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ノーベル賞平和賞にエチオピアのアビー・アハメド首相、国境紛争を平和裏に終結

2019-10-12 | 学問
 ノルウェーのノーベル賞委員会は、2019年のノーベル平和賞をエチオピアのアビー・アハメド首相(43)に授与すると発表した(10月11日)。
 委員会は「平和、国際協力の実現に向けた努力、とりわけエリトリアとの国境紛争の解決に向けた、断固とした取り組み」を授賞理由に挙げた。
 二十年余り続いた隣国エリトリアとの国境紛争を終結に導いたほか東アフリカ地域の平和と安定に向けた取り組みが評価された。
 エチオピアとエリトリアの国境紛争は1998年に始まり、戦闘激化で約3年間で10万人が死亡。2000年代初頭まで断続的に戦闘が続いた。昨年4月に就任したアビー氏の呼び掛けに、エリトリアのイサイアス大統領が応じ、同年7月、和平が実現した。
 エリトリア、ジブチ間の国交正常化、ケニア、ソマリア間の領海争いの仲裁、スーダン国内の軍事政権と反体制派の交渉再開などにも尽力。委員会は、アビー氏がこの地域の和平と調和に「鍵となる役割を担う」と指摘した。
 政治犯の恩赦や野党勢力の合法化、政治への女性登用など、アビー氏が推進した内政改革の実績も評価された。ただ、自由で公正な総選挙はいまだ実現しておらず、民族紛争の悪化、難民の増加など課題は多い。
 アビー・アハメド氏
 1976年8月15日、エチオピア南部オロミア州生まれ。社会主義体制末期に反政府勢力に参加。政権交代後の1993年、国軍に入隊。2001年、マイクロリンク情報技術大卒。2010年に下院議員当選。科学技術相やオロミア州副知事を歴任。2018年4月、首相就任。
 ◆ノーベル平和賞
 ノーベル平和賞は、国家間の友好関係の促進や、軍備の削減・廃止などに貢献した個人や団体に贈られる。
 選考はノルウェーの議会によって任命された5人で構成する委員会が行う。選考委員会は、世界各国の有識者や議員などから1月末までに推薦された候補者のなかから受賞者を絞り込む。候補に挙がった人や団体の名前は50年間公表されないが、候補の数については明らかにしている。ことしはこれまでで4番目に多い301の個人と団体が候補にあがった、という。
 受賞者の決定は委員会の全会一致が原則だが、期限までに決まらない場合は多数決で決める。
 受賞者の発表と授賞式は、ノーベル賞のほかの賞がスウェーデンで行われるが、平和賞はノルウェーの首都オスロで行われる。

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