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イチケイのカラス 面白いよ

2021-04-20 21:00:11 | MUSIC/TV/MOVIE

イチケイのカラス。

竹野内豊と黒木華が主演する裁判官を主人公にしたドラマ。

これが面白い。

裁判官を主人公にしたドラマは初めてじゃないかな。

裁判官じゃないけど、時代劇には「遠山の金さん」や「大岡越前」など奉行ものがあったけどね、現代版じゃこの「イチケイのカラス」が初めてじゃないかな。

 

日本はアメリカと違って法廷ものってあんまり受けないからか、いろいろコンプライアンスがあって制作が大変だからなのか、裁判官が主人公とか裁判所が舞台のものはない。

裁判所は警察ドラマや弁護士ドラマの法廷シーンで出てくるくらいだ。でも、法廷でのメインはあくまでも被告と弁護士と検察官。無罪か有罪か論戦攻防が白熱してても、裁判官はせいぜい「静粛に」くらいしかセリフがない。

 

警察ドラマや刑事ものは数多くある。長寿やシリーズになってる人気ドラマも多い。でも、裁判のシーンが描かれることはほとんどない。捜査中心で犯人(容疑者)逮捕までがメイン。せいぜい取り調べシーン、自白するとこまでだな。

警察はその後に取り調べの内容や自白を調書にまとめて検察に送検。検察が保留、不起訴、起訴するかを判断して、起訴したらようやく裁判。ここら辺の流れさえあまり知られていない。

その検察を主人公にしたドラマは、単発ものや2時間ものではあったけど、連続ドラマでは木村拓哉主演の「HERO」が最初じゃないかな。

今回の「イチケイのカラス」を「HERO」の二番煎じだとか言ってる人もいるみたいだが、どこ見てんだ?全然違うぞ。無理やりこじつけんでもいいやん。共通してるのは破天荒な主人公であるってことと、小日向さんがどちらにも出てるって事くらいだもの。そもそも検察と裁判官では立場が違うねんからさ。

 

逮捕された容疑者の弁護を担当するのが弁護士だが、弁護士もののドラマも少ない。これまた単発ものや2時間ものではあったけど、連続ドラマでは堺雅人主演の「リーガル・ハイ」まではほぼ無かった。

というのも前述の通り、普通の暮らしをしている日本人にとって、裁判所ってほぼ縁のないところだからだろう。

ほとんどの人が裁判所でどんなことが行われてるかは、テレビや映画の場面でしか知らない。ましてや法廷に立ったことのある人は、犯罪者(容疑者)になったか民事訴訟を起こされた人くらいだろう。証言台に立つなんてこともまぁほんど無い。

刑事事件で起訴されて裁判になれば99.9%有罪判決が下されるってことも、松本潤主演の弁護士ドラマ「99.9」のおかげで世間に浸透したが、それまでは知られてなかったもんな。

いや、それ以前に一般人は拘置所、留置所、刑務所の違い、執行猶予とか保釈とか保釈金とかのことなんかも、ちんぷんかんぷんだろう。

起訴されて有罪判決が出るまでは容疑者でしか無い。不起訴や無罪になれば無罪だ(もちろん上告とか二審・再審で有罪判決になる場合もあるけど)。

それなのにマスコミ・メディアは、芸能人が逮捕されたとか拘留されたらもう犯人扱い。連日ワイドショーでアレヤコレヤと騒ぎたて、いかにも最近調子に乗ってた故の事件だとミスリードする。

その後、不起訴になろうが起訴保留になろうがそのことは書かない報じない。犯罪者のような扱いのままだ。

「ご迷惑をおかけました」と、警察署や拘置所の前で頭をさげる芸能人に容赦なくカメラのフラッシュたきまくり、マイクを向ける。取材してるマスコミやメディアの連中はそのあたりちゃんとわかってるのかねぇ。

 

明らかに美人局に引っかかったような婦女暴行容疑をかけられた高畑裕太も不起訴だ。

未成年とはいえシングルマザーに完全にはめられた小出恵介も書類送検はされたが不起訴処分だ。

「車でひき逃げしたぁ」と散々騒ぎたてまくられ道路交通法違反容疑の伊藤健太郎も不起訴処分だ。

犯人扱いで散々騒いだマスコミやメディアは、彼らに謝罪したのか?

 

そりゃ中には覚せい剤や大麻などの薬物使用や所持、暴行や傷害事件などの現行犯逮捕など、一発でアウト誰がどう見てもダメだろうってのもある。

でも起訴か不起訴かは検察の判断、有罪か無罪かの判決は裁判所の判断だ。マスコミが決めることではない。

 

そういったことを考えながら「イチケイのカラス」観るのも悪くないよ。

月9のドラマにしては、いかしたファッションキメた横文字職業のかっこいい男女も出てこないし、好きだの嫌いだの、誰と誰が付き合ったり別れたりしないしないんだけどさ。

まぁ「こんな裁判官はいねえよな」ってのは言いっこなしでね。

それはどんなドラマでも言えることだからさ。