800バーツ」。店を出てボスに
 「ご馳走様でした!ボス800バーツって日本円で幾らですか?」
 「ん~ 2400円くらい」
 <えっ!大人4人であれだけ食べてあれだけ飲んで・・2400円・・・安い!>

お願いしますよBOSS Part2 その7

2006-07-20 06:39:25 | 調査員Tの日記
私達がホテルへ戻ると、すぐにカーンさんが戻って来ました。
 「どうだった?」
 「ダイジョウブ・ゼンブ・シラベタヨ」

私はカーンさんが調べて来た名前年齢出身地をメモ帳に写し、レポート用紙にも写しました。レポート用紙に写したのは後で日本にFAXする為です。念には念を入れておかないと後悔する事がおきるかもしれません。
これはボスの指示ですが・・・。

お願いしますよBOSS Part2 その6

2006-07-18 06:54:07 | 調査員Tの日記
 私達は食事を済ませ、また地獄のような暑さの中へと出て行きました。私達は二手にわかれ聞き込みを行いました。ボスとカーンさん。私とニオッ。数件の聞き込みをし、約束の時間に約束の場所でボス達と合流しました。
 「どうだった?」
 「やはりみんな知らないみたいですね・・・会社をやっていた事も人が出入りしていた事も・・・」
 「ん~ 俺達はビルのオーナーの所へ行ってきたが、リース料は払っているらしい。それと住んでいると思われる住所地も聞き出した」
 「またあれですか?・・・チップ・・・」
 「そのほうが手っ取り早い。これからその住所地へ行ってみよう」
 「えっ それも依頼されているんですか?」
 「成功報酬だがな!折角ここまで来たんだからそれくらい調査しないとな・・・また後で行ってくれて言われたら大変だからな」
 「そうですよね」
 
私達はボスが聞き込んだ住所へ向かいました。そこは住宅街になっていて、周りには高い塀が連なり、入り口は1つ。その入り口には検問所があり不審者は通さないという構えになっていました。
その検問所でボスが
「知人の家に行くんだ」 
と言うと、通訳のニオッがそれをタイ語で相手に伝えたところすんなり通過する事ができました。 
 <あまいセキュリティだなぁ・・・装備はすごいのだけど・・・>
そのまま奥へと進むと、道路には20m間隔位でが作ってありました。
 「ボス あれはなんですか?」
 「あれか・・・ここは住宅街だから車やバイクがスピードを出せない様にしてあるんだ」
 「ああ・・・なるほど・・・」

私達は奥へと進みマル秘の住所地を見つけました。私達はその家の前の公園のベンチに腰掛けて様子を伺い、調査を開始しました。
 やはりマル秘は女性と同棲していました。その映像も撮り、後はカーンさんを残して引き上げる事になりました。
 「ボス・・・カーンさんはどうするのですか?」
 「ん~?どうするって相手の事を調べないとダメだろう。この場所では俺達コン・ジップンは目立ちすぎる」
 「コン・ジップン?」
 「日本人
 「そうですよね・・・
 
 <なるほど・・・コン・ジップン=日本人>

お願いしますよ BOSS Part2 その5

2006-07-16 05:57:21 | 調査員Tの日記
 それから一時間が過ぎ、ボス達が戻って来ました。
 「まだか?」
 「はい・・・通訳のニオッにも訊いたんですが・・・訳がわからなくて・・・」
その時ボスが友人のカーンさんに100バーツを渡すのが見えました。カーンさんが受付に行き何か強い口調でその相手に言い、100バーツを渡しました。するとその受付の人が奥へと消え、すぐに戻って来ました。その時すでに受付の人の手には書類が持たれていました。
 <いったい何なんだ~
 「勉強になったか?」
 「はい・・・」
 「それじゃぁ もう一度あの会社に戻って、近辺の聞き込みをしよう。それに腹も減ったしな・・・」


 私達一行はだれもいない「XX電設」の近くで食事をする事になりました。そこでは「タイスキ」を食べました。
そこのレストランは、だだっ広いのですが時間の関係もあるのでしょう私達だけでした。
 「これは日本ではシャブシャブですよね・・・スキヤキではない・・・」
 「お前・・・嫌なのか?」
 「いえそうじゃなくて・・・ただスキヤキをイメージしていたもので・・・」

 <このクソ暑いのにみんなよく食べれるなぁ・・・まぁこの店の中はクーラーが効いていて涼しいけど・・・>

お願いしますよBOSS Part2 その4

2006-07-14 06:34:15 | 調査員Tの日記

 今回の調査バンコクで本当に会社をやっているかどうか、という調査です。
依頼者は妻。マル秘は夫。バンコクで電気工事会社を起こすと言って、家から出たお金が1億数千万年円。いつまで経っても利益が上がらずお金を持ち出す夫に、業をにやした妻からの依頼でした。
 次に私達が向かった場所は、日本でいう「法務局」でした。
 「どうして仕事をしていないんでしょうか?」
ボスに尋ねました。
 「最初からしていないんだろう・・・」
 「えっ どうしてですか?」
 
 「俺のカンではマル秘には愛人が居てその人物といっしょだろう。会社を一応起こしておいて、その書類を依頼者に見せて金を出させていた。会社は起こしたがそのまま放ってあるんだろう・・・」
 「でも依頼者は電話はつながると・・・」
 「携帯電話だよ・・・最初から。その事は依頼者に説明してある」
 「携帯電話・・・ですか?」
 「うん・・・マル秘が依頼者に伝えてある番号は最初からタイの携帯お電話の番号だ
 「そ・・・そうなんですか

そうこうしている間に‘法務局‘に着きました。通訳のニオッが受付の様な所へ行き何か話しをして戻って着ました。
 「スグニ・ショルイヲ・ダシマスデス」
おかしな日本語で通訳のニオッが言いました。
それから数十分経ちましたが書類は出てこないのです。ボスはカーンさんとカフェに行ったまま。
私はニオッに 「まだですかねぇ」 と尋ねました。
 「ダイジョウブデス」 
何が大丈夫なのか意味が解かりません。


お願いしますよBOSS Part2 その3

2006-07-12 06:12:59 | 調査員Tの日記
 やっと時間になりボスの部屋のチャイムを鳴らしました。鳴らすと同時にボスとボスの友人達が部屋から出て来ました。
私達はホテルを出てタクシーに乗り込み、あるビルまでやって来ました。私はボスに続きビルの中へと入って行きました。305号室。そこが調査の対象の会社です。
 ボスが部屋のドアをノックしましが、返事はありません。そしてボスがドアのノブを回すとドアには鍵がかかっておらず、ドアが開いたのです。私達は中へと入り部屋の様子を見回しました。そこには机が2つ。壁には「XX電設」と漢字で書かれたヘルメットが3つ。それと机の上に電話機が1つありました。
 ボスがその電話機の受話器を上げ自分の耳にあてた後で、私にそれを渡しました。その受話器からは何も音は聞こえてきませんでした。
 「よし次へ行こう
ボスがそう言って部屋を後にしました。

お願いしますよBOSS Part2 その2

2006-07-10 06:30:51 | 調査員Tの日記
 「おはようございます
 「サワディ・カッ」
 「サワディ・カップ」
とボスの友人達。
 「おはよう!昨日はよく眠れたか?」
 「はい・・・爆睡でしたそれより私を置いて行かないでくださいよ~・・・本当に焦りましたよ・・・」
 「何が?どうして?」
 「だって言葉も通じないですし・・・地理だって全然・・・」
 「お前・・・探偵だろそれくらい何とかしろよ
 「そんな無茶苦茶な・・・」
ボスはコップの水を飲み干し、タバコに火を点けながら私に言いました。
 「それはそうとお前・・・今日の姿はキマッているねぇ~
 「それは嫌味ですか
 「まぁいい・・・早く飯を食え
 「は~い・・・って・・・どうやって注文するんですか?」
 「ワタシガ、チュウモン・シテアゲマショウ
なんと優しいボスの友人のカーンさん。
 「ありがとうございます」

私はボス達に遅れまいと急いで朝食をたいらげました。レストランを出てボスの後に続きました。ボスは自分の部屋に友人達と入り、ドアが閉まりました。私がドアのノブを回してもドアは開きません。オートロック。
 「えっ~・・・」
 「ボス~開けてくださいよ~」
 「10時になったら来いよ・・・

 <ちくしょ~俺もいっしょにいたいのに・・・なにせ退屈なんだから・・・>
仕方なく私は自分の部屋に入り、テレビの電源を入れました。そこから映し出されるものはタイ語ばかりで何も解かりません。しかし、チャンネルを何度か変えているうちに日本の有名俳優(芸名で裁判をおこしていた)が出ているではありませか
・・・でも北京語でした・・・。
 ホテルの部屋はスウィートルームなので広くていいのですが、さすがに一人だと・・・。しかし何とかテレビを見ながら時間が過ぎるのを待ちました。