安倍晋三の報道機関を手なづけたい独裁体質の願望からの選挙翌々日の報道各社幹部との会食なのか

2014-12-20 05:49:57 | Weblog

 総選挙投開票の翌々日の12月16日に安倍晋三と報道各社幹部との会食を伝えたマスコミ各記事の、いわゆる「首相動静」がネット上で話題になっている。実名を伝えたのは朝日新聞だけだと取り沙汰している。

 それによると、先ず会食場所は東京・西新橋のすし店「しまだ鮨」
 
 集合日時は12月16日6時59分。

 会食対象者の報道各社幹部は次の各氏となっている。

 時事通信・田崎史郎解説委員

 朝日新・聞曽我豪編集委員

 毎日新聞・山田孝男特別編集委員

 読売新聞・小田尚論説主幹

 日経新聞・石川一郎常務

 NHK・島田敏男解説委員

 日本テレビ・粕谷賢之解説委員


 一人ひとりの画像を載せて、このような人物だと広くその顔を知らしめたいと思ったが、面倒臭くなってやめた。

 「赤旗政治記者」なる名前のツイッターには次のような投稿文が載せられている。

 〈(会食)テレビ番組のゲストでおなじみの田崎史郎時事通信解説委員が最後に出てきて、店外で待っていた記者8人に簡単なブリーフィング。「あらかじめ座る席が決まっていた」などと説明。「完オフ」(完全なオフレコ)が条件の会食とされ、何が話し合われたかは語らなかった(了)〉――

 ネット上では癒着という文脈で異常だと囁かれているが、再び巨大与党の勢力を確保し、それをバックとした内閣の総帥と選挙翌々日の報道機関幹部との会食とは何を意味するのだろう。

 マスメディアは国家権力監視を役目の一つとしている。常に付かず離れずの距離を保つ必要があるはずだ。会食が国家権力監視の一環であり、付かず離れずの距離内の出来事だったのだろうか。

 もし会食が目的としたメインの会話が安倍晋三から選挙中の報道に対して労をねぎらう意図のもと交わされたものなら、あるいは安倍晋三の側から見た選挙に関わるマスコミ報道のあるべき姿について苦言を呈する意図のもと交わされたものなら、それとも選挙中の面白おかしい話題、失敗談の提供を意図して交わされたものなら、国家権力監視の一環としての会食とは言えないし、付かず離れずの距離を維持した会食とは決して言えない。

 他にどのような会話を想像できるのだろうか。

 国家権力は常に報道機関を手なづけたい願望を持つ。可能ならばの条件付きで手なづけて、意のままに操りたい衝動を抱えている。そして独裁的国家権力であればある程、その傾向が強い。

 断るまでもなく、報道を手間もなく瞬時に一斉に流して国民の行動に影響を与える、あるいは国家権力が望む行動で国民を規制する優れた意思伝達手段は報道機関を置いて他にないからだ。

 また、報道機関側からすると、国家権力に屈した場合、よりよく国家権力宣伝の道具・装置となり得る。

 だから、軍人が民主的政権を覆し、軍事独裁政権の樹立を謀略してクーデターを起こした場合、直ちに国営・民営を問わずにテレビ局や新聞社、ラジオ局を占拠する。国民にクーデターの正当性を周知させ、クーデター下の国民統治をスムーズに行う最も有効な宣伝手段としての最も便利な機能をそれらのマスメディア機関は備えているからだ。

 安倍晋三がテレビ番組に出演して、司会者等の質問に時折りキレるのは報道機関を手なづけて意の侭にしたい願望を抱えているからこその、それが阻害された場合の反応でもあるはずだ。

 他者に対する怒りは他者が自分の思い通りの反応を示さないときの感情として発する。例えば自分が尊敬されるべき人間だと思っているのに対して侮辱されて怒るのは他者が尊敬という自分の思い通りの反応を示さないことに対する感情として発せられるものであろう。

 安倍晋三がテレビ番組に出演して司会者の質問に時折キレるという点からも、安倍晋三が報道を自分の思い通りにしたい独裁体質の欲求を抱えていることからの怒りの反応と見ることもできる。

 その独裁体質の現れの一つが、放送法第30条によって12人の構成となっているNHK経営委員会委員の3年任期満了5人に替わる昨年10月の人事に於いて、任命権を内閣総理大臣として握っている安倍晋三が再任の1人を除き新任の4人全てを安倍晋三に近い人物で固めたのも、あるいは同じく安倍晋三に近い人物である籾井勝人を2014年1月にNHK会長に据えたのも、報道機関を手なづけたい独裁体質の願望から発した人事であるはずだ。

 もしそのような意図がなければ、報道機関を手なづけたい独裁体質からの人事であることを疑われないためにバランスを取った人事を心がけたはずだ。

 この人事を民主党が公共放送の中立性を損なう可能性があるとして反対したが、自民党衆参多数の力を以って国会同意人事は賛成・可決された。

 その結果、経営委員12人のうち10人が安倍政権下で任命されたメンバーに入れ替わることになった。5人の人事のうち、再任が一人、残る4人が全員共安倍晋三に近い人物ということなら、その確率から言って、安倍政権下で任命された10人は全員が安倍晋三に近い人物と見ていいはずだ。

 いわば安倍晋三に近い人物でNHK経営委員を固めた。

 改めて言う。国家権力は常に報道機関を手なづけたい願望を持つ。手なづけて、意のままに操りたい衝動を抱えている。そして独裁的国家権力であればある程、その傾向は強い。

 NHK経営委員人事が報道機関を手なづけたい独裁的願望に反した人事でなければ、これ程にもバランスを欠くことはないだろう。そこには一般的な良識が見えない。

 だとすると、元々独裁体質を抱えている安倍晋三である、総選挙投開票の翌々日の報道各社幹部との会食にしても、同じ線上の行動と見ないわけにはいかない。

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