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出題傾向は変わりにくい

私はよく学校別の出題傾向に合わせて、応用力を伸ばすべきだとお話しています。

6年の受験学年では、前半はきっちり基礎を固め、応用力は第一志望、第二志望の学校別出題傾向に合わせて演習しながら伸ばしていく方が効率が良いと思うからですが、しかし、ここで「出題傾向は変わらないのか?」と心配される方がおられるかもしれません。

結論から言えば変わりにくい、と言えます。

まず学校は取りたいと思う生徒像があって、入学してくる生徒に望む資質を質す試験を作ります。

例えば学校でレポートが多い学校は、やはり記述式の問題を課すことが多いし、また理系に力をいれたいと思う学校は理科計算などの問題を出題することが多くなります。

生物の観察に力をいれている学校は生物に関心のある生徒を入れた方が良いし、語学力を求めるのであれば帰国子女枠を作り、英語の入試を課すでしょう。

学校で自立した高度な学習を進めているのであれば、応用力を試す試験をしないと学校の教育とバランスが崩れることになります。

元からある考えがあって入試は作られているので、変わりにくいという面がまずひとつ。

もうひとつはやはり、出題傾向が安定している方が受験者としても安心して受けられるので、学校側もその配慮をする傾向が強い、ということです。

ある学校はよく説明会で「入試対策は過去問をしっかり勉強してください。」と繰り返し説明しています。そういう学校の入試問題を見ると、本当に出題傾向を明確にしています。

1問目は何、2問目は何、という形から始まって記述問題の割合、基礎と応用の割合などが定型化されています。だから対策を立てやすいし、その対策の立てやすさが受験生を集めるひとつの大きな要素になることは学校側もわかっているので、なかなか変えられないのです。

以前、ある学校が大きく入試傾向を変えるのに2年かけたことがあります。

2年前の説明会から話を始めていました。実際にそれほど大きく変わったか?と思える部分もあったのですが、学校はそれぐらい気を使うものなのです。

今の時期は、志望校を絞り込みはじめる時期ですし、子どもたちの勉強はカリキュラムがまだ終わっていないので、まずはしっかりカリキュラムの習得に力を入れてください。並行してお父さん、お母さんの方で情報を集め、出題傾向をある程度考えた上で、夏休み以降、学校別傾向に沿って応用力を伸ばしていく、と考えていけば無駄が少ない対策ができると思います。




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