GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

ぐつぐつお鍋 シンプルな鍋がいい。

2016-10-11 17:46:54 | BOOK/COMICS
最近一気に寒くなってきた。
寒くなってきたら鍋。
別に夏に鍋をしてもいいんだが、エアコンの効いた部屋で鍋にしようとか思わない。鍋はやっぱり寒い日のほうが似合う。毎日鍋でもいいくらいだ。

面白そうな本を見つけた。おいしい文藝【ぐつぐつお鍋】。
阿川佐知子、安野モヨコ、池波正太郎、酒井順子、坂口安吾、中島うさぎ、宇能鴻一郎、江國香織、椎名誠、東海林さだお、ねじめ正一、本上まなみ、吉川英治・・・。
新旧さまざまな37人の作家が鍋について書いたエッセイを集めた本。
このおいしい文藝シリーズには【ずるずるラーメン】【ツヤツヤ、ごはん】と、タイトルだけで腹が減りそうな、いろんな作家のショートエッセイを載せた本がある。

今回はその鍋版エッセイ集。

よくもまぁこれだけいろんなん作家のいろんな本から拾い集めてきたなぁって感心する。
それぞれのエッセイの細かな内容はあえてここには書かないが、それぞれの鍋へのこだわりや考えが興味深い。
ある作家は思い出の鍋エピソードを、ある作家は好きな鍋のこだわりを。
すき焼き、ちゃんこ、ふぐ、アンコウ、どぜう、水炊き、寄せ鍋、キリタンポ、豚鍋・・・。
具材、調理法はもちろん、タレのことについて書いてる人もいれば、鍋奉行、〆のおじやについて書いてる人もいる。
十人十色というけれど、37人それぞれがいろんな角度から鍋について書いてる。

もちろんこの本を読んでも腹はふくれない。それどころか腹が減るだけだ。
もしダイエットとかしてる人なら絶対読まないほうがいい。読むと頭の中は鍋一色に占領されてしまうから。
あれが食いたい、これもおいしそうだだけではなく、カセットコンロのガスはまだあったかなとか、土鍋の新しいのが欲しいなぁとか、こたつを出さなくてはとか。

鍋は大きく2種類の人種に分かれる。
具材をあれこれぶち込んだ寄せ鍋系が好きな人と、シンプルに2,3種の具材だけの鍋が好きな人。
俺は後者だ。
鍋はできるだけシンプルなものがいい。

カニ鍋(カニすき)ならカニだけでいい。白菜もマロニーも水菜も、カニを取るたびにくっついたりするし邪魔だ。メインはカニなんだから、カニを食わせてくれ。無口になってくれて結構。カニをホジホジ次から次へと食いたいんだ。豆腐もえのきも白菜もしいたけも余力があればそのあとでゆっくりつつくから。春菊をぶち込んだのは誰だ(怒)
ふぐ鍋(てっちり)ならフグだけ。テッサと皮をポン酢で食ったら(唐揚げも、白子もあれば嬉しい)鍋の中はフグだけでいい。骨周りをしゃぶるのに春菊が邪魔してどうする。てっちりのタレはかなり柑橘系を効かせたポン酢が合う。柑橘は柚子でもスダチでも橙でもカボスでもいい。もみじおろしは忘れるな。
豚しゃぶなんかも他の具材を色々一緒に煮られると「それは豚しゃぶじゃない、寄せ鍋だ」って思ってしまう。向こうが透けそうなくらい薄く切った(肉屋で頼んで切ってもらうといい)肩ロース。それを出汁の効いた鍋の中で泳がす。他の具材はほうれん草だけとかでいい。

シンプル鍋の代表はやっぱり湯豆腐だろう。
昆布に切り目を入れて沈めておいて、その上に豆腐を並べる。
食通を気取って「湯玉がぐらっと上がったら食い時」なんてやってた時期もあるのだが、それだと一つ食べたらまた豆腐を沈めなきゃいけない。
そのルーティンワークに追われて、食うのに集中できないから、今は一気に全部の豆腐を先に沈めておく。
最初は柔らかく、生暖かい豆腐を食べ、徐々に熱くなった豆腐、最後の方はアチアチになった豆腐をフーフーしながら食う。これはこれでまた美味いのだ。
従って他の具材はいらない。えのきやネギなんかは途中で入れてもいいが、豆腐がメイン。その豆腐は絹漉しに限るね。

色々入った鍋はあまり好きじゃない。
魚介類をふんだんに入れた海鮮鍋や寄せ鍋は苦手。でも、最後のおじやは美味しい。いろんな食材から出汁が出るから美味い。
だから寄せ鍋は最後のおじや(雑炊)を食べるための出汁取りをしてるようなもんだと思ってる。
キノコ鍋は唯一許す。いろんなキノコが入ってると出汁がどんどん美味くなってくる。キノコ鍋の最後(〆)は雑炊よりうどんが合うね。


あれこれ入った鍋があまり好きじゃないのは、鍋奉行がうるさいからもある。
食べるのも、これは煮えた、それはまだ早い、今それを入れるな、ここが一番おいしいところだ。仕切られるのはまだマシ。どちらかというと俺も奉行の傾向があるからね。次々とぶち込まれ続ける食材。何々が足りないから入れろ、いろいろうるさい。いろいろ具材が入る鍋はルーティンワークが大変だ。
一番嫌なのは、なんか鍋の中でいつまでも食べられない食材を見つけてしまうこと。可哀想でね。だから俺はメインのカニやフグだけを食いたいのに、煮えすぎた白菜や、シワシワになったえのき、崩れかけた豆腐、とろとろになったマロニーばかりを食べる羽目になる。いつまで経ってもメインの食材を食べられない。ストレスが溜まる。
子供の頃に「野菜も食べなさい」「豆腐は栄養があるんだから」などと、メインの牡蠣や蟹、河豚なんかを取らせまいとした親との攻防戦を思い出す。
ましてや女将が横について「はいこれ煮えました」と取り分けてくれるような店はもっと大嫌い。好きなものだけを好きなペースで食わせてくれ。まぁ最近は全然そんなところに行けないから、いらない心配だが。

すき焼きは嫌い。関西風でも関東風でも。
すき焼きの牛肉はいい肉を使う必要がないと思う。あんだけ煮たら固くなるだろ。それなら安い肉でいいじゃないか。
関西風の先に肉だけを焼いて食ってからっていうのも嫌い。いい肉は塩胡椒+ニンニクで焼いたほうが美味い。何が悲しくていい肉を砂糖と醤油で焼いて、溶き卵に絡めて食わなきゃいけないんだ。シャトーブリアンやサーロインのステーキを溶き卵で食べたいか?だいたい肉を生卵で絡めて食うなんて、すき焼き以外では牛丼かユッケくらいしかしないだろ。ってことはすき焼き=溶き卵で食うのなら安い肉で十分だ。で、安い肉は鉄板で焼いて七味をぶっかけて焼肉のたれをつけて、ご飯と一緒に食べるほうが美味いことないか。

で、すき焼きが嫌いなのはもう一つある。俺はメインの肉ばっかり食べたいんだが、「豆腐も食え」「野菜も食べろ」って視線が痛い。ネギは?しらたきは?って。ジャガイモや玉ねぎもね。これはメインの牛肉を豚こまに変えたら肉じゃがになりそうなラインナップじゃないか。それならいっそ砂糖、醤油、酒を入れず水だけで煮て、仕上げにカレー粉をぶち込んでカレーにしないか?
俺は肉だけを食いたいんだ。かといって牛肉のしゃぶしゃぶってやつはさらに大嫌いだ。あれは牛肉の味がしない。ゴマだれなんてもってのほか。肉を食ったっていう充実感もない。しゃぶしゃぶに合うのは薄切り豚肉か、タコ、それと牡蠣くらいだ。

ちゃんこ鍋。これもお相撲さんが食べてるのを見ると美味しそうだが、俺は食べたいとはあまり思わない。
ちゃんこの「ちゃん」は親方、そして「こ」は子。親子で食べるものは全てちゃんこ。だから鍋とは限らないが、ちゃんこ鍋は体を大きくでかくすることが目的の、相撲取りにとっては理想の食事だ。したがって具材にデリカシーがない。肉と魚と野菜と、ありとあらゆるものがぶち込まれる。なんでもありだ。メインはなんだ。

石狩鍋、ほうとう、うどんすき、キリタンポ鍋。具材たっぷりだと逆にだんだん飽きてしまう。
しょっつる鍋ならハタハタだけを食いたい。アラ鍋ならアラやクエだけを食いたい。
水炊きも好き。博多では【水たき】と【水だき】と汁が透明か濁ってるかで分けられてるがどちらも好き。ただし鳥以外の具材は一つか二つまでにしてほしい。
はりはり鍋の潔さを見習ってほしい。クジラと水菜だけだもの。
どぜう(ドジョウ)の鍋も潔いな。どぜう鍋は味噌味で丸のまま煮込みネギをドバッとかけたタイプと、下準備で割いて頭をとっておいたものをゴボウと一緒に割下で煮たタイプがあるが、どちらもOKだ。
もつ鍋も好きだ。ただし玉ねぎや野菜は入れるな。ホルモンだけでいい。焼肉でも野菜なんて虫じゃないんだからちょこっと箸休めでいいのだ。キムチだけでいい。
そのキムチの鍋なら具は豆腐だけでいい。そりゃキムチチゲじゃなくてスンドュヴじゃないかと言われそうだが、あのスープに最も合うのは豆腐だ。えのきは許す。トッポギとかトックはたまに入れてよし。豆腐を食い終わったチゲに、今度は牡蠣だけを入れて第二ステージを始めるのも好き。チゲの〆はご飯でもいいが、韓国ラーメン(煮崩れしにくい麺)でもいい。

で、散々書いたが一番最高の鍋は何か。
文句なしに丸鍋。すっぽん鍋。究極のシンプル鍋。
鍋ごとガンガンに熱くして食うすっぽん丸鍋なら、火加減のこまめな調節も、次々と具材を入れなきゃいけない焦りも、鍋奉行の心配も要らない。
よく「地球最後の日が来るとしたら、最後の晩餐に何が食べたい?」って話になるが、俺は「すっぽん鍋」だ。(最後の食事というなら握り飯と熱い茶だが)
ツルツルお肌のプルンプルンの感触を楽しみ、パンパンになった満腹感。これ以上の至福は無い。
まぁどんな鍋でも最後の雑炊を食った後はいつも「あー腹いっぱい。このまま死んでもいいかも」って思うのだがね。
鍋、恐るべし。
また、この季節がやってきた。

熊本米焼酎 八代不知火蔵 白水

2016-10-11 03:30:01 | FOOD&DRINK
阿蘇山が噴火した。
36年ぶりらしい。
先日の熊本地震と関連あるのだろうか。
復興始めた街はまたもや火山灰で灰色に。

熊本はここ最近天災にやられてるなぁ。
以前、藤原紀香さんがブログで「火の国」って古来からの表現をしたら、物を知らないガキどもが批判した。
震災復興を頑張ってる熊本県民に謝れみたいな内容ね。
その際に熊本県は「火の国」って表現が正しいこと、紀香に対して擁護コメント出さなかったなぁ。
その怨念のせいじゃないだろうか?

それともNHK大河の真田丸で、加藤清正がナレ死したからか?
49万石領主だった佐々成政亡き後、寧々の後押しで3千石から一気に25万石の大名になった加藤清正は、つい先日、有働アナのナレーションで亡くなった。
そういや残り24万石の領主になった小西弥九郎(行長)も関ヶ原の合戦後、石田三成と一緒に処刑された。こちらはナレ死さえなかった。

ただ、先日もブログで書いたのだが、熊本は先走りすぎ。
震災の復興が終わってないうちから、なんか北海道のヨサコイソーラン祭りに参加したり、各地のイベントに参加してる。そして必ずコメントで「元気をもらったから恩返ししようと思って」などと言ってたりする。それらのニュース報道を見るたびに「何やってんだ?」って思ったのは俺だけじゃないはずだ。

支援や応援ありがとうって感謝の気持ちを伝えたいのはわかる。それはありがたいことだ。
しかし、それは復興してからやってくれればいいことだ。
支援やボランティアは、別に見返りや礼を求めてやってないんだからね。かしこまってお礼も言わなくていいくらいなのに、早々と各地でクマモンがお礼言ってる。これって事故で入院した際、見舞いに来てくれた人に退院してすぐ、まだ完治してなくて通院してるのに快気祝いや礼状を出してるようなもんだ。

こういった大規模災害の場合は、復興に時間がかかるんだから、じっくり取り組んでくれ。焦らなくていい。
それよりも地元の被災者たちの行政支援などをやってくれればいい。
各地のイベントに「元気をもらったから」とか参加する暇があるのなら、その分地元の復興に回ってくれればいい。
しかも中途半端な状態で下手にお礼言われちゃうと、今回みたいにまた災害があった際、手を差し伸べる事ためらうしね。そっち(熊本)だって頼みにくいだろ?

それに熊本城の復興だって焦りすぎ。
秀吉恩顧の大名で、朝鮮にも出兵した評価と報酬で、三成との関係悪化から関ヶ原で東軍につき、秀頼を守ろうとした清正が作った名城、熊本城。
そんなに簡単に復元できるもんじゃないんだから、もっとじっくり取り組んだらいいのにって、ハラハラするくらい焦りすぎ。
水前寺公園の池の水が震災後枯れた原因だって、判明したって話聞かないがあれはどうなったんだ。
震災時に届いた支援物資が未だ役所で山積みになってたはずだが、あれはどうなった?
やることいっぱいあるのに、何やってんだろ。

そして今回の報道で気になったのは、熊本県知事や、県職員のコメント。
トマトをはじめ農作物もかなりの被害にあったみたいで、農家の支援や財政のことなど大変だろう。だけどメディアの取材に対してのコメントがちょっと疑問感じるのよ。

県の担当者は
「地震以降、農家は生育管理に苦労しながら丹精込めて育てており、今後、阿蘇産というだけで風評被害が起きることを危惧している」
と語った。
何なのこのコメント。
火山灰がついただろうから熊本産や阿蘇産は買わないだろうってか?
だいたい風評被害って何を指して言ってるの?

蒲島郁夫知事は
「阿蘇はここ数年、豪雨や地震、噴火と災害が続いている。農業にも観光にも風評被害が出ないよう情報発信したい」
と話した。
これも何なの?ってコメント。
熊本は風評被害って言葉を勘違いしてないか?

火山灰がついて売りもんにならないなら出荷しなかったらいい。それこそ県が買い取ればいい。
それ以外は問題ないものしか出荷していませんって言い切ったらいいのじゃないのか。
それで、どこかの大学教授とか、専門家を名乗るバカが
「火山灰には有害な何とかが含まれてて、それが降って土壌にしみこむと、その田の作物がどうたらこうたら」
って言い出したら
『風評被害はやめてくれ』
って言えばいいだけやん。
言われもせんうちから、
「風評被害が起きることを危惧してる」
って何なんだろう?何をビビッてるんだ?

火山灰如きがどうこう言うなら、鹿児島のさつま芋とかは全く売れてないはずだぞ。
牛肉も、黒豚も、鶏もな。
鹿児島の桜島は年がら年中噴火してる。さらにここ最近は活動が活発になってきた。
しかし鹿児島県民はもう火山灰に慣れたもの。
ゴミの分別にも「生ゴミ」「不燃物」「火山灰」って当たり前のようにあるらしい。ビニール袋も「火山灰用」ってのがあるのを見た。
熊本は火山灰の処理や対策をお隣の鹿児島に聞く方がいいかもしれない。

別に復興支援ではないが、熊本の米焼酎を買う。
この時期は米焼酎だな。まだまだロックやソーダ割りが美味しいから。
麦や芋もいいけど、これらはお湯割やお茶割りも美味しいからな。

今回買ったのは八代不知火蔵の白水。
製造元はメルシャン。ってことは桶買いみたいなものかな。
日本の名水百選にも選ばれた、南阿蘇の白川水源の湧水を必要な量だけ汲み上げ、その日のうちに仕込み水や割り水などに100%使用して使い切る。
白川水源の新鮮な水で作った焼酎だから白水とネーミングされてる。
なのに残念ながら「球磨焼酎」のラベル表記されてない。原材料の米が国産だけど熊本産じゃないのかね。

まぁ、飲んで美味しけりゃそれで良し。