シークレットリサーチの探偵日記

総合探偵社シークレットリサーチの調査員達の日記です。

お願いしますよBOSS その2

2006-06-30 08:12:26 | 調査員Tの日記
その夜ホテルの一室で、人間不信に陥りながらシャワーを浴びビールで体を冷やしました。
 ちなみに、この調査中タイ王国ではスーツ姿の人間は誰一人として見かける事はありませんでした。
 
 もう一つ、ボスが飛行機の中で 「T君はトム・ヤム・クンを知っているか?」 と尋ねられたので私は 「知りません」 と答えました。
 タイ王国の国際空港で通訳の人と合流し、バンコク市内へと向かう途中車の中で通訳の人に私は尋ねました。「トム・ヤム・クンはいつも何処に現れるのでか?」 すると再びボスの大笑い、今度は腹を抱えて笑っています。通訳の人も首をかしげ、私は訳がわからずに、また目を丸くしていました。

 私はトム・ヤム・クンがタイ王国のえびの入ったスープだとは知らずに、ボスから「黄色い帽子を被ってランドセルを背負い、タイ王国では有名なかわいらしい10歳位の男の子だ。時々バンコク市内に現れるらしい。その子供を見つけたら幸せになれる。」と教えられていたのです・・・。 <またやられた!> 私は声も出せずに下を向いていました。

 今では私は精神的にも鍛えられ、少々の事にもへこまなくなりました。
ボス、本当にありがとうございます。ボスのおかげでこんなに強くなりました。もうへこみませんから、また海外へ連れて行って下さい。お願いしますよ~ボス!
 
 云うまでもなくボスのイタズラは、未だに続いております。

お願いしますよBOSS その1

2006-06-28 14:48:34 | 調査員Tの日記

 私がまだ調査員に成り立ての頃、すなわちルーキーだった頃BOSSが私に言った言葉がある。
 「探偵を長くやっていると人間不信に陥る事が度々ある」
 <私は探偵とは精神的にも大変な仕事なんだなぁ、俺もがんばらなくては!>
と強く感じていました。
  当社ではたまに海外調査もあるらしく、そんなある日
 「今度タイランドまで行くから、君も同行する様に」
との事であった。
私はいきなりの海外調査だと云う事で、期待と不安で胸の中がいっぱいでした。正直なところ嬉しくて嬉しくて、なんと良い仕事についたんだろうと浮かれていました。
BOSSから
 「何日の何時に迎えに行くから、スーツにネクタイで待っていろ!」
と言われ、緊張した声で
 「わかりました! 何日の何時ですね!」 
と復唱しました。
 私はその日の朝、ワクワクしながらBOSSが迎えに来てくれるのを待っていました。 <しかし,暑いなぁまだ7月に入ったばかりなのに。それにしてもボスはすごいなぁ・・・ タイにも友達がいるなんて ・・・>
なんて思っていると約束の時間になり、BOSSと調査員Mさんの車が私の前で停車しトランクが開きました。私は急いでスーツケースを詰め込み、車の中へと滑り込みました。
 「おはようございます!」
するとBOSSが
 「このクソ暑いのにスーツにネクタイとはアホか!」
と一言。
目を大きくまん丸と開いている私に
 「日本よりもっと暑い国へ行くのに大変だぞ!」
ボスが調査員Mさんと大笑いしながら言ったのです。
 <しまった!はめられた!> 
私はその時初めて気がついたのです。
 <よく考えてみれば、わざわざスーツを着て行かなくても持って行けばよいのだ。それにタイ国の様な暑い国では、日本のスーツは目立ちすぎる。・・・> 
でももう遅かった、車は 「関西国際空港」 へ向けて走っていました。
 ボスと調査員Mさんの服装をよく見ると、ポロシャツにサマースラックス。それもリゾート仕様
 <ちくしょう・・・お願いしますよBOSS・・・> 
と思いながら
 <まぁいいかぁ 初めての海外だしちょっとぐらい楽しんじゃおっと。それにタイ国とはいえども、そんなに暑くはないだろう。大阪の真夏ぐらいだろう・・・ネクタイだけはずせば大丈夫だろう。>

 云うまでもなく私はその日ホテルに入るまで40度を超える酷暑の中、スーツで過ごしました。しかも普通の長袖のカッターシャツで・・・。