NAO日和

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「北のカナリアたち」

2012年11月13日 | 邦画

~先生が島を追われた日、私達は歌を捨てた~

2012年   日本映画    (2012.11.03公開)
東映創立60周年記念作品
配給:東映         上映時間:122分
監督:阪本順治
原案:湊かなえ  『二十年後の宿題』(幻冬舎刊『往復書簡』所収)
脚本:那須真知子
音楽:川井郁子
出演:吉永小百合/柴田恭兵/仲村トオル/森山未來/満嶋ひかり/勝地涼
    宮崎あおい/小池栄子/松田龍平/里見浩太朗

<見どころ>
『告白』の原作者である湊かなえの小説「往復書簡」の一編「二十年後の宿題」を、
日本を代表する女優・吉永小百合を主演に迎え、阪本順治監督が映画化した
ヒューマン・サスペンス。20年前に起きた悲劇により引き裂かれた教師と教え子たちが
ある事件を機に再会し、それぞれが抱える心の傷や真実が明らかになっていくさまを描く。
共演には柴田恭兵、里見浩太朗、仲村トオル、森山未來、宮崎あおい、松田龍平など、
ベテランから若手まで実力派が勢ぞろいする。

<ストーリー>
日本最北の島で小学校教師をしていた川島はる(吉永小百合)は、ある事故を
きっかけに島から出て行ってしまう。それから20年後、東京の図書館で働いていた
彼女は、教え子の一人が事件を起こしたことに疑問を抱き、かつての自分が受け持って
いた生徒たちに会うため北海道へ向かう。
恩師と再会した教え子たちは、それぞれに抱える複雑で苦しい胸中を明かす。

<感想>
湊かなえ作品の映画化ということで行ってきました。
広告をみると、これ東映60周年記念作品なんですね。
どおりで、ばんばん予告編流してたわけだ。


湊かなえ特有の重苦しい雰囲気と、厳寒の北海道の映像がよくマッチしています。
最北の極寒の風景が随所に映りますが、大自然の映像に圧倒されます。

話は、元教え子の起こした事件をきっかけに、20年前のある出来事を回想しながら
元教え子たちと先生(吉永小百合)が訪ねる旅にでるというもの。

前半のくだりは、ちょっと退屈だったかな~。同じようなセリフが出てきて
「またかよ?」なーんて心のツッコミも数回あったかな?
ぶっちゃけ、宮崎あおいちゃんが、あまり生かし切れていないような感が・・・。

劇中、離島時代の子供たちはいろんな歌を歌いますが、それがとても澄んだ声で。
 
西条八十の「かなりあ」が何度も歌われます。これがとても印象深い。
歌を忘れたカナリア(子供たち)は、20年間心の傷を抱きながらさまよい
先生と再会することによって、お互い赦し合うことになります。
歌詞とマッチしていて、最後みんなで合唱するシーンはウルっときます。

あの時、言えなかったことが、20年経ってようやく言える。
あの時、許せなかったことが、20念経って赦すことができる。

生きるのは辛い、だけど生きなくちゃ・・・・・の言葉には思わず泣かされました。

悲しい話なだけれど、どこか希望が持てるお話。
モノトーン中心の映像の分、ラストの花畑の鮮やかさが目に残ります。

子供たちの清らかな歌声と、「生きている」の言葉に大きな感動を得ました。

ただ、これは一定の年齢を過ぎないとわからない映画かな?
若い世代は、今TVでやっている湊かなえ原作の「高校入試」の方が共感得ると思います。

点数:8点 (10点満点)


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