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Galaxy S23 Ultra SC-52Dに6回目のアップデート。Galaxy AIがやってきたが…

 2024/4/18から2023年モデルのGalaxy S23 Ultra SC-52Dに発売以来6回目のソフトウェア更新が配信され、2024年モデルのウリであるGalaxy AIによる各種機能が実装された。

本日4月18日よりGalaxy国内版モデルに「Galaxy AI対応」開始

ソフトウェアアップデートの新類型?


 ドコモのソフトウェアアップデートには4種類ある。ドコモWebサイト「ソフトウェアアップデートの種類」の記載によると、「Android OSバージョンアップ」「機能バージョンアップ」「品質改善」「セキュリティパッチの更新」の4つなのだが、今回のアップデートの種類は「新機能追加」だという。…いや、別にいいんですけど、自分たちが決めた分類は忘れないでほしい。今回は「機能バージョンアップ」と謳うのが妥当だっただろう。
アップデートの種類は「新機能追加」

 アップデート内容の記載もイレギュラーで、「主なアップデート内容」と「改善される事象」の2つのパートに分かれる、OSアップデートの時に見られない様式である。このうち、主なアップデートがAndroid eSIM転送の機能端末に届くPUSH通知からeSIMを開通できる機能で、それと今回のメインである「各種機能の追加」と記されたGalaxy AIの対応を含むOneUI 6.1へのアップデートがその内容だ。
 今回の更新のタイミングでeSIM開通の機能向上が図られたことは興味深い。1年前に発売されたGalaxy S23 Ultraは新規開通ニーズのピークは過ぎていると思われるが、それでも通信回線の開通にかかる新機能が搭載されたのは端末の販売期間が長期化しているからなのだろう。その他、改善される事象の欄には、セキュリティパッチレベル更新以外に、Wi-Fi切断後にまれにモバイルデータ通信ができない事象と音声発信時に異音が鳴る場合がある事象が記載されている。
主なアップデート内容と改善される事象

 アップデートファイルのサイズは2791.951MBで3GB近い。ドコモのWebサイトに記載された端末単体での更新時間は約39分だったが、手元の環境ではWi-Fiでのダウンロードで再起動完了まで11分で終了した。
更新をダウンロード中

ゴリ押しなGalaxy AIだけど…


 今回、Galaxy AIにより向上した機能は、設定メニューの「便利な機能」→「高度なインテリジェンス」の中にまとめられている。音声通話やチャット(LINEや+メッセージも対象)、ボイスレコーダーの録音ファイルの文字起こしと翻訳機能のほか、NotesアプリやSamsungブラウザでの要約機能のほか、「かこって検索 with Google」やいわゆる「消しゴムマジック」などの編集機能などだ。
Galaxy AIを活用できる機能は「高度なインテリジェンス」でまとめて設定できる

 このうち、「かこって検索 with Google」は、どんな場面でもホームボタンを長押しすると対象を選択するモードになり、検索キーワードにする画像を指で囲ったり、文字をなぞったりするだけで検索結果画面が表示される機能だ。文字列を苦労して選択する必要がない点が便利だと感じた。
かこって検索 with Google

 また、画像・動画ファイルを取り扱うギャラリーアプリにもGalaxy AI由来のAIサジェスト編集機能が追加された。画像の詳細表示アイコンをタップすると画像を分析して最適なエフェクトや編集を提案してくれるというものだ。背景をぼかす「ポートレート」や影や反射の消去のほか、風景写真などには擬似的に24時間タイムラプスの効果を付加する提案もあり、いろいろ試してみたくなる。
ギャラリーのAI編集サジェスト機能。「補正」の前後比較

 とはいうものの、翻訳機能やSamsungアプリ限定の機能を除いてひととおりGalaxy AIを試してみたが、実用的と感じたのは上記「かこって検索」と画像編集機能の一部くらいで、サンプルのような素材に対してショーケース的に楽しむことができる程度というのが私の印象だ。多くの「ノイズ」が入り込む実際の素材では劇的な成果は得られなかった。過度な期待はしない方がいい。
 現状、Galaxy AIによる恩恵は、なんらかのコンテンツを操作する際に享受されるものだ。そもそもAIの守備範囲か否か私にはわからないが、通知表示の制御や誤タッチの補正など端末の使い勝手を改善する部分には手が届いていない。

 このほか、今回のOne UIのバージョンアップでは、ロック画面に配置できるウィジェットが増えたり、バッテリーを保護するために充電の仕方を選択するオプションが加わったりしている。細かな改善が積み重ねられていて好印象だ。機能の差分を確認するにはサムスンのWebサイトが詳しいが、[6.1]の表記を追う必要があって、少し見づらい。
ロック画面に「天気予報」や「バッテリー」のウィジェットを追加、バッテリーを保護するための充電のオプション

 最後に恒例により、「設定」→「ソフトウェア情報」のメニューで更新前後のソフトウェアバージョンを比較しておこう。
 1行目のOne UIバージョンが6.0から6.1に更新されていて、ベースバンドバージョン、カーネルバージョン、ビルド番号はSC52DOMS1BXA2からSC52DOMS1BXCHと後ろ2文字がA2からCHに変化した。この文字列は前回大きく変わったのだが今回はいつもどおりの変化幅である。カーネルバージョンとSE Androidのステータスに含まれる日時は2024/1/22から2024/3/25に2か月進んでいる。また、サービスプロバイダのソフトウェアバージョンが更新されたのは、Android 14へのOSバージョンアップ以来で末尾が0009から0013に大きく上がっている。
 その他、セキュリティソフトウェアバージョンでは、ASKSの業が v7.5 Release 20230718からv7.8 Release 20230718にリリース日らしい文字列が変わらないのにバージョンナンバーだけが変わっているのは理解に苦しむ。さらにSMR Jan-2024 Release 1からSMR Mar-2024 Release 1にこちらも2か月進んだ。
 最終行のAndroidセキュリティパッチレベルは、2024/1/1から2024/3/1に日付が進んだ。
更新前後でソフトウェア情報を比較

参考

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