２０２０年 第２回定例会 ６月１５日 本会議
2020.06.15 第２回定例会で反対討論
【2020.06.15 反対討論（録画配信）】
本会議の録画映像をご覧いただけます。
反対討論者 酒井宏明 議員（日本共産党） 約１０分
【2020.06.15 反対討論（全文）】
日本共産党の酒井宏明です。
本題に入る前に、新型コロナウイルスから県民の命と暮らしを守るためにご奮闘されているすべてのみなさんに感謝と敬意を表します。
“自粛と補償は一体で”という、国民の声が政治を動かし、1人10万円の定額給付金など一連の前進がかちとられましたが、なお改善すべき課題が残されています。
特に大きなダメージを受けている中小企業、個人事業主、フリーランスで働く人たちに、必要な支援を迅速かつ確実に届けることが重要です。
県独自の１事業者20万円の事業継続支援金についても、支給対象施設となっていないが、大きく減収となった事業者に拡大するなど追加支援が必要です。
感染拡大を抑止するため、医療と検査の体制を抜本的に強化して、安心して経済・社会活動の再開に取り組めるようにすること。
そして、“自粛と一体の補償を”の立場で、くらしと営業を支えることを改めて強く求めます。
さて、新型コロナ対策を盛り込んだ補正予算にはもとより賛成であります。
しかしながら、請願に関し、憲法や核兵器の問題で、コロナ対策に力を集中すべき時に、前の議会で継続審査としていたものを、あえて不採択にしたのは全く理解できません。
よって、審査結果を容認するわけにはいきません。
以下、委員長報告に反対の理由を述べます。
総務企画2号、核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める請願です。
2017年7月7日、国連加盟国の3分の2を超える122か国の賛成で採択された核兵器禁止条約は、これまでに81か国が調印し、38か国が批准しています。
条約の発効に必要な50か国までもう少しです。
国内でも、自治体の意見書提出は5月末現在、県内4自治体を含め４４９、全国の4分の1の自治体に達します。
31年前、県議会が県民の総意として決議した「核兵器廃絶平和県宣言」は、
「戦争のない平和な社会の恒久的持続は、県民の切なる願いであり、人類共通の悲願である。
核兵器の保有は、核の拡散、核戦争を誘発し、ひいては、環境の破壊、人類の滅亡につながるおそれがある」として、廃絶を強く訴えています。
本請願を不採択にすることは、この宣言の趣旨に反し、核兵器廃絶を願う県民の願いに真っ向から背を向けるものにほかなりません。
断じて容認できません。採択を強く主張します。
同4号、憲法9条改憲の国会発議を行わない意見書採択を求める請願です。
安倍首相は2017年５月の憲法記念日に憲法９条に自衛隊を明記する明文改憲を打ち出し、任期中に改憲することを繰り返し強調してきました。
しかし国民世論は、いま改憲議論をすることを求めていません。
今年の憲法記念日に際しての世論調査は、そのことをはっきり示しています。
「朝日」では、「国会での憲法改正議論」を「急ぐ必要がない」が７２％。
ＮＨＫでは「憲法以外の問題に優先して取り組むべき」が７８％を占めて、「改正議論を進めるべき」の１３％を大きく上回りました。
共同通信では、安倍政権下での改憲に「反対」が５８％です。
こうした国民の声は、今国会での国民投票法改正案の成立を断念に追い込みました。
一方、新型コロナウイルスへの対処を理由に、憲法に緊急事態条項を創設する動きも強まっています。
緊急事態条項は、政府に超法規的な権限を与え、人権を制限・抑圧する危険があります。
コロナに便乗して改憲を推し進めることは大問題です。
コロナで国民の命と暮らしが脅かされる中、憲法が定める生存権や財産権を国民に保障するための議論こそ重要であり、主権者国民が望んでもいない改憲の国会発議を行わないよう、県議会の意思を示すのは当然ではありませんか。
この請願を不採択にすることは、県民の願いを無視し、敵視するものにほかなりません。
今変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治ではないでしょうか。
この際ですから、その他の議案と請願についても、一言のべます。
議案については、専決処分の承認についてのみです。
県税条例の改定のうち、企業版ふるさと納税は、自治体の地方創生事業に企業が寄付すれば寄付額の一部を法人税等から差し引く割合を3割から6割に引き上げ、損金算入の3割と合わせて9割負担軽減するというものです。
企業と地方自治体の癒着を防ぐ仕組みもなく、破格の控除で募る制度の拡充は、自治体間の税収の奪い合いを助長し、地方税の原則をゆがめるものであり、反対です。
本社機能を本県に移転した企業に事業税や不動産取得税、固定資産税の減免を行う特例措置についても、地域再生を名目に大企業を優遇するものであり賛成できません。
次にその他の請願についてです。
厚生文化2号及び5号は、保育の副食費補助を求める請願です。
現在13町村で副食費を全額無料にしています。
一部補助を含めると26市町村にのぼります。多くの自治体がすでに実施している第3子以降の副食費無料化に県が補助してほしいというのは当然の願いであり、採択すべきです。
この点で、自ら紹介議員に名を連ねておきながら、不採択にしてしまうのは、請願者に対する背信行為であると厳しく指摘しておきたいと思います。
文教警察1号は、学校給食費の無料化を求める請願です。
現在、完全無料化しているのは11市町村、一部無料化は15市町村で、合わせて26市町村にのぼります。
新型コロナによるいっせい休校に伴って、学校給食の重要性が見直されるとともに、新たに9月まで給食費を無料にする自治体や、昼食代1日500円を支給する自治体も現れています。
貧困対策や子育て支援にとどまらず、食育の一環として、大変重要であり、本請願の採択を求めます。
同3号、1万2千筆以上の署名を添えて提出された「30人学級の実現などを求める請願」、および同４号、「公立学校に1年単位の変形労働時間制を導入しないよう求める請願」は、継続でなく、採択を主張します。
以上述べまして、私の討論といたします。
【参考リンク】
知事提出議案の件名、概要、賛否の状況はこちらをご覧ください。
↓
群馬県議会のホームページより
令和２年第２回定例会 知事提出議案
＊「群馬県主要農作物種子条例」（主要農作物の優秀な品種の育成並びにその種子の安定的な生産及び普及に関し必要な事項を定めようとするもの）は、全会一致可決しました。
議員・委員会提出議案の件名、概要、賛否の状況はこちらをご覧ください。
↓
群馬県議会のホームページより
令和２年第２回定例会 議員・委員会提出議案
＊「不要不急の業務を見直し、新型コロナウイルス感染症対策を推進するため当初予算の組替えを求める決議」は、全会一致可決しました。
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日本共産党ホームページ 新型コロナ特集
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