日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 私はヘビメタを聴いたりしないので詳しいことはわかりませんが、確か中国語では「重金属」だったのではないでしょうか(中港台のどこの訳語かは覚えていませんが)。

 ですから「珠三角四成菜田重金属超標」というタイトルが目に入ると、私の世代ではまずクリキンの、

「YOU は SHOCK!」
(+デジタルディレイ)

 が頭の中で響いたりする訳です。いや、一瞬響くだけですから御心配なく。……さて上のタイトル「珠三角云々」ですが、「重金属」をあえて残して訳すと、

「四割の畑から基準値超える『重金属』反応――珠江デルタ地区」

 てな感じでしょうか。「菜田」は「野菜&畑」かも知れません(自信なし)。で、ここで言う「重金属」は鉛とかカドミウムとか、正真正銘のそういうものです。要するに広東省の田畑を調べてみたら、その土壌も生産される作物も「重金属」まみれだった、という話です。

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 以上は今日(25日付電子版)の香港各紙が一斉に報じている話題です。元ネタは広州の『南方都市報』(24日付)、例の貴州省の巨大公害(※1)を報じた新聞です。「中国産=有毒野菜」というイメージは香港人にもあるので、しかも香港の食卓に並ぶ野菜といえば正に広東省あたりから入ってくるので、他人事ではなく素早く報じたというところでしょう。警戒警報発令です。

「珠三角四成菜田重金属超標」(蘋果日報)
「珠三角驚現毒菜危機」(香港文匯報)

 と、政治的スタンス(及び発行部数)では対極にある両紙も今回は仲良く足踏みを揃えています。タイトルのインパクトで言うと親中紙『香港文匯報』に珍しく軍配が上がった、という印象です。『蘋果日報』の見出しの方が内容把握がしやすくはありますが、それだけ説明的になっている訳で、普段の扇情的な標題を思えば「らしくない」タイトルです。

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 本題に入ります。中国国家環保総局が先ごろ調査したところによると、珠江デルタ地区の仏山、東莞、恵州、中山など各市(いずれも広東省)の田畑のうち40%近くで金属含有量が基準値を超え、うち10%は「深刻な基準オーバー」とのこと。

 土壌汚染で最も深刻なのは水銀、次いでニッケル、銅、カドミウム、ヒ素の順になっており、南海市、順徳市(いずれも広東省)においては水銀含有量がそれぞれ基準値を69.1%(南海市)、37.5%(順徳市)もオーバー。東莞市の田畑での水銀含有量も基準値を23.5%超えており、深刻な状態であることが浮き彫りにされたそうです。

 当然ながらそこで生産されたコメや野菜などの作物にも問題が出てきます。この調査によれば、作物の場合は鉛、カドミウム、水銀、ヒ素、クロムの順で汚染度が高く、鉛やカドミウムによる汚染が深刻な作物として、「生菜」「白菜仔」そして「油麦菜」などが挙げられています。「生菜」はレタス、「白菜仔」は青菜の一種、「油麦菜」は……不明です。上海料理などでよく出てくる「菜心」が広東語だと全く別のものになっていたりするので、私にもわかりません。

 内地(大陸)の公害野菜基準に照らせば、これら作物の基準値オーバーは東莞(31.2%)、順徳(31.0%)、中山(22.8%)。深刻です。
しかもこれ、中国国内の基準で言っている訳ですからいよいよ油断がなりません。

 報道によると、これら有毒物質は作物の根から作物の内部へと吸収されているため、洗ったり茹でたりしても除去することが困難とのこと。本当に毒野菜なんですねえ。私も香港にいたころ神経質に洗ったり茹でたりしたのですが、あれはみんな無駄な努力だったのでしょう。

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 どうしてかくなったかと言えば、汚染された工業廃水が処理されぬまま河川へと垂れ流しにされているのが原因とのこと。いかにもありそうな話です(しかもたぶん、これは広東省だけに存在する問題ではないでしょう)。

 まあ香港人は毒野菜だ毒野菜だと騒いでもどうせ昔から食べているものですから、いまさら気にしても……と言ってしまえなくもないのですが、香港在住の日本人の方はくれぐれもお気を付け下さい。あ、もしかしたら日本にも入ってきているかも知れませんが、そこら辺は大丈夫なのでしょうか?

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 記事については以下を御参照下さい(※2)。

 ●香港文匯報(25日付電子版)
 http://www.wenweipo.com/news.phtml?news_id=CH0503250044&cat=002CH

 ●東方日報(25日付電子版)
 http://hk.news.yahoo.com/050324/10/1apx8.html

 香港のマクドナルドでチキンバーガーを頼むと、挟んであるレタスが古いのか悪いのかやや変色して萎びていて、毎回まずそれを引っ張り出して除去してから食べたものです。今もそうなのでしょうか。

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 ……チナヲチと余り関係のない話題が続いてすみません。早いところ「珍獣使い」に入りたいのですが、大ネタは体力を使いますので、香港あたりの軽い話題でとりあえずお茶を濁していることを諒として頂ければ幸いです。


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 【※1】当ブログ「貴州省、総人口の半分にフッ素中毒症状」(2005/03/03)
     当ブログ「【貴州省】総人口の半分にフッ素中毒症状【補足編】」(2005/03/04)

 【※2】『蘋果日報』は有料版なのでURLを出せません。すみません。


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 【追記】
中国在住の方はすでに御存知でしょうが、一応お知らせ致します。香港発の報道によると、先ごろ深センでインゲンマメを食べたことによる食中毒事件が6件発生し、被害者は百人以上にのぼっているようです。当初は沸騰したお湯で茹でることで中毒は避けられるとみられていましたが、深セン当局の調査により熱しても有毒物質を除去できないことが判明したようです。問題のインゲンマメは広東省廉石城鎮産のものとされており、深セン市衛生当局では同地で産出されたインゲンマメなどの販売を禁止する措置を出しました。ただ、中毒事件は上海、南京、四川、江門、湖南、江蘇など各地で発生しており、香港でも同様の中毒患者が出ているとのこと。くれぐれもお気を付け下さい。(2005/03/28/20:39)

 http://hk.news.yahoo.com/050327/12/1arqi.html
 http://hk.news.yahoo.com/050327/12/1arrs.html



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