
COLIN/08年/英/97分/ゾンビ・ホラー/PG12/劇場公開
監督:マーク・プライス
製作:マーク・プライス
脚本:マーク・プライス
撮影:マーク・プライス
編集:マーク・プライス
出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、リアンヌ・ペイメン

<ストーリー>
死者が跋扈する世紀末のロンドン。ゾンビとなったコリンは、残った記憶を頼りに恋人との思い出の場所を目指す。
<感想>
ゾンビが徘徊する世界で生き残った人間を視点にした作品は山ほどあるが、ゾンビを主人公に視点を据えたまま世紀末的な街を映し出した作品は稀だろう。
この着眼点は素晴らしい。
ゾンビに噛まれ感染した主人公が徐々に‘心拍数ゼロの人間’になっていく冒頭からグイグイ引き込まれ目が離せない。
そして街へと出たコリンは、ひたすら何かを目指して歩き続ける。
幾度となく人間たちに襲われようとも、軟禁されようとも、実の姉に希望の手を差し伸べられようとも、僅かに残った彼にとって一番大切な記憶を胸にひたすら歩いていく。
低予算作品ながらも、特殊メイクは出来がよく、ボランティア参加者とは思えない無数のゾンビを演じた俳優たちも演技が非常に上手い。
これには正直、驚かされた。
只、カメラのブレが激しく、また夜のシーンは暗過ぎて何が起きているのか良く分からなくなっている。
けど、カメラブレは慣れればどうってことないし、夜のシーンも部屋を暗くして鑑賞すれば問題ないだろう。
物語の大半は特別重要な場面でもないのでサラッと見送っても差し支えない。
褒めるべき点は作品において大切な部分はブレを抑えてきっちりと映し出されている事。
メインイベント=コリンとっての重要な事柄は正確に把握させる仕組み。
逆にその他のシーンはカメラブレという荒業で恐怖感を生み与えると言う手法。
並みの監督なら全編ブレ画像になり何が何やら分からなくなるのだが、新鋭マーク・プライス監督はその辺の見せ方は弁えている様だ。
終盤、コリンが目指していた‘場所’が判明する。
この時、生前のコリンと死後のコリンの姿が交互に映し出されるという演出を持ってきているのだが、切り替え方が非常に上手く、少しずつ観る側に悲しみを味合わせていくので、この後、再び場面を冒頭にリターンさせてエンディングを迎えた時の悲哀感は相当なものだった。
音楽の使い方も実に良い。
ここぞという場面で流れる静かな曲調に切なさも倍増。
まさかゾンビとなったコリンの想いの深さに心打たれるなんて思いもしなかった。
製作費45ポンド(日本円で6000円)で作られたとは全く信じられない、質の高いゾンビ映画。
手放しで称賛するに値する秀作。
オフィシャル・サイト(日本語)
評価:★★★☆
11/08/02DVD鑑賞(新作)


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レンタル開始日:2011-08-02
メーカー:ハピネット
監督:マーク・プライス
製作:マーク・プライス
脚本:マーク・プライス
撮影:マーク・プライス
編集:マーク・プライス
出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、リアンヌ・ペイメン

<ストーリー>
死者が跋扈する世紀末のロンドン。ゾンビとなったコリンは、残った記憶を頼りに恋人との思い出の場所を目指す。
<感想>
ゾンビが徘徊する世界で生き残った人間を視点にした作品は山ほどあるが、ゾンビを主人公に視点を据えたまま世紀末的な街を映し出した作品は稀だろう。
この着眼点は素晴らしい。
ゾンビに噛まれ感染した主人公が徐々に‘心拍数ゼロの人間’になっていく冒頭からグイグイ引き込まれ目が離せない。
そして街へと出たコリンは、ひたすら何かを目指して歩き続ける。
幾度となく人間たちに襲われようとも、軟禁されようとも、実の姉に希望の手を差し伸べられようとも、僅かに残った彼にとって一番大切な記憶を胸にひたすら歩いていく。
低予算作品ながらも、特殊メイクは出来がよく、ボランティア参加者とは思えない無数のゾンビを演じた俳優たちも演技が非常に上手い。
これには正直、驚かされた。
只、カメラのブレが激しく、また夜のシーンは暗過ぎて何が起きているのか良く分からなくなっている。
けど、カメラブレは慣れればどうってことないし、夜のシーンも部屋を暗くして鑑賞すれば問題ないだろう。
物語の大半は特別重要な場面でもないのでサラッと見送っても差し支えない。
褒めるべき点は作品において大切な部分はブレを抑えてきっちりと映し出されている事。
メインイベント=コリンとっての重要な事柄は正確に把握させる仕組み。
逆にその他のシーンはカメラブレという荒業で恐怖感を生み与えると言う手法。
並みの監督なら全編ブレ画像になり何が何やら分からなくなるのだが、新鋭マーク・プライス監督はその辺の見せ方は弁えている様だ。
終盤、コリンが目指していた‘場所’が判明する。
この時、生前のコリンと死後のコリンの姿が交互に映し出されるという演出を持ってきているのだが、切り替え方が非常に上手く、少しずつ観る側に悲しみを味合わせていくので、この後、再び場面を冒頭にリターンさせてエンディングを迎えた時の悲哀感は相当なものだった。
音楽の使い方も実に良い。
ここぞという場面で流れる静かな曲調に切なさも倍増。
まさかゾンビとなったコリンの想いの深さに心打たれるなんて思いもしなかった。
製作費45ポンド(日本円で6000円)で作られたとは全く信じられない、質の高いゾンビ映画。
手放しで称賛するに値する秀作。
オフィシャル・サイト(日本語)
評価:★★★☆

11/08/02DVD鑑賞(新作)


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レンタル開始日:2011-08-02
メーカー:ハピネット
アイディアがある若手監督がアイディアとお金を手にしたときにどうなるのか、凄く興味があるんですよね^^
今度はかなりの予算からなる第二次世界大戦ものとか?
更にゾンビも出るとか?
これはかなり楽しみになりますね~。
普段ゾンビ狩りの方に気持ちはいってるのに、逆にちゃんとなりました。
ノロノロのロード中の出来事は、まぁたいしたこともないんだけど、後半切なかったですね。
画面のブレとか粗さは、さほど気にならなかったです。完全ゾンビ視点ですね、私。
パラノーマル・アクティビティとかのほうが、よっぽど見難かったもん。
この映画を仕上げた工夫とかは、ネットで読んだけど、面白いね。
SNSで無償で人を集めちゃうのが、またすごいねぇ。
コリンが何処に向かっているのか、凄く気に成って私も、最初から引き込まれました。
私も映像ブレとか暗過ぎなシーンとか特に問題なかったですね。
最後のシーンが全てでしょうから。
ホント、じわっとくる物語でした。
なんでもゾンビを演じた人は皆ボランティアなんですってね。
確かに、ゾンビ役ならタダでもやってみたい!っていう気持ちにはなりますよね~。
ゾンビに対して切なく思えるなんて...意外でした。
という驚きが一番大きかったですね。
ゾンビの主人公コリンが目指す場所の顛末には悲しさが溢れていました。
ただ個人的にはゾンビ映画に”ラブストーリー”は求めてませんので、私はどうしても辛い評価になってしまいます。
とりあえず、この監督のちゃんとお金を掛けた作品を観てみたいですね。
最近のゾンビものも在り来たりになってきているので、たまにはこういう変化球なものも良いかなって思います。
予算を高めにして作品を撮らせたらどれだけのものが作れるのか、その辺は観てみたいですね。