シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

W不倫 その17

2008-04-30 05:29:15 | 調査員Sの日記
依頼者である沖田めぐみ(仮名)さんは、時折涙を浮かべながら話していました。
きっと寂しいのでしょう。誰かに話を聞いて欲しい、そんな思いでいっぱいだったのでしょう。

「・・・私・・・どうなるのかな・・・」
「・・・・・・」

私は直ぐには答えられませんでした。

「どうなるかは、あなた次第だと思いますよ・・・あなたがどうしたいか・・・ただあなた一人じゃないので、思うようにはいき難いとは思いますが・・・それに向って進んでいけばいいんじゃないですかもちろん周りの人の事も考えなくてはいけませんが・・・」
「ねぇ・・・探偵っておもしろい
「おもしろい・・・とは
「色んな事があるんでしょ・・・何か楽しそうだなって思って・・・」
「それはよく聞かれるんですけどね・・・仕事ですからね・・・体はキツイし・・・あなたたちみたいに、複雑な気持ちにさせられる事の方が多いですよ・・・」
「何それ嫌味
「えっそう聞こえましたか

依頼者は笑っていました。

「それじゃぁこの辺で失礼します」
「はい・・・あいがとう・・・よろしくお願いします」

私たちは依頼者と別れました。

私は帰りに運転しながらも、複雑な気持ちでいっぱいでした。
確かに彼女は今まで浮気をしていたとはいえ、幸せだったのでしょう。
その幸せのバランスが崩れていく。
しかし、いつかこうなる事が分らなかったのでしょうか。
<だったらなぜ?秘密を持つ事のスリル?ただの快楽だけ?>
私には知る事も出来ません。
「どうした
「ええ・・・何だか嫌な気分です・・・」
「どうして
依頼者の事です・・・強がってはいても不安で仕方無いという感じでしたから・・・」
「そうだなぁ・・・でも自分たちで蒔いた種だからなぁ・・・」
「人間って馬鹿ですね・・・」
「そうだな・・・俺は馬鹿じゃないけどな・・・お前は馬鹿だ・・・ん・・・馬鹿だ・・・」
「・・・・・・」

W不倫 その16

2008-04-28 08:15:27 | 調査員Sの日記
 次の日、沖田めぐみ(仮名)さんに連絡し、調査の契約の為にもう一度会う事になりました。
場所は、この前の面談の時と同じ場所で同じ時間に・・・。

「ありがとう・・・引き受けてくれて・・・」
「どうしてウチに依頼されたんですか
「あなたのところの報告書を見せられたのよ腹が立ったけど・・・ちゃんとしてたし・・・」
「他社の事は考えなかったんですか
<俺は何を質問してんだ?関係ない事なのに・・・>

自分で質問しながら、いけないと思いました。しかし、どこかに引っ掛かりがあるような気がして・・・。

「友人に相談したの・・・そしたら、探偵社って悪徳業者が多いって・・・それだったらあなたの会社がいいんじゃないかって事になったのよ・・・しっかり報告書もビデオテープも、私がこの目で確認させられたんだから・・・間違い無いでしょ・・・それに旦那に対してもあてつけにもなるしね・・・」
「ウチの会社に対してじゃなく・・・旦那さんに対してのあてつけ・・・ですか・・・」
<そういう事だったのか・・・>

沖田さんは、笑っていました。

「どうして、あなたたちを怨まなくちゃいけないのよあなたたちは、依頼を受けて仕事しただけでしょいけない事してるのは私たち4人なんだから・・・でも私は旦那を怨んでいる訳でもないの・・・ケジメをつけるのに、違うやり方があったはず・・・こんなやり方に腹が立ってるだけだから・・・」
「そうですか・・・でもそれじゃぁどうしてご主人と同じ事をされるんですか
「もう私の浮気の証拠は掴まれちゃったから・・・同じ土俵って言うの・・・同じ立場にならないと、話が出来ないなじゃない・・・裁判所に出せる証拠がないと弁護士とも話し合いが出来ないと思ったからよ」
<この人は凄く冷静に考えているんだ・・・>
「今回の調査料金はどなたが
「私に決まってるじゃない・・・」

沖田めぐみ(仮名)さんが笑いながら答えました。

「それじゃぁ調査する日は、出来るだけ早くご連絡下さい」
「わかりました・・・」

BOSSがそう言って立ち上がろうとした時です。
「待って
「何か
「もう少し・・・もう少しだけ話して・・・」
「何を・・・ですか
「何でもいいから・・・」

BOSSが椅子に座り直したので、私も座り直しました。

そして依頼者である沖田めぐみ(仮名)さんは、話出しました。
今まで、当たり前になっていた事が崩れていく不安な気持ちを・・・。

W不倫 その15

2008-04-26 08:55:28 | 調査員Sの日記
 前の調査依頼者である森田洋子(仮名)さんが、今回の依頼者である沖田めぐみ(仮名)さんの夫、沖田裕二(仮名)さんとが・・・。
そして、今回の依頼者沖田めぐみ(仮名)さんと森田洋子(仮名)さんの夫、森田誠(仮名)さんが・・・。
夫婦同士で浮気しているというのです。
しかも4人が、4人ともその事を分っている・・・暗黙の了解だったとは・・・。
<沖田裕二さんと森田洋子さん一緒になりたくて痺れを切らしたのだろうか・・・それだったら、きちんと4人で話し合えばいいのに・・・自分たちだけがよければいいのかなぁ・・・>

W不倫調査はよくある事ですが、2組の夫婦同士の不倫というのはありませんでした。
私は面談の帰りに、車を運転しながらBOSSに話かけました。
「なんか複雑な話ですねぇ・・・分っているなら4人で話し合えばいいのに・・・」
「本当に家族ぐるみの付き合いだったという事か・・・」
「BOSS冗談言ってる場合じゃないですよ・・・でも・・・どうしてでしょね
「何が
「分っているなら、今更って感じもするんですけど・・・」
「たぶん金の問題じゃないのか・・・森田夫婦の方には子供もいるし・・・誰も言い出せなかったけど痺れを切らしたとか・・・」
「でも・・・沖田さんは何でウチに依頼するんですかねぇ?」
「ん・・・それは、ただの嫌がらせじゃないのか

またBOSSが笑いながら言いました。
「でも調査がやり難いでしょうね・・・きっと警戒してるでしょうし・・・私は顔を見られているし・・・」
「そうだろうな・・・お前は後方支援してろ・・・まぁ頑張ってくれ
「頑張ってくれ・・・って・・・受けるんですかBOSS・・・」
「別に問題は無いだろうと思うんだが・・・」
「そうですよね・・・分りました」


私は、国道25号線で車を走らせながらも2組の夫婦の事を考えていました。
<しかし・・・おかしな人間関係だなぁ・・・可哀想なのは子供達だと思えるんだけど・・・皆、お父さんとお母さんになっちゃうじゃないか・・・ 

私は考えながら、訳が分らなくなってきました。
本当に、子供達は可哀想なのか?本当はもっと幸せになれるんじゃないだろうか?

今回の件とは関係ありませんが、色んな家庭生活があります。
DV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていた妻や子供。
女や男を作って、家に帰って来ない大人。
そんな中でも小さな子供たちは、いつも我慢するしかないのです。
しかし、今まで色んな人たちの離婚を見てきた私にとっては、やはり両親が離れるという事は子供たちにとってはとても悲しい事だと思えるのです。
でも、それが本当に幸せなのか、それとも不幸なのかは、その当事者にしか分るはずも無いでしょう。
それでも私は考えてしまうのです。

W不倫 その14

2008-04-24 05:23:04 | 調査員Sの日記
 沖田めぐみ(仮名)さんとは近所の”人目を避けたい"という事で、ミナミにある喫茶店で待ち合わせをする事になりました。

「はじめまして」
「・・・どうも・・・はじめましてって言ったらいいのかしら・・・」
「あの・・・皮肉を言いに来られたのですか
「えっ違いますよ・・・でもあなたたちは私の事を知ってるんでしょ・・・電話でも言ったけど・・・主人の浮気調査をお願いしたいの・・・」
「そうですか・・・」

BOSSも話づらそうです。

時々、調査後に被調査人から苦情や皮肉を言われる事があるのですが、調査が終わって直ぐに、被調査人本人から調査を依頼された事は今までには無いのです。
それもこんなに早くに・・・。

浮気調査という事ですが、ご主人と浮気をしていると思われる人物の事は御存知なのですか
「分ってるわよ・・・洋子さんだもの・・・」
「えっ・・・洋子・・・さん・・・あの森田洋子(仮名)さんの事ですか・・・あの森田さんとご主人が・・・浮気
「そうよ・・・」

これには流石にBOSSも私も驚きました。
「それは・・・どうして・・・そう思われるのですか・・・ただの嫌がらせじゃないんですか
「違うわよ・・・浮気してるのは分ってるの・・・ただ、向こうに叩きつける証拠が欲しいのよ」
「分ってるって・・・
「そう・・・ウチの旦那も洋子さんのご主人と私の事分ってたはずだし、私も私の旦那と洋子さんの事分ってるの」
「・・・ようするに・・・浮気はお互いに、暗黙のうちの了解・・・だったという事ですか・・・森田さん夫婦も・・・」
<そ・・・そんな事って・・・それじゃぁ・・・なぜ?>
「そういう事森田さん夫婦の事までは分らないけど・・・だから洋子さんに調査させたのよ・・・ウチの旦那が・・・」
・・・どうしてご主人が
「どうやら私と離婚したいみたいなの・・・」
「それじゃ・・・どうしてご主人本人が依頼してこなかったんですか
「洋子さんの気持ちも確かめたかったんじゃないの・・・共犯だみたいな・・・」
「・・・・・・・」

なんだかとても複雑な人間模様です・・・。

それから数時間にも及ぶ面談の中で、様々な話を聞きました。
調査依頼を受けるかどうかは、スケジュールの調整の為と言って後日連絡する事になりました。
そして、沖田めぐみ(仮名)さんと別れました。

W不倫 その13

2008-04-22 09:30:54 | 調査員Sの日記
「・・・・その後、ご主人は沖田めぐみ(仮名)さんとホテルに入って行きました・・・」
「・・・やはり・・・そうですか・・・」
「こちらが報告書とビデオテープです・・・沖田さんとは、良いお付き合いをされていたんですよねぇ・・・ショックでしょう・・・」
「は・・・はい・・・でも、なんとなく・・・そうじゃないかなと思ってたものですから・・・」
「そうですか・・・また何かご相談があれば、いつでもご連絡下さい」
「はい・・・またその時は・・・ありがとうございました・・・」
私はBOSSと一緒に、依頼者報告書とビデオテープを渡し帰途につきました。

いつもそうですが、浮気調査をして浮気が発覚して報告する時は、何か複雑な気分になります。
「BOSS・・・今回の件はどうなるんでしょうね
「さぁ~な・・・どうするんだろうな・・・」
「やり直せますかねぇ
「どうだろうな・・・分らん・・・」


依頼者である森田洋子(仮名)さんに、報告書を渡してから数日が経った頃です。
事務所に一本の電話がありました。
その電話は、沖田めぐみ(仮名)さん・・・森田さんのご主人の浮気相手からです。
「・・・・どういった内容のお話でしょうか
「探偵さんでしょ浮気調査して欲しいんですよ
「調査・・・ですか
「そうよ・・・あなたたち、私の事を調べたじゃない・・・それと同じ事をして欲しいの・・・」
「そうですけど・・・」
「何よ私の依頼は受けれないの
「そういう事じゃなくて・・・誰の調査をするんですか
「私の旦那に決まってるじゃない
「それじゃぁ・・・どうして御主事が浮気をされてると思われるのですか

私はとりあえず、いつもの様にしようと思い、内容を聞く事にしたのですが・・・。
「電話じゃ話せないわよ・・・会って話したいから、時間をとって下さい
「そ・・・そうですか・・・わかりました・・・」

結局、その日のうちに面談する事になりました。

私はBOSSにその事を報告しました。
「BOSS・・・沖田めぐみ(仮名)さんが面談して欲しいって言ってきてるんですけど・・・一緒に来てもらえませんか
「沖田・・・ってこの前の浮気相手じゃないか・・・面談って何・・・苦情か
「いえ・・・ご主人の調査をして欲しいと・・・」
「調査・・・何の調査だ
浮気だそうです・・・」
「はぁ・・・浮気調査なんか複雑な話になりそうだな・・・分った・・・俺も行こう・・・」
「お願いします

W不倫 その12

2008-04-20 07:46:44 | 調査員Sの日記
PM3:04 マル被が女性を車に乗せホテルを出る。
もう雨はやんでいました。
マル被は朝来た道を戻り、朝寄った喫茶店で女性を降ろしました。
私は急いで車を降り徒歩にて女性を尾行しようと思ったところ、女性は喫茶店の前に自転車を停めていてそれに跨って走らせました。
私は突然で慌てましたが、その時さんが車から折りたたみ自転車を素早く降ろし渡してくれました。
一瞬の出来事だったのですが、女性はかなり走っていて、私は追いつくの息を切らしました。
乗っている方なら分ると思うのですが、折りたたみの自転車は車輪が小さく、スピードが出ないのです。
しかしながら、私は頑張って追いつきました。
そして、さんは君が張り付いてるマル被を追いかけて行きました。
<N君・・・大丈夫だろうなぁ・・・心配だなぁ・・・>

女性は近くのスーパーに寄り食料品を買い、一軒のマンションに入って行きました。
女性が入って行った部屋は、306号室。玄関にも郵便受けにも名前はありませんでした。郵便受けの中も空っぽです。女性が帰宅した際に、中の郵便物は全て持って上がりましたから・・・。
「お疲れ様ですKさん、今どこですか
「いつものパチンコ屋ですよ」
「それじゃぁN君をこっちによこしてもらえますか
「了解


私が、さんに電話してから20分位が経った頃、君から電話がありました。
「Sさん、今メールの住所に来ているんですけど・・・どこですか
「マンションは見えてる
「はい・・・」
「そのマンションの表の出入り口前」
「分りました

君はマンションの裏に居たようです。
「お疲れ様です
「お疲れ様このマンションの306号室に入った」
「そうなんですかどうしますか張り込みます
「そうだなぁ・・・ちょっと待って・・・」

私はさんに電話をかけました。
「お疲れ様ですそっちは一人でも大丈夫ですか
「お疲れ様です大丈夫ですよ
「分りました・・・何かあったら連絡下さい
「了解

マル被はKさんに任す事にして、私たちは女性を調査する事にしました。

しかし、女性はその日は外出する事はありませんでした。
さんから、マル被も自宅に帰ったという事の連絡を受け、その日の調査を解除しました。
明日からは女性の身元調査です。

W不倫 その11

2008-04-18 05:33:38 | 調査員Sの日記
 私が店に入り、5分も経たないうちに一人の女性がやって来て、マル被の前の席に座りました。
私の位置からだと、その女性の顔もしっかりと撮影出来ます。
<浮気相手なのかなぁ・・・>
会話は聞こえにくかったので、録音は出来ていないでしょう・・・。
しかし、微かに聞こえてくる会話は、大した話じゃありませんでした。
昨日はタイガースが勝ったとか・・・ジャイアンツが負けたとか・・・。
しかし、マル被たち2人の様子は、どこか慣れた様子でした。まるで夫婦の様に・・・。
おそらく、長い付き合いなのでしょう。

しばらくすると「行こうか」と言ってマル被が席を立ちかけたので、私は慌てて先に立ち上がりました。
そして、マル被たちより先に勘定を済ませて店外へ出ました。
<いきなりだったなぁ・・・危ない・・・>
店を出た私は、素早く車に乗り込みました。
「もう直ぐ出て来る
「了解・・・N用意しろ

私が店を出て直ぐに、マル被と女性は一緒に出て来ました。
そしてマル被は、その女性を車に乗せたまま走り出しました。
「N付いて来いよ
「わかりました


マル被は20分ほど走り、一軒のラヴホテルに入って行きました。
<あ~あ・・・やっぱり・・・そういう事・・・>
マル被は、やはり浮気をしていたのです。

AM9:54 マル被が女性とホテルに入る。

W不倫 その10

2008-04-16 05:37:17 | 調査員Sの日記
 それから2日が経ちました。
依頼者、森田洋子(仮名)さんから連絡があり、明日調査して欲しいという事でした。
<あれだけ、昨日の今日じゃ難しいって言ったのに・・・もう少し早く連絡出来なかったのかなぁ・・・>
私は、調査出来るか確認してから連絡する事にし、依頼者と電話を切り、BOSSに報告しました。
「BOSS・・・森田さん、急なんですけど・・・明日調査して欲しいって言ってるんですけど・・・」
「明日は・・・え~っと・・・大丈夫だな・・・それじゃぁ明日調査して」

BOSSが、スケジュール表を見ながら私に言いました。
「いいですか・・・わかりました
早速、森田さんに連絡し、明日の用意をいました。

次の日は朝から雨でした。
私はさんと君とで、マル被の自宅付近にて張り込んでいました。
「今日は仕事に行かないでしょう・・・パチンコですかねぇ・・・」
「どうだろう・・・」


AM8:00になり、子供たちが家から出て行くのを目視。
AM8:32 依頼者である奥さんも、自宅を出て行くのも目視しました。
依頼者が自宅を出た直ぐ後に、マル被が自宅から出て来ました。
「N君マル被が出た
「わかりました

マル被がガレージに寄り、車に乗って走り出しました。
そして、私たちの尾行が始まりました。

マル被は車で10分くらい走った所で車を止めて、そのまま降りて、一軒の喫茶店に入って行きました。
「どうします
「俺だけ入るわ・・・待機してて」
「了解そのまま待機
「わかりました

店外からは、中の様子を見る事は出来ません。
私は店に入り、マル被の居るテーブルの直ぐ後ろの席に座りました。
その時マル被は、タバコをくわえながらスポーツ新聞を読んでいました。

W不倫 その9

2008-04-14 08:12:14 | 調査員Sの日記
 その日、私は依頼者と会い、報告書を渡しました。
「この5日間、御主人はきちんと仕事をしていましたよ・・・ただ・・・やはりパチンコには注ぎ込んでいるんじゃないでしょうか・・・御主人が女性と接触したのは、パチンコ屋の中だけ・・・それも常連客と思われる女性に、挨拶程度でした・・・」
「そうですよね・・・」
「えっ何か御存知なのですか
「い・・いえ・・・」
「そうですか・・・それじゃぁ・・・こちらが報告書で、こちらがビデオテープです」

私は依頼者に、報告書とビデオテープを差し出しました。

「あのぅ・・・まだ・・・もう少し調査をお願いしたいのですが・・・」
「はい・・・かまわないですよ」
調査する日を指定してもよろしいでしょうか
「全然問題無いですよ・・・いつがいいですか
「この日はっていう時にお願いしたいのですが・・・」
「それは、急にという事ですかあまり急だと、他の調査と重なってしまった場合は調査は出来ません・・・スタッフが空いていれば可能ですが・・・でも、昨日の今日という様な話じゃ難しいと思います・・・」
「分りました・・それじゃぁ契約の方は・・・」
「今からさせていただいてもよろしいですか
「はい・・・お願いします・・・」

そして依頼者契約を済ませ、調査料金も頂きました。

「それじゃ・・・ご連絡、お待ちしております」
「お願いします・・・」

そう言って、私は依頼者と別れました。

事務所に戻った私は、BOSS調査の延長の事を報告しました。
「急だと動けない事もあるという事を、依頼者には伝えたか
「はいちゃんと説明して、契約書にも書き入れましたよ」
「そうか・・・じゃぁ依頼者から連絡があったら、知らせてくれ」
「了解しました


W不倫 その8

2008-04-12 09:32:50 | 調査員Sの日記
 次の日、私は事務所で報告書の作成をしていました。
「BOSS・・・もうすぐ報告書が出来上がるんですけど・・・依頼者に連絡しておきましょうか
「ん・・・そうしてくれるか・・・」
「了解しました

BOSSは何やら難しい顔をして、PCの画面とにらめっこしていました。
私は依頼者に連絡を入れました。
しかし、依頼者の携帯は留守電になっていました。
<あれっ?・・・この時間だと仕事は終わっているはずなんだけどなぁ・・・残業かな・・・>
私は連絡を貰えるように、留守電にメッセージを残しました。

暫らくして依頼者から連絡が入りました。
「すいません・・・電話いただいてたみたいで・・・」
「いえ・・・かまいませんよ・・・それで、報告書をお渡ししたいのですけど・・・御都合は
「そうですか・・・それなら明日でもいいですか
「大丈夫ですよ」
「それじゃぁ明日、お願いします・・・」
「わかりました明日お伺いさせていただきます

という事で明日、依頼者に会う事になりました。

「BOSS・・・明日、依頼者と会う事になったんですけど・・・」
「ん・・・頼むよ・・・」

BOSSはまだ難しい顔をして、画面を睨みつけていました。
「何を観てるんですか
私はそう言いながら覗き込みました。
「あ~っ
なんと、私がこの忙しいのに、BOSSは将棋をしていたのです・・・。
「これは困難だ・・・」
「・・・もう・・・仕事してくださいよ・・・」
「うん・・・コイツをやっつけてからな・・・」
<・・・まったく・・・もう・・・でもちゃんと仕事の事は頭に入ってるものなぁ・・・ある意味では凄い・・・>