龍田 樹(たつた たつき) の 【 徒然ブツブツ日記 】

目についたこと気になることをブツブツと語っていきます。たまぁ~に神霊的情報も有り。更新はかなり気ままですので悪しからず。

Roots №2 (工藤貞行 その1)

2010-05-15 12:06:11 | 南北朝 “roots”
 根城史跡の祠跡に拝礼をしに行ったのが先週の日曜日5月8日のことだ。私は週明け火曜日に店を開けて早々忙しくなる前に、根城のことについてこれまで知っていた知識の復習を兼ねてネットでいろいろと調べてみることにした。
 調べていくうちに、南北朝時代の青森県の歴史についての自分の認識不足や勘違いを気付かされた。その手始めは“根城”の成立についてである。

 根城成立について、ある資料には『建武元年(1334)陸奥国司北畠顕家の国司代として南部師行が当地に下向し築城されたとされる。しかし本丸跡からは師行入部以前のものとみられる建築跡も検出されており、鎌倉時代に築かれた、北条氏の地頭代、工藤三郎兵衛尉の居館を利用し築城されたものと考えられている』と書かれていた。
 一般的には根上南部第四代根城師行が独自に築城したものと考えられているが、どうもそうとも言い切れないらしい。そこで更に根城について検索してみることにした。それでヒットした資料にはこのように書かれていた。
 『根城が何時頃築かれたのかは正確にはわかっていないが、建武政権から北条方であったとして領地を没収された工藤三郎兵衛尉の頃には存在していたようである。明確に歴史上に登場するのは、建武元(1334)年、南部師行が甲斐から入部した頃からである。師行は陸奥国司北畠顕家と共に入国し、陸奥国代として根城に入ると、工藤氏の館址に築城した。』

 ここまで調べて時間が来た。私は文中の、『建武政権から北条方であったとして領地を没収された工藤三郎兵衛尉』なる人物に興味を持った。そして、私の記憶の断片が動き始めた。
 「確か、鎌倉末期の黒石の領主も工藤氏だったよな・・・。娘のなんとか御前が根城南部に嫁いでいったとかなんとか・・・。その工藤氏となんか関係あるのかな?」
 黒石とは津軽にある行政上は市であるが小さな町で、私の生まれ故郷である。近世では津軽藩の分家として黒石藩が置かれた町で、それなりの歴史のある町だ。私の母の旧姓は工藤、同じ南津軽の産である妻の母の旧姓も工藤であり、黒石と南津軽一円には工藤姓がかなり多い。あまりに多すぎて津軽の工藤姓の人間は自分の祖先のことなどあまり考えたことがないだろうと思う。
 私もその中の一人で、父方の苗字の由来や家系には興味があって、明治以降のことについてはかなり詳しく知っているのだが、母方の「工藤」にはこれまで興味すら持たなかった。

 午後、空いた時間で奥州工藤氏のことについて調べてみた。

 工藤三郎兵衛尉は実在の人物であり、南部氏登場以前、北条執権鎌倉幕府の地頭代として糠部の八戸地域を支配していたようだ。それについては古文書をもとにしたある資料にはこのように書かれていた。
 『鎌倉末期における糠部の領主としては、一戸は横溝五郎入道・工藤四郎左衛門入道・浅野太郎・横溝六郎三郎入道浄円、三戸は会田四郎三郎・大瀬二郎・横溝新五郎入道、五戸は三浦介時継、七戸は工藤右近将監、八戸は工藤三郎兵衛尉がいたことが確認できる。』
 その流れで、私の記憶にあった、「鎌倉末期の黒石の領主である工藤氏」の名前も判った。その人物は工藤貞行、官職名を入れれば、工藤右衛門尉貞行がその人だった。(官職名は「うえもんのじょう」と読む) 
 ある資料には工藤貞行は当時の田舎郡(現在の黒石を中心にした南津軽郡一円)の領主と書かれており、別な資料には『南は“内津軽”といわれ鎌倉幕府直轄領になっておりました。地頭として曽我氏・工藤氏・大江氏・羽田野氏などが内津軽四郡(平賀郡・田舎郡・鼻和郡・山辺郡)に派遣されておりました。この地頭の内でも曽我氏・工藤氏が有力な地頭でした。』と書かれていた。

 奥州工藤氏のことを調べているうちに「同時代に南部にいた工藤三郎と津軽にいた工藤貞行にはどんな関係があったのだろう?」私の脳裏にはそんな疑問が浮かんできた。(これは後の調べで同時代ではない可能性も出てくるのだが・・・)

 そこまで調べて、治療の時間になった・・・。治療しながら、工藤貞行という人物が気になりだし、私の頭の中でその名前が浮かんでは消えていた。
 
 夕方、例の友人からメールが来た。その内容を読んで少なからずその偶然に驚いた。そのメールにはこう書かれていた。
 『黒石には南部師行公配下の猛将工藤貞行殿がおられたそうですね。藤田さんの過去世は工藤貞行殿関係かもしれませんね(笑)』(藤田とは文中の私)
(つづく)

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