日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





Aさん:


 新年明けましておめでとうございます。m(__)m

 レスが遅くなってしまい大変申し訳ありません。ブログでも書いていますが目下繁忙期の真っ最中で、なかなか時間がとれなかったのです。読み流すのと精読するのでは要する気構えが異なります。メールを頂いて以来,毎日返事を書かなきゃと気にかけてはいたのですが、これは精読すべき内容だと思いつつも、それを実行する余裕がなかなかありませんでした。

 前回差し上げたメールの末尾にて、

 いろいろ大変なことがあって御苦労が絶えないかと思いますが、日本語を教えるという作業は日本語に付随して日本文化や日本の民度を学生に染み込ませるものでもあります。とても大切な仕事ですから是非頑張って下さい。

 と申し上げたかと記憶しております。ストレスはたまる一方でしょうが、Aさんが現地で中国人に日本語を教えるというお仕事をいまも続けていらっしゃることをとても嬉しく思います。

 ――――

 さて、中国人のマナーの悪さ、公徳心の欠如などについてですが、最近のエントリーでもふれたように、私はこれについては基本的に、

「明日の生活が保証されていない。明日はどうなるかわからない」

 という観念が中国人の根底にあるからだと思います。

 現在の中華人民共和国を含む「歴代王朝」が常に護民官というスタンスでの統治を行わず、ただただ収奪者であり続けたため、庶民は自己防衛のために、

「明日はどうなるかわからない。だからやったもん勝ちだ」

 という行動原理に傾き、それがマナーの悪さや公徳心のなさとして表れているのではないかと愚考する次第です。三千年でも五千年でもいいのですけど、長い歴史を経て漢民族の遺伝子に組み込まれている習性のようなものだと思います。

 ●「省エネ列島」に学べ?まあ半世紀はかかるわな。(2008/01/06)

 伝統的習性であるために、これは一朝一夕でどうなるというものではないと思います。実は私がマナーの悪さや公徳心のなさに接して、

「中国人は明日の生活が保証されていない。明日はどうなるかわからない。……という観念が根底にあるからだ」

 と思い至ったのは、香港在住時代です。中国人ではなく香港人に接するなかで不快な思いをし、そのことを考え、自分なりにそう結論を出しました。香港は本来が植民地社会であり「明日の保証」などありません。その香港の人口を急増させた中国本土からの脱出組もまた「明日の保証」がないから逃げてきた面々。

 程度の差はあれど、日本人からみると香港人にもマナーの悪さや公徳心のなさを感じます。スーパーのレジ袋有料化が中国に導入されるそうですが、香港はすでにそれを試みて失敗に終わっています。

 ――――

 作文の授業で台湾の帰属に関する話が学生から出たとのことですが、これは受け流して相手にしないことをお勧めします。厳密にいえば、

「台湾は中国のものではない」

 と公然と口にするだけで中国本土では違法行為となりかねません。極端な仮定とお笑いになっても結構ですが、その話題を切り出した学生は、あるいは「台湾」を持ち出すことでAさんの価値観(思想傾向)を探り、中共政権の価値観に沿っていないのであればそれを修正させよう、という動機があったとしても不思議ではありません(もし学生会に所属している学生なら間違いなくそうだと思います)。

 その際に、

「教室が『台湾は中国のもの』ということを否定できない空気に包まれた」

 のは当然のことで、第一にそういう価値観を繰り返し叩き込まれているため、私たちが「台湾は中国のものではない」と思うような自然さで学生たちもまた「台湾は中国のもの」と考えているからです。第二には、これは台湾問題には限りませんが、
「複数の中国人を前に政治の話題を出さない」という配慮が中国本土では必要です。

 学生は無邪気な部分がありますし、最近はかなりざっくぱらんになってきたかも知れませんけど、中国人は他の中国人がいる前で政治の話題について本音で語ることは避けようとするものです。そのときの発言を証拠に後日どんな政治的陥穽に遭うかわからないからです。

 この感覚は文化大革命を体験していない世代から希薄になりつつはあります。ただ前回も書いたかも知れませんが、中国人はひとりひとりが自分の周囲に垣根をめぐらせていて、垣根の外の人間の前では本音をなかなか語りません。逆に垣根の中に入ったと認識すればその人を
「自己人」(zi4ji3ren2)としていわば身内扱いし、本音で語り合うこともあれば、「自己人」同士の一種の責任として相互扶助のような義侠心を発動させることもあります。

 これも「明日の保証がない」社会で生きていくための自己防衛なのだろうと思います。このあたりは司馬遼太郎の『項雨と劉邦』()がその機微をよく捉えています。中国人というものを考える上でも示唆に富んだ小説です(特にあとがきは必読)。

 ともあれ、Aさんが感じた教室での異様な空気は、「自己人」の集まりではないために誰もが公式見解で応ずるほかなかった、といったところかと思います。歴史問題など日中関係に関することは、反日風味満点の江沢民型愛国主義教育を受けて育ってきたために、本音でない場合は金太郎飴のように同じような答が返ってきたりします。

 ただ数学の公式を暗記するような叩き込まれ方をされているので、ちょっと攻め口をズラしてみると相手が動揺したりします。例えば「天安門事件」の話を切り出せば型通りの反応が返ってくるでしょうが、天安門事件そのものではなくその端緒となった民主化運動から切り出すのです。

「前年のスーパーインフレや党官僚による汚職の蔓延、それに富の再分配に関する様々な格差や不公平などの問題が学生や知識人たちを立ち上がらせたと思うのだがどうか?」

 と尋ねたりすると、それは公式で対応できる範囲外のことですし関連知識として教わっていないことが多いので、往々にして相手は返答に窮したりします。

 ――――

 私は「反日」に転じた後の中国本土で生活したことはありませんから実情はわかりませんけど、個人の生活圏において日本人ということで突っかかってくる反日馬鹿はそう多くないのではないかと思います。

「今は、日中友好ですから……」

 というAさんの御同僚である中国人教員の言葉が示すように「反日」はお題目(道具)という側面がありますし、国民感情としていえば……これは「自己人」でない限りなかなか話してはくれないでしょうけど、
「反日」よりも「反中共」(「官」への反感)の気持ちの方がずっと強い筈です。

 ただ、ふだん普通に付き合ってくれる中国人がネット上で反日論を展開していたりすることはあるかも知れません(笑)。若い世代であれば教育による「反日」刷り込みで生じた感情の発露という一面もあるでしょうけど、公然と「官」に楯突けないため「反日」を語って鬱憤晴らし、という一面もあります。

 実際のところ、江沢民型愛国主義教育(反日教育)を受けた若い世代でも、むしろ「反日はお題目」と割り切って考えている人の方が多数派かも知れません。生真面目な学生、あるいは単細胞な向きほど感情的で根強い「反日」を抱いてしまうのではないかと思います。でもそうした「洗脳」されてしまった学生は少数派ではないかと私は思います。

 ただし、中国人は公然と本音を出すことはしないので、大勢の前では誰も公式論しか口にしてくれず、いきおい日本人からみると
「こいつらみんな反日」みたいに映じるのかも知れません。また、何かの拍子に「反日」フラグが立った場合は、「反日」をお題目と割り切っている学生も一応刷り込みが施されているため、「反日」の流れに付和雷同する可能性が高いかと思います。

 江沢民型愛国主義教育を受けてきた若い世代が日本のアニメやJ-POPにハマっているという不思議さも、「洗脳された派」以外は、教え込まれた「反日」など所詮はお題目と割り切っているので葛藤することなく
「いいものは、いい」と受け入れているのではないかと思います。そもそも「明日の保証」がない中国においては、「反日」なんかより今日の生活を最大限享受する方が重要でしょう。海賊版や違法ダウンロードなどの掟破りをしても、です。そこは「やったもん勝ち」ですから(笑)。

 ただし、ひとつだけ覚えておかねばならないのは、
「日本鬼子」と「小日本」は違うということです。前者は19世紀以降に生まれた「反日」ですが、「小日本」は「自分たちが世界の中心」という漢民族から抜くことのできない中華思想の発露であり、「侮日」(日本を軽侮する・格下扱いする)ともいうべきものです。

 「反日」は党中央の方針次第で出現したり消滅したりしますが、「侮日」は歴史の産物というべきいわば漢民族の伝統的習性なので、こればかりは消すことができません。日本企業の広告や、中国を題材にした日本のアニメやドラマ(孫悟空とか三国演義とか)などを槍玉に挙げて「中国人を侮辱している」などと過敏な一大反発が生じるいわゆる
「辱華事件」がしばしば起こりますが、これは「反日」ではなく「侮日」フラグが立ったことによるものです。

 香港と台湾を比べたときに際立つのがこの「侮日」感情の有無です(台湾人には中華思想はありませんから)。ですから例えば日本モノに親しんでいるといっても、香港の場合は台湾人のように日本そのものに憧れる連中はそう多くなく、「いいものだから、好き」というニュアンスでサブカルチャーを含む日本文化を受容している傾向が強いです。

 香港人の対日感情はその奥底にある種の嫌悪感が存在しているように私にはみえます。でもそれは「反日」(太平洋戦争で日本軍に占領されていますから)というよりは日本人をどこか小馬鹿にした感じ、つまり「侮日」が根底にあるといった印象です。たぶん中国もこれに近いのではないかと思います。

 ――――

 Aさんが指摘なさっているように、私もまた、
「明日はどうなるかわからない。だからやったもん勝ちだ」という行動原理に支配されている上に「侮日」感情が根底にあり、しかも中共政権下での江沢民型愛国主義教育で硬直した日本観を教え込まれ、また柔軟な思考癖を身につける機会のないまま成人した中国人が大挙して日本に乗り込んでくることを危惧しています。

 それと同時に、「日本人は日本人たれ」ということをも強く考えます。

 植民地統治された上に国民党による反日教育を受けた台湾人の間に、それでもなお「日本精神」という褒め言葉が残っています。

「自分は日本人なんだから外国人の手前、恥ずかしいことはできない」

 といった当時の日本人たちの矜持というか痩せ我慢のようなものの結晶だと思うのですが、こうした矜持や痩せ我慢は海外のみならず日本国内でも必要であり、先人の多くがそうであったように、それができるような躾の備わった日本人でなくてはならないと私は考えています。

 だから私はブログで書いているように口うるさいオッサンになることが少なくないのですが(笑)、やや大袈裟にいえば、これは先代の日本人が繁栄を私たちに遺してくれたように、私たちもまた次世代の日本人たちのために無為であってはならず、小市民でもできることはちゃんと成し遂げようという思いによるものです。

 いまを生きる日本人である以上、日本人であることに無為であってはいけないと思うのです。

 同様に、日本あるいは日本人を何らかの形で侵そうとする動きに対しても無為であってはならないと自分に言い聞かせています。

 中国で顕著な見逃せない状況に対しては、それを見て眉をひそめたり笑っていたりするのではなく、たとえゴマメの歯ぎしりでもどんなに非力でも、あるいは他人から笑われようとドン・キホーテと嘲られようと、日本人である以上、自分にできることはちゃんとやっておきたい、というのが私の考えです。

 海外においては正にAさんが仰られる通り、ひとりひとりが「日本代表」です。私の香港在住時代はその多くが田舎暮らしでした。そのころ常に念頭にあったのは、

「こいつら香港人の中には、自分との接触が一生のなかで唯一日本人と接した機会になる奴もいるかも知れない」

 ということです。かといって別に偉いことをする必要も媚びる必要もありません。ごく自然に「感じのいい人」という印象を相手に残せれば「日本代表」として十分なのではないかと思います。

 ――――

 ただし中国はあくまでも一党独裁政権ですし、中国共産党の本質も反右派闘争、大躍進、文化大革命時代と全く変わっておりません。

「譲れないものは全世界を敵に回しても譲らない」

 という頑さが中国共産党の行動原理の根幹を形成していますので、政治的な言動にだけは十分ご注意下さい。教育機関にお勤めであるだけに、このあたりは日本企業の駐在員よりも神経を使う必要があるかと思います。……老婆心の繰り言ですから聞き流して頂いて結構です。

 ブログで何度か書いているのですでに御存知かも知れませんが、野暮を承知で申し上げますと、中国本土で使われる中国語の中には
「中共語」とでもいうべき字面とは別の解釈を必要とする単語があります。当局発表などで多用されるものです。

 ●「対話」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協議」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協力」→「中共への奉仕」
 ●「平和」→「中共による制圧下での非戦時状態」
 ●「友好」→「中共に従順」
 ●「交流」→「中共の価値観の押しつけ&軽度の洗脳」

 「軽度の洗脳」とは、

「中国はいい国だ」
「日本は昔なんてひどいことを中国と中国人にしてしまったのだろう。反省しないと」

 という気持ちにさせることです。

 それをわかっている日本人が少なすぎることに私は危惧を抱きます。政治家も国民もです。

 ブログからの引き写しになりますが、ざっくりと言えば、30歳以下の世代だと天安門事件(1989年)がどういう事態だったのかを、年少だったためにリアルタイムで認識してはいない筈です。中共が牙をむいたシーン、流血・粛清を伴う常軌を逸した政治運動といった中共本来の得意技を「体験」していないのです。

 
「中共政権=かなりオシャレな北朝鮮」ということに気付いていません。

 当然のことながら、「対話」「協議」「協力」「友好」「平和」「交流」といった「中共語」も正確に翻訳できないでしょう。昨年末の福田首相の訪中で、

「中日友好の高まり」
「交流のさらなる強化を」

 と中国当局や中国のマスコミ(中共掌握下のメディア)がはやし立てた理由は「中共語」として翻訳すれば容易に理解できます。また小泉政権を中国側が嫌悪し忌避していたことについても、

「中日友好ムードが冷え込み、両国間の交流事業も低調になった」

 と中国のマスコミが当時を表現していることから、「中共語」に照らせばその意図が明確になると思います。……余談が長くなりすみません。

 ――――

 今年の中国は社会状況が悪化しているだけでなく、新人事(政府系ポストの任期満了による世代交代などによって足場が固まらず権力の空白期が生じる可能性)、インフレ、株価、台湾問題、北京五輪など変動要因が多く、正直いって短期的には、例えば半年後にどうなっているかという予測ができません。

 現地の水にはすっかり馴染まれているとは思いますが、どうか御堅固に、健康第一で御無理なされることのないよう、東京の冬空の下で祈念申し上げております。

 つい長文のレスになってしまいました。Aさんからのメールに啓発された故ということで、諒として頂ければ幸いです。m(__)m


御家人 拜




コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )



« 【昔01】雑感... 台湾頑張れ!... »
 
コメント
 
 
 
わたしも (que)
2008-01-12 11:31:16
わたしも日本語をおしえています。
ぜひAさんと話がしてみたいです・・・

わたしはこの話題、避けて通ってません。むしろ学生のほうがさけてます(笑)

公安にビザとりにいくというだけで、学生に心配されるのはこういった普段の行いの積み重ねでしょう(笑)

中国と台湾とどちらが自由があるのか?
いま自由という権利をもっている台湾人がそれを放棄したいと思うのか?
じゃ、まず中国が自由な国になる必要がありますね~はは~ってな感じです。


個人的に話しにくる学生もいるし、
スパイだ!帝国主義者だ!と影でののしってる学生もいるし・・・
いろいろですね。
学生の中には党員も何人かいるので心配は心配です。

日本語学科の学生も私たち日本人からみれば十分反日ですが、中国人から見れば親日ということでいろいろ嫌がらせうけることもあるようです。

日本なんて大嫌いだって日本人のまえでいう日本語学科の学生もいますけどね(笑)



 
 
 
Unknown (90)
2008-01-12 18:36:38
こんにちは。

>>明日はどうなるかわからない。だからやったもん勝ちだ」という行動原理に支配されている上に「侮日」感情が根底にあり、しかも中共政権下での江沢民型愛国主義教育で硬直した日本観を教え込まれ、また柔軟な思考癖を身につける機会のないまま成人した中国人が大挙して日本に乗り込んでくることを危惧しています。

私もその場合どんなトラブルが起きるか考えただけでも恐ろしいです。シナの掲示板を見ていると日本の悪いことなら何でも信じ込む人間や、強く出たら幾らでも日本人が譲歩すると思い込んでいる人間がいるのでそういう日本観で日本人に接した場合、最終的に流血沙汰になりかねないと思っています。彼らは自分たちが御家人さんのおっしゃる「代表」と言う意識もないでしょうからブレーキも利かないでしょうし。
しかも、ヒダリマキのマスコミや教育関係者がまだ強いので、一方的に譲歩するよう言いかねない。事実ある都市では行政サービスを削って「外国人受け入れ」をやった結果、治安が悪化した例もあるそうです。
何でも相手に反発するのはいけませんが、反論すべき部分で反論しないと却って自体が悪化するものだと思います。

しかし、ヒダリマキの人たちはシナが侮日思想を持っていることに眼をつぶりますね。あれは優越感の裏返しなんでしょうけど。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-01-12 19:31:18
オランダが参考になるかと思います。

結局は、文化と文化の衝突。
 
 
 
ご苦労お察しします (dongze)
2008-01-12 20:14:20
Aさん、
こういうときは、覚悟を決めて対応してくださいね。

御家人さんが言う、
 それと同時に、「日本人は日本人たれ」ということをも強く考えます。
植民地統治された上に国民党による反日教育を受けた台湾人の間に、それでもなお「日本精神」という褒め言葉が残っています。
「自分は日本人なんだから外国人の手前、恥ずかしいことはできない」

と同じで、安易に妥協しないことです。国外でのこういう経験は正直つらいかと思いますが、相手にもAさん本人にもこれが一番。
 
 
 
queさんへ (御家人)
2008-01-13 05:53:35
>中国と台湾とどちらが自由があるのか?
>いま自由という権利をもっている台湾人がそれを放棄したいと思うのか?
>じゃ、まず中国が自由な国になる必要がありますね~はは~ってな感じです。

 ものすごいパワア。脱帽です(笑)。

 もし私だったら。……単細胞ですから台湾問題を切り出されたら真正面から相手になると思います。大体お前ら全国人民代表を選ぶ権利すらないじゃん、そもそも要人の肩書紹介で政府の前に党が先に来ること自体異常だろ?どうして市長より市党委書記の方が偉いんだ?十三大の「党政分離」はどこへ行ったんだオイ?とか毒吐きまくりは必至(笑)。

 ただもし中国で教職に就くのであれば、留学時代同様にあくまでも強力な「後台」(後ろ盾・政治的保護者)のある環境を整えてから渡航している筈です。なにぶんアウェーですから妥協したくないものは妥協しなくて済むように下準備が必要。

 私が留学生だったころは中国人学生と同世代で、連中は文革を体験していない世代でした。しかも民主化運動や天安門事件で熱くなっていた時期です。それでも学生リーダーなどが私の部屋に政治の話をしに来るときは必ず独りで訪ねてくるか、あるいは「自己人」同士が連れ立ってやって来るかのいずれかでした。

 スパイとおぼしき女子学生2人組もよく私の部屋に遊びに来ました。美人局ならどうしてルックスを重視しないのかと私は内心で大学当局を呪ったものです(笑)。でも政治の話はほとんどしなかったから私の誤解だったかも知れません。そもそもスパイを必要としないくらい無茶してましたし、それでも御咎めなしで済むようなバックボーンがいましたし(もちろん留学前に私は東京で彼らのために色々働いてあげたのです)。もっともデモをかけているときに明らかな手先に遭遇したことはあります。

 日本語専攻ということで嫌がらせを受ける学生は可哀想ですね(棒読み)。まあ日本語・英語系の大半は就職狙いですから糞青が紛れ込んでいても不思議ではないかも知れません。都市とか学風とかによっても千差万別なんでしょうけど。

>日本なんて大嫌いだって日本人のまえでいう日本語学科の学生もいますけどね(笑)
 さすがにこれはひどいですね(笑)。やはり何か葛藤しているのでしょうか。成田空港で李登輝さんにペットボトルを投げた中国人も、筋金入りの糞青だけど生活のために日本に出稼ぎに来ていました。生活を二の次にして反日に走ったその意気やよし、と思いましたけどリスクもろかぶりなので結局は馬鹿。やるならもっとスマートにやって相手を悔しがらせないといけません。……ハッ、もしかして中国大使館が「後台」だったのかも!だったら見事にスマートですね……。orz

 queさん、大変なことやストレスのたまることが色々あるでしょうけど無理なさらずに頑張って下さい。今日から夜空に月がかかっているのを見たらqueさんの萬事如意を祈るようにします。
 
 
 
90さんへ (御家人)
2008-01-13 05:54:43
>事実ある都市では行政サービスを削って「外国人受け入れ」をやった結果、治安が悪化した例もあるそうです。
 そんなことがあったのですか。とっ捕まった中国人犯罪者が「日本だって中国を侵略したじゃないか。お互い様だ」と嘯いたりして、それに同情したり弁護したりする中国人専門家のコメントを絡めた記事が中国国内で流れていたこともありました。……ん?確か共同通信も中国語版で似たような報道をしていた記憶があります。

 報道の是非は別として、犯罪者が開き直って嘯くような精神構造(反日掲示板そのまんま)の連中がわんさか日本にやってくるから嫌になります。「報道・嫌」といえば、テレビや新聞が「小泉首相(当時)の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係は……」という物言い、あれは実に嫌です。「小泉首相(当時)の靖国神社参拝に中国が内政干渉したことで冷え込んだ日中関係は……」が正確だと私は思います。お互いに内政干渉はしないと約束した「日中共同声明」に明確に違反していますから。マスコミもヘタレなら政府もヘタレ。ヘタレな政治家を選んだ国民もヘタレ、ということになるのでしょうけど、官僚まで選んだ覚えはありませんねー。

>ヒダリマキの人たちはシナが侮日思想を持っていることに眼をつぶりますね。
 いや、左でも右でもいいのですが、中国人の根底に「侮日」があること自体気付いていない日本人が多いように思います。それが危険ではないかと。もっと危険なのは全てを「反日」とか「歴史問題」とかでまとめてしまうこと。日本の場合、孫子にいう「知已知彼,百戰不貽」の「知彼」が致命的に不足しています。実は「知已」すら覚束ないことこそ問題なのでしょうけど。
 
 
 
dongzeさんへ (御家人)
2008-01-13 05:55:38
>こういうときは、覚悟を決めて対応してくださいね。
 うう、さすがに地獄を歩いたdongzeさんの言葉には凄みがありますね。それに引き換え中国→香港→台湾という天国コースをたどった私は腑抜けそのもの。そもそも香港・台湾では「一人だけ日本人」の仕事環境ばかりでしたけど、対中ビジネスに直接関わったことはありませんし。

>安易に妥協しないことです。
 その通りです。ただリスクなく妥協せずに済むような仕掛けを用意しておけばモアベターだと思います。

>国外でのこういう経験は正直つらいかと思いますが、相手にもAさん本人にもこれが一番。
 私は香港で香港人に囲まれて仕事をしていただけでもんのすごーくストレスが蓄積されたのですが、きっと中国本土はその比ではないのでしょうね。……今度dongzeさんにエピソード集などを語ってほしいです。メール待ってます(笑)。なお例の写真は半年後ということで。ずっと気になりつつ言いそびれておりましたが、不手際の段,誠に申し訳ございません。m(__)m。
 
 
 
ありがとうございます (que)
2008-01-13 10:35:10
>今日から夜空に月がかかっているのを見たらqueさんの萬事如意を祈るようにします。

ありがとうございます。

>こういうときは、覚悟を決めて対応してくださいね。

わたしの場合、万一のときには、J○CA隊員が大使館に連絡してくれることになってます。しかし、この町で暴動でもおこったときには近くに日本人も領事館もなにもないので、死かも。ここのブログねたにしてください。
ま、首になるぐらいの覚悟は必要でしょうね。

日本語教師の資格だけで修士号以上をもたない日本語教師の給料はたぶん3000~5000元でしょう。(わたしは5000ももらってません 涙)
これぐらいのお金なら、日本政府がだして、雇用主(中国の大学)の圧力を避ける必要はあると思います。フランスのアリアンスや、ドイツのゲーテなどの語学学校の教師は、兵役と同じ扱いだと聞いています。

J○CA隊員は、決して過去の問題にたいして謝罪しないように、日中でむすんだ条約の条文をもたされているようです。
わたしの台湾問題の最終の逃げもここです。
「国際的な取り決めですからね~。日本の立場はあくまで理解するっていうだけだよ~。文句があったら日本政府にいってね」
福田首相ふみとどまってくれてありがとう(苦笑)
”中日”友好されると現場の教師は非常に迷惑です。ちゃんと日中友好をしてほしい・・・

しかし、やっぱり
語学教師なので、日本語をおしえることが一番大切な仕事だとおもっています。
反感をもたれると本業の語学教師としての本領が発揮できなくなります。でも、私も単細胞なのでいわれたら3倍返ししちゃうんですよね・・・。日本語は上手だけど日本人の主張をしらない中国人なんていやですからね。


御家人さん、すみません、だらだらと書いてしました。
 
 
 
queさんへ (御家人)
2008-01-14 19:57:05
>わたしの場合、万一のときには、……
 「万一のときは」という心構えは必要でしょうけど、dongzeさんのいう「覚悟を決めて」というのはそういう極端な状況を指しているんじゃないのでは?……と私は思うのですが、dongzeさんそのあたりいかがですか?

>「国際的な取り決めですからね~。日本の立場はあくまで理解するっていうだけだよ~。文句があったら日本政府にいってね」
 ああ、この対応がいちばん適切ですね。確かにこのやり方なら日本側の公式な立場を中国人に知らしめることができます。掲示板などを眺めていても思うのですが、私の経験に限っていえば「日中共同声明」における日本側のスタンスを知らない中国人ばかりです。これであれば受け流したりスルーする必要はありませんね。お見事です。

 ちなみに台湾の国連加盟についての住民投票に対する福田首相の見解も中国側は意図的に歪曲報道を行っています。歪曲というか都合の悪い部分を削除していて、

「住民投票をめぐって(中台間の)緊張が高まるようなことは望んでいない。一方的な現状変更につながるのであれば(住民投票を)支持できない」

 と福田首相は語った筈なのに、中国外交部の声明では「もし~なら」という条件付きの部分をごっそり削って、単に、

「住民投票を支持しない」

 になっていました。この点について外務省は中国に対してツッコミを入れると同時に国際社会において大声で中国側の不実と日本側の正しい立場を叫ぶ必要があると思うのですが、私の知る限りそれが行われた形跡はありません。

>しかし、やっぱり語学教師なので、日本語をおしえることが一番大切な仕事だとおもっています。反感をもたれると……
 同感です。自分がいまそこにいることの主題は何なのか、ということがやっぱり大切です。その線を保ちつつ、妥協できない部分をスマートに妥協せずに済ませていければベストだと思います。

>日本語は上手だけど日本人の主張をしらない中国人なんていやですからね。
 その通りです。日本人の主張を伝えることが本務ではないものの、Aさんやqueさんのお仕事であれば、語学を教えるとともに日本語に付随して日本文化や社会、民度といったものが自然に学生に刷り込まれていきます、それだけに日本にとっても非常に重要で大切なお仕事だと思います。
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。