NAO日和

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「夢売るふたり」

2012年09月22日 | 邦画

~人間最大の謎は、男と女~

2012年   日本映画   R15+指定作品    (2012.09.08公開)
配給:アスミック・エース      上映時間:137分
監督:西川美和
原案&脚本:西川美和
音楽:モアリズム
出演:松たか子/阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木紗羽/安藤玉恵/江原由夏/木村多江
    やべきょうすけ/倉科カナ/伊勢谷友介/香川照之/笑福亭鶴瓶

<見どころ>
『ディア・ドクター』などで高評価を得た西川美和監督がメガホンを取り、松たか子と阿部サダヲが
結婚詐欺に手を染める夫婦を演じる異色のラブ・ストーリー。
小料理屋を営む夫婦が火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺を通して、複雑で深遠な
男と女の関係を描き出す。主演の二人に加えて、結婚詐欺に引っ掛かる女たちを演じる田中麗奈や
鈴木砂羽、木村多江のほか、以前西川作品に出演した香川照之や笑福亭鶴瓶などが共演。
うそをテーマに人間の業をえぐり出す西川監督らしいストーリーと、豪華キャストによる演技に
期待が持てる。

<ストーリー>
東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも
順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、
すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。
結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を
稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。

<感想>
西村美和監督の作品、実は観るのこれが初めてです。 「ゆれる」「ディア・ドクター」未鑑賞。


いやぁ・・・男女の深層心理をうまく描いた映画でした。人の心情をうまくついたセリフが印象に残ります。
松たか子さんの演技は、「告白」以上のものがありました。
特に目の演技は、素晴らしい。セリフがなくても感情が伝わりました。
阿部サダヲさんは、女性の弱った心の隙間をすっと入っていく男の人物像をうまく演じて
いたと思います。観客の1人が「伊勢谷さんみたいな男だったらいくけど、阿部ちゃんはどうかな?
なんかウソっぽい」という感想を漏らしていましたが、案外こういう男性のほうが
女性はコロっといってしまうものかも。

 
睦島玲子(鈴木紗羽)との浮気をきっかけに、結婚詐欺を思いついて犯行を重ねていくのですが
わりと淡々に物事がすすんでいきます。重苦しい設定なんだけど、バックに流れる音楽が
それをカモフラージュするかのような、優しい雰囲気の音楽で味付けされています。


女性監督ならではの描写が随所に出てきます。この監督、確か30代ですよね?
見事なまでに女の業が描かれています。
先にも書きましたが、松たか子さんの表情の変遷がすご過ぎです。
夫が結婚詐欺相手との逢瀬に時間を割くようになると、嫉妬や怒りやごちゃごちゃした感情が
交差していきますが、その表情がとにかくすごいの一言。

里子は、お金の為と割り切っているけれど、貫也は必ずしもそうではない。
騙す相手にまじめに向き合って接するわけです。当然男女の関係になっても、情があるわけです。
これは女にとってはきつい。騙すことしか考えていない里子にとっては到底理解できない
から、衝突していくわけです。
いろんな女性と関係をもっていく貫也ですが、最後子持ちの女性(木村多江)に対しては
里子は激しく嫉妬し、家まで乗り込んでいきます。
その前に里子が生理用ナプキンをつけるシーンがあるのですが、ほんとは里子は子供が
欲しかったのかも?でも目的の為に、子供をつくるのをあきらめた?のに、子供をもつ女性に
なびいていく貫也に嫉妬と不安にかられたのかなぁ~思いました。
「6時には帰る」と言ったのに帰ってこなかったのが、里子をあのような行動にかきたてたのでしょう。

 
出てくるキャラクターには共感もてませんが、役者さんはみんな良かったです。
個人的には、鈴木紗羽さん、良かったな~こんな色気のある女性になりたい。

香川照之さん・伊勢谷友介さんもちょい役で出ていました。
しかし、香川さんどんだけ映画に出てるん???
伊勢谷さんが好きな私は、チョイ目の保養。

ラストは観る側に委ねる形の終わり方ですが、私こういう終わり方はあんまり好きじゃないです。
いろいろな解釈の仕方があり、 後味良くない作品ですが、
人間の「業」を炙り出そうとした意欲作だと思いますね。

点数:8点 (10点満点)


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