イレッサ

１月４・５日 休薬

おかあちゃんの体調はかなり悪い。病院に行こうと言うが首を横に振る。
もう、私の届かないところに行くなら、ここからがいいよね。ガタガタ震えるおかあちゃんを抱きしめて、大丈夫だからね。と背中をさする。
おかあちゃん。私は、支えられていますか。もっとしてほしい事ありませんか。遠慮したり我慢したりしていませんか。今でも、私はおかあちゃんが１００歳まで居てほしいと思っているよ。どうか後一度温泉に行かせてください。

イレッサ

１月３日 休薬

おかあちゃんの体調は変わらないが、少し食べる量が増えたように思う。

私の手はオムツを変えるのでか、荒れて痛い。これが老いというものなのかな。薬とかではなくて。老い。寂しい響きだね。

おかあちゃんの体は、骨だけだ。人間の命には限りがある。私はそれに逆らっているのかな。

イレッサ

１月２日 休薬

午前中におかあちゃんをお風呂に入れた。
湯船に入れるとおかあちゃんは浮いた。沈まない。
これでは、死んでしまう。薬を止める事にした。まずは、体をなんとかしないと。
おかあちゃんに、薬を止めて少し沢山食べよう。太らないと。薬に負けたんじゃ何の為か分からんもんな。おかあちゃんは、うん。と首を動かした。

朝食は、焼き鯛をほぐしてネギとご飯に入れ出汁を加えてミキサーにかけてペースト状にした。火にかけ味付けした。それに溶き卵を加えた。私が食べても美味しかった。おかあちゃんは、全部食べてくれた。

昼食は、エンシュア・リキットを小麦粉に入れ薄く焼きハチミツとバターを加えた。紅茶と一緒に食べてくれた。

夜食 ご飯に鯛と人参に出汁を加えた。ミキサーにかけた。とても綺麗な色になった。味付けもいい。卵焼きを作った。みんな食べてくれた。その後にカステラを食べてくれた。
作戦は良かったのかな。今週はイレッサを休む。

今日の体調
薬を休んだことで少し気分がましなようだ。今日からなのでまだよく分からない。体がついていかないなら休めばいい。私はそう思う。

イレッサ

１月１日 ４０日目

おかあちゃん。
あけましておめでとう

おめでとう 小さな声だけど言ってくれた。

元旦の体調
ベットの上で、息も苦しそうに何も言えず寝ている。薬の副作用なのか。誰か教えてほしい。薬は止めたほうがいいですか。

おかあちゃんは、前はよく喋りよく笑った。今は話方や笑い方を忘れてしまった。そんな感じさえする。もう１度 笑う顔や声が聞きたい。