日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)






 私が愛読している
メルマガ『台湾の声』に、さりげなくも心に沁みるエピソードが出ていました。同誌の承諾を得て以下に転載致します。



 【読者便り】台湾・タクシーのうんちゃん


 平成十二年十月のことである。台北市内のどこだったか、タクシーに乗った。

 タクシーの運転手は今から思うと六十代か、ひょっとしたら七十代くらいか、かなり歳の人だった。私が座席にすわると、すぐ私が日本人であることに気付いて、日本語で話しかけてきた。

「あなた、日本の方ですか。日本人は今でもよろしくやってるか。いやあ、日本はすばらしい。日本の教育は徹底している。」

「はあ、そうですかね。」

「あなた、○○先生知ってますか。」

「いえ、存じ上げませんが。(心の内で、知ってるわけないでしょ)」

「今でも日本から先生を呼んで同窓会をしますよ。先生の御恩はいつまでも忘れません。」

 うんちゃん(うんちゃんは台湾語になっている)の日本賛美は延々と続く。

「日本の教育は今でも世界一でしょ。」

「今はどうかな。昔の日本の教育は、確かに厳しくてすごかったんでしょうね。」

 正直どう答えてよいか困った。うんちゃんには、いつまでも美しい日本の印象のままであってほしいと思う。


 読者




 日本には台湾という隣国があります。しかしながらこの国家は、国際社会において国家として認知されることが少なく、日本も国交を結んでおりません。

 しかも、中国によって根拠なきまま併呑されかねないという危険を常に抱えている国です。

 中国は「併呑」の方法について、
武力侵攻という選択肢を捨てようとはしません。つまり、いつ中国が侵略戦争を仕掛けてくるかわからない、という可能性の上に息づいているのが台湾という国家です。

 ただし厳密にいえば、台湾も国家として正常なカタチを整えてはいません。中華民国という国名のもと、中国全土はおろかモンゴルまでをも領土と定めている憲法をいまなお有しています。正すべき虚構が、正されぬまま現在に至っているのが現状です。

 むろん、虚構を正そう、正常な国家に生まれ変わろう、という動きは台湾人の中にあります。
「正名・制憲」運動というのがそれであり、台湾に似合った国名へと改め(正名)、現状に則した新憲法を制定する(制憲)というものです。

 ――――

 しかしそれを実行に移せば、中国が武力侵攻に出るという可能性があります。台湾併呑に動けば中国も国運を左右するダメージを受けることになるでしょう。

 とはいえ中国は、中国共産党による一党独裁政権です。

 その中国共産党は事実上「台湾統一」を最重要課題としており、いざとなれば武力に訴えても、それによって北京五輪が中止になったり経済制裁を受けたりして全世界を敵に回しても、それでもやり遂げるのだという強い意志を有しています。

 むろん中国はそういう事態を極力回避しつつ台湾を併呑しようと考えているでしょうが、仮に強硬措置に出て、経済制裁などによって中国経済が失血死状態になっても動じることはないでしょう。

「たとえ5億人が餓死することになっても、まだ8億人いるじゃないか」

 という価値観の独裁政権なのです。

 ――――

 台湾の総人口は約2300万人。このうち、国共内戦に敗れ台湾に乗り込んで来て外来政権として統治した蒋介石以下の中国国民党とその眷属、いわゆる「外省人」の数は全体の2割にすら届きません。元々台湾で暮らしていた人々である「本省人」にとっては、迷惑きわまりないことだったでしょう。

 しかし、40年近くに及ぶ戒厳令統治が1987年に終結し、その後、李登輝・前台湾総統(総統=大統領)が一滴の血すら流すことなく民主化を実現するという奇跡のような出来事をやってのけました。

 その新体制の下で民主的な選挙が実施され、中国国民党はついに政権を失うことになります。2000年のことです(余談ながら、現場運には常に恵まれている私はそのときたまたま現地に出張していて、歴史的瞬間に現地で立ち会うという僥倖を得ました)。

 8割を超える圧倒的多数の本省人にとっては、ごく自然に
「本土意識」(台湾人意識)というものがあるでしょう。外省人として、台湾ですでに三代、あるいは四代を重ねています。いかに外省人の末裔とはいえ、台湾で生まれ育ち、台湾本位の教育を受けて成人しているのですから、若い世代には「本土意識」のようなものがあるでしょう。

 対中ビジネスなどを通じて中共政権に違和感や異質さを感じることで、台湾人の「本土意識」はより強化されていると思います。現に私が現地で親しく接した台湾人たちは、「中国人」と呼ばれることを激しく拒否していました。

「自分たちは台湾人だ。中国人ではない」

 ということです。

 ――――

 ですから心情的には、台湾をありのまの姿で正常な国家へと生まれ変わらせる「正名・制憲」運動を支持する国民は多数派を形成していると考えられます。

 ただし中国がチラつかせる武力侵攻がシャレでないことを察して、あるいはそれを案じて、世論調査や選挙などでは「現状維持」という無難な選択を行う台湾人が少なくありません。

 その選挙がいま、まさに今日(1月12日)、台湾で投票日を迎えています。立法院(議会)選挙です。今回からは二大政党制を形成しやすい小選挙区&比例代表制が導入されました。「正名・制権」を標榜する民進党と中国国民党の争いということになるでしょう。

 これは任期満了に伴い3月に実施される台湾総統選挙の前哨戦と位置づけられた重要な政治イベントです。

 単に前哨戦と片付けられない重要性は、議席配分で一方が三分の二(76議席)以上を獲得すると、総統を罷免するかどうかを問う国民投票に持ち込むことができる点にあります。この国民投票で過半数が罷免を支持すれば、総統は解任されることになるのです。

 中国国民党など民進党・陳水扁政権と対立関係にある野党は過去に立法院でこれを試みようとしたものの、「三分の二」を満たすことができずに流産したことがあります。

 また、今回の選挙結果が、3月の総統選に向けて台湾人のバランス感覚を発動させる可能性も見逃せません。

 例えば中国国民党が現状維持派(潜在的な台湾の正常なる国家化支持者)を取り込んで今日の立法院選挙で大勝した場合、総統選では逆に民進党の候補者に票が傾く可能性があるのです。

 ――――

 もし民進党が再び総統選に勝利すると、「正名・制憲」が実行に移される可能性が高いとされています。その第一歩が
「台湾」名義による国連加盟の是非を問う国民投票の実施です。対する中国国民党は中国国民党で、「中華民国名義による国連加盟」をテーマとした国民投票を行う構えです。

 前者が
「入聯公投」、後者は「返聯公投」と呼ばれています。「聯」とは「聯合國=国連」のことです。「中華民国」は1971年までは国連の一員であったため「国連に復帰する=返聯」なのです。ただし国際社会では日本を含め、「一つの中国」として中共政権を唯一の中国政府として認める国が大多数を占めるため、中華民国名義での国連復帰の可能性は限りなく低いとみられています。

 世論調査によれば、「入聯公投」の実施には台湾人の7割以上が支持を表明しています。むろん「入聯公投」実施に賛成=「台湾」名義での国連加盟支持、という訳ではありませんが、「正名・制憲」の潜在的支持者が多数いることを示すものであり、「入聯公投」が実施されるとなれば
中国にとっては座視できぬ事態です。

 この動きに対し、また立法院選挙・総統選挙に対して、中国当局は事態の推移を見守るといった抑制した姿勢を維持しています。これは、中国からちょっかいを出すと逆に台湾人の反発を招き、選挙結果が中国にとって望ましくないものになることを以前の経験から学習しているからです。

 選挙の期間中は台湾の世論を刺激しないよう大人しくしているのが得策、といったところかと思います。しかしいざ「入聯公投」が実施されるとなれば、中国が黙ってそれを眺めていることはまずないでしょう。

 このため、台湾にとっても中国にとっても、2008年は節目の年になるであろうと以前からみられてきました。いま正に、その歴史ドラマが私たちの目の前で進行しているのです。

 ――――

 最悪の事態として、中国による武力侵攻が想定されています。歴史ドラマとはいえ、これは私たちにとっては他人事ではありません。

 第一に、
台湾には万を超える日本人が暮らしているからです。また台湾有事となれば米軍が介入し、自衛隊がその後方支援(兵站)を引き受けることとなっています。米軍は空母戦闘群など水上戦力を出動させる一方で、陸上基地からの航空攻撃を実施することになるでしょう。その基地のひとつが沖縄であり、あるいは米海軍に寄港地を提供している佐世保横須賀です。要するに台湾有事が現実化すれば、日本もまた当事者となり、中国の武力攻撃を受けかねないということです。

 第二に、中国が台湾併呑に成功した場合、日本のシーレーンが直接的な脅威にさらされることになります。日中が対立するテーマが出現したとき、中国は台湾近海の封鎖というカードをチラつかせることによって、日本の譲歩を引き出すことが容易になります。日本としては、台湾近海を封鎖されると中東や東南アジアからの資源輸入が事実上困難になるからです。

 台湾にとってみれば、日本が中国支持に回って台湾併呑を黙認するようであれば、政治制度から社会状況、教育、生活などの一切が激変することとなります。普通選挙を実施している民主的な国家が、一党独裁政権に取り込まれるとどうなるか。相応の民度を有しながら、返還後10年を経ても未だに普通選挙の実施が許されない香港をみれば明らかです。

 最近、
「香港の首長選挙は2017年、議会選挙は2022年から普通選挙制を導入する」という方針が中国で固まりましたが、ここでいう普通選挙とは、親中派が有利になるよう様々な制約が加えられた「なんちゃって民主化」。市民には半ば諦めムードが漂い、香港の民主派は激しく反発しています。

 それより何より、香港の中国返還に関して英国と取り交わされた約定の中に
「当初50年間は現行の制度の大枠に手をつけない」という一項があります。これをえげつなくいうとすれば、「あと40年すれば、香港をどう料理しようと中国の思いのまま」ということです。

 ――――

 当然のことながら、香港人以上に「本土意識」の強い台湾人が、香港と同じ運命になることを欲している訳がありません。それを避けるために、現状維持を続けるにしても、日本と米国の政治的・軍事的・経済的支援は不可欠なものとなります。

 いうなれば、
日本と台湾は運命共同体ということになります。お互いに相手が立場を変えれば国家運営そのものが危機に陥りかねないということです。中国が2005年3月、台湾併呑に対する国内的な根拠をつくるため「反国家分裂法」を制定したことに対し、台湾はすかさず「三二六大遊行」(同年3月26日に台湾で実施された反国家分裂法制定を非難する巨大デモ)を実施して強く反発しました。

 その際、日本人留学生のグループが台湾人学生たちとともに一隊を組織してデモに加わり、

「護台湾,護日本,護亞洲!」
(台湾を守れ、日本を守れ、アジアを守れ!)

 というシュプレヒコールをあげつつデモを行いました。日本と台湾が運命共同体であることを考えれば、これは単なるスローガンとして片付けてよいものではありません。日本人としては、現実の危機として受け止めるべきものでしょう。

 ●性犯罪ですよこれは。(2005/03/13)
 ●「三二六大遊行」雑感。(2005/03/28)

 ――――

 こういう時期に、日本の教材・玩具メーカーが台湾の帰属について中国の主張を鵜呑みにした地球儀を販売していたことは、誠に遺憾というしかありません。

 「中国の主張を鵜呑みにする」とは
「台湾は中国の一部」と認めるということだからです。……しかもこれは、

「台湾は中国の一部という中国側の主張を日本政府は承知しているが、日本はこれを承認してはいない」

 という日本政府の公式な立場(日中共同声明)にも反するものです。言語道断というべき事件でしょう。

 不幸中の幸いというべきか、この地球儀問題に関しては、台湾を支持する日本の諸団体ばかりか一般市民からも広範かつ多くの抗議がメーカーに寄せられ、メーカー側はその勢いに圧倒されたかのように地球儀の販売中止と、すでに販売した分については希望者があれば回収することをほどなく発表しました。

 ●中国指示で「台湾島」表記、地球儀の販売中止…学研子会社(YOMIURI ONLINE 2008/01/10/22:51)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080110i215.htm

 ●台湾を「台湾島」と表記 学研などが地球儀を販売中止に(asahi.com 2008/01/11/01:32)
 http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY200801100363.html

 ●学研地球儀 主権問題はもっと敏感に(MSN産経ニュース 2008/01/11/03:05)
 http://sankei.jp.msn.com/life/education/080111/edc0801110305000-n1.htm

 ――――

 ともあれ、日本人は台湾という国家について、日本とは運命共同体という関係にあることを認識し、国益の面からも、また
隣国の中では唯一無二の親日国という面からも、台湾の現在・過去・未来について深い関心を寄せ、正常な国家として生まれ変わろうとしている台湾の「応援団」として、歴史的な節目となるかも知れないこの時期に、ひとりひとりが自分にできることを実行に移す必要があると私は考えます。

 常に心情的に日本を慕う、あるいはすがるようなところのある台湾に(すがり方がときに過剰となり「まず自分たちで優勢な状況をつくり出せ」と言いたくなることもありますが)、日本人もまた優しいエールでそれに応え、台湾と台湾人を強く支援するべきではないでしょうか。

 そうすることがまた、
現在の日本と日本人のためになることであり、ひいては未来の日本人に「いいもの」を遺す作業でもあるのです。私は、そう信じています。


 ●「台湾」は「中国」ではない!――日本で横行する不条理について。(2007/01/08)
 ●日本人として。(2007/01/09)

 ●【写真】李登輝さん、芭蕉記念館を参観。(2007/06/01)
 ●李登輝さん靖国神社へ、宿願果たし感無量の面持ち。(2007/06/07)


 ――――


 最後になりますが、文章転載を快諾して下さった
メルマガ『台湾の声』誌に心から御礼申し上げます。

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コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
総統罷免手続き (はげ親爺)
2008-01-13 02:30:02
>>議会の2/3 の賛成で総統を罷免できる・・・・

記憶が定かでなく申し訳ないのですが、台湾の総統罷免は立法院で2/3 の賛成を得たうえで、更に国民投票で1/2 以上の賛成を得る必要があったのでは・・・?

 
 
 
はげ親爺さんへ (御家人)
2008-01-13 04:14:08
 御指摘ありがとうございます。

 仰る通り、立法院で三分の二の賛成を得て罷免動議を成立した上で国民投票を実施し、有権者の過半数が罷免を支持すれば総統は解任される。……というのが正しい手続きでした。

 本文を修正しておきました。どうも粗忽で、恥じ入るばかりです。
 
 
 
【追記】これはスゴイ! (御家人)
2008-01-13 06:17:02
 【追記】当ブログと相互リンクしている台湾研究フォーラム会長・日本李登輝友の会理事の永山英樹氏のブログ「台湾は日本の生命線!」に地球儀問題に関する素晴らしいエントリーがupされています。永山氏の電凸で外務省HPに重大な変化が。……これは必読です。

 ●偽造地図を「直す」と言った外務省中国課の約束を信じる(2008/01/12)
 http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-271.html

 
 
 
Unknown (shoku)
2008-01-13 07:21:41
おはようございます。

今回の選挙に関してですが、某台湾の本省人が「民進党にお灸を吸える」と言っていましたね。
そしてそういう考えの人が多かったとのこと。
日本と同じですね。
何でも、次期衆議院解散総選挙では「民主」支持を表明した人は、「自民」支持を大きく上回ったとの事。
「年金パワー」ですね。

「国連加盟運動」にしても、時間と税金の無駄遣いと判断する台湾人がいても不思議ではありません。
なぜって、そんなものを支持する国も滅多にないですし、肝心の日米も「媚中」路線まっしぐらなのですから。
このままでは台湾は「世界の孤児」に成り果てるだけだと判断し、経済的にもより期待の持てそうな国民党を支持する人が増えてもおかしくないですね。
 
 
 
shokuさんへ (御家人)
2008-01-13 11:09:10
 民進党は鮮やかな負けっぷりでしたねえ(笑)。

 基本的には、中国国民党の歴史的大勝と国連加盟云々は関係ないと私は思います。民進党があまりに情けないために、二大政党制志向型の投票システムによって中国国民党へと一方的に票が流れた、ということではないでしょうか。

 経済政策で民進党が票を集められなかったのは事実ですが、それでは中国国民党に任せれば大丈夫かといえば、それも未知数。民進党は台湾経済の調子がおかしくなり出した時期から政権を担当してきた分、割を食っている面があると思います。過去8年がもし中国国民党政権だったら経済状況は違ったものになっていたかどうかは疑問です。民進党より少しはマシな経済運営ができたかも知れませんけど、頑張ってもその程度だったのではないでしょうか。

 最大の原因は、台湾人が政治芝居に飽き飽きしたというあたりではないかと。今回の選挙の特徴は投票率の低さだと私は思います。4割以上の有権者が投票所に足を運んでいません。「政治離れ」といった状況があるのだと思います。

 で、投票した有権者の中には確かに「民進党にお灸を吸える」という向きが少なくなかったのではないかと私も思います。うんざりするほど内訌劇を見せつけられた訳ですから、「正名・制憲」の潜在的支持者も愛想を尽かすでしょう。

 民進党があれほど一枚岩になれないのであれば、小選挙区・比例代表制の二大政党制志向型システムである以上、中国国民党に雪崩の如く票が流れても不思議ではないと思います。それでも比例代表枠で4割を取れたことを民進党は僥倖と考えるべきでしょう。

 中国国民党は大勝したことで、十字架を背負った一面があると思います。積極的か消極的かはともかく、いずれにせよ本省人の多くが中国国民党を選択しました。その中には「正名・制憲」の潜在的支持者である現状維持派も多く含まれているでしょう。まあ「正名・制憲」は別としても、「本土派」の多くが中国国民党に投票したのです。

 こうなると「現状維持」から「最終的には統一」へと迂闊に軸足をずらす訳にはいかなくなります。そろそろ党名から「中国」の二文字を外すべきかも知れません。

 総統選がどうなるかは相変わらず予測しにくいです。民進党にとっては、陳水扁が大敗を受けて民進党主席の座をあっさりと下りたことで党内部の分裂状況が整理されることになるでしょう。これが謝長廷にとってどれだけプラスになるか。それから中国国民党が勝ち過ぎたことに対し、民意はどう反応するか。議会選挙と大統領選は別物ですから、投票率も変わってくるかも知れません。素直に読めば馬英九有利ということになりますけど、果たして、果たして。中国国民党が「国民党」へと身軽になる決断を下せれば、間違いなく馬英九が勝つでしょうけれど。

 中国側は、あるいはこの選挙結果に当惑しているかも知れません。複雑な表情であろうことは確かだと思います。

 まあ、まずはちょっと寝て、それからまた考えることにします。


 
 
 
過度の省籍対立煽動の愚 (shoku)
2008-01-13 15:53:19
御家人さん

>最大の原因は、台湾人が政治芝居に飽き飽きしたというあたりではないかと。

それありえます。

例えば、台湾独立勢力は、当初「外省人は台湾の敵」と見做し、「外省人は、みな中華思想に染まった反日分子である」かのように内外に喧伝しました。
実際には、外省人の中にも「本土志向」の人がけっこういたはずですし、若い世代は、本省人以上に「哈日族」が多かったと思いますが、「シナ人」として一律にコレを叩きのめし、彼らの気分を一気に萎えさせました。
私もかつては『台湾の声』を読んでいましたが、これによって“ドン引き”となり、今はたまにしか読んでいません。

この、台湾独立派が仕掛けた、政治戦略的「省籍対立煽動」を真に受けた日本人の保守派らが、相変わらず「外省人は全員中華思想に染まった反日分子であり、やつらは所詮シナチクである。」と見做して、ネットで「シナ人の危険」を宣伝しまくる始末。
このバッシングに恐れ戦いた知人の外省人が、すっかり意気消沈していました。

こういった「演出」については、台湾人ではない私も、少々辟易しました。

しかし、馬がこの先勘違いした「大中華思想」を振りかざすようだとそれもちょっと時代錯誤ですね。
国民党は、ある程度「本土化」して欲しいものです。

「台湾を愛せよ、国民党。」とエールを送っておきたいと思います。
 
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