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さかふ  忤

2015-12-28 | 日本語百科
聖徳太子の憲法とする。
日本書記に記載されたものを伝来する。

和 であるのか、わ または、やわらぎ と、読む。
音読みの日本語で、この表記は、倭国、和国、大和であったのだから、和をもって貴し、である。

たっといこと、それが和で表されるものごとが、あるのである。
その続きにある、忤について、文字遣いと読みが難しい、と、一般には受け止めれれるようか。

それは、つづく、

人は皆、党、たむら有り、また、さとれる者は少なし、

という、その文脈を記憶する冒頭の言葉だからである。
それを解釈しないで覚えるとわからない。

日本国語大辞典には、

>相手に背を向ける。そむく。さからう。
*大日経義釈延久承保点〔1074〕一三「所行の事に著せるを以て、反りて背忤(サカフ)の心を生す」  

と見える。

この条文がまず読めないのは、文字である、忤である。
さかうことなきを、と読みたくなるので、その読みを、さからうことなき と読もうとする。

原文 日本書紀に記載されているもの。

夏四月丙寅朔戊辰、皇太子親肇作憲法十七條。
一曰、以和爲貴、無忤爲宗。人皆有黨。亦少達者。以是、或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通。何事不成。

二は、二曰、篤敬三寶、とある。

聖徳太子の検索で、センター倫理 NAVER の、まとめがある。
http://matome.naver.jp/odai/2140616260078849201

そのグーグル検索トップには、次があって、日本思想体系を出典とする。

和(やわら)ぐを以て貴しと為(す)。忤(さか)ふること無きを宗と為(す)。/和をもって貴(とうと)しとし、忤(さから)うことなきを宗とせよ。

出典
『日本思想体系2 聖徳太子集』(岩波書店、ただし、丸括弧を省きルビ替わりの丸括弧を足し、カタカナも全て平仮名にした)/『日本の名著 聖徳太子』(中央公論社、ただしルビ替わりの丸括弧を足した)から引用

これが聖徳太子の「和」。平和を尊いものと考えて、乱れ争うことないことを一番大事なこととしなさい、という程度の意味。これは『論語』に由来する言葉で、つまり聖徳太子は仏教だけでなく儒教も吸収して、それでもって役人と人民に「和」を説いたことになるでしょう。


そこでまとめの画面で、法華義疏を見る。


これは伝聖徳太子作『法華義疏』写本
『法華経』はサンスクリット語で書かれた初期大乗仏教の経典であり、鳩摩羅什が5世紀に訳した『妙法蓮華経』として、お経と言えばこれというくらい有名な経典です。この経典は現実世界は過去現在未来にわたって衆生(全ての人間)を救うために仏が存在するという信仰を説いています。つまり、宗教らしいメシアニズム(神による平等な平和の志向)の書であり、聖徳太子はそれを継承して治政を行います。この画像で分かるように、この時期の記録は漢文です。以下の引用は、その読み下しと現代語訳で行うことをご了解ください。

人皆心有り。(略)我必ず聖(さか)しきに非ず。彼必ず愚かに非ず。共に是れ、凡夫/人にはみなそれぞれ思うところがあり(略)自分がかならずしも聖人なのではなく、また他人が必ずしも愚者なのでもない。両方とも凡夫(略)である。

「世間(よのなか)は虚(うつは)り假(か)りにして、唯(ただ)佛(ほとけ)のみ是(これ)真(まこと)そ」/『世間は虚仮(こけ)であり、ただ仏のみ真実である』

和(やわら)ぐを以て貴しと為(す)。忤(さか)ふること無きを宗と為(す)。/和をもって貴(とうと)しとし、忤(さから)うことなきを宗とせよ。

『日本思想体系2 聖徳太子集』(岩波書店、ただし、丸括弧を省きルビ替わりの丸括弧を足し、カタカナも全て平仮名にした)/『日本の名著 聖徳太子』(中央公論社、ただしルビ替わりの丸括弧を足した)から引用


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