11年/日本/83分/ファンタジー・ホラー・サスペンス/PG12/劇場公開
監督:清水崇
過去監督作:『戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH』
脚本:清水崇
撮影:クリストファー・ドイル
主題歌:SCANDAL『BURN』
特殊造型監修:西村善廣
出演:
◆満島ひかり…キリコ
過去出演作:『愛のむきだし』
◆香川照之…公平
過去出演作:『あしたのジョー』
◆大森南朋
過去出演作:『ゴールデンスランバー』
◆緒川たまき
過去出演作:『乱歩地獄』
◆澁谷武尊…大悟
<ストーリー>
母親の死がトラウマとなり口が利けなくなった少女・キリコ。ある日彼女は着ぐるみのウサギに導かれて消えた弟を追って、不思議な世界へと足を踏み入れるが…。
<感想>
レンタル版は2Dなのに、3Dで観ているかの様な錯覚に陥るシーンがある。
それが劇中劇で流れる『戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH』からうさぎの縫いぐるみがスクリーンから飛び出し、大悟の手に渡るシーン。
ここは凄いと思った。
2Dでも画が飛び出している!と思わせるのだから、大した映像技術だ。
遊園地での雨がスローになる所も上手い。
その中をキリコが走り抜ける様は正に幻想的だ。
母親を殺してしまった事から自責の念に駆られ声が出せなくなったキリコ。
演じるのは邦画界のミューズ満島ひかり。
表情だけでもしっかりと喜怒哀楽を使い分けている。
流石だ、と唸らせるだけの演技力を今作でも堂々と披露してくれていた。
若手女優の中でも天才的な才能を持っている事は確か。
表情演技だけでこうも魅せられる女優も数少ないだろう。
そんなキリコが螺旋階段から突き落とされ、貯め込んでいた恐怖を爆発させるかのように絶叫する。
そして
「私・・・声が出た」
声が出なかった少女が声を出し、その事に対して自分でも驚きつつも、人魚姫の如くその代償として死を迎える。
インパクトを与える、記憶に残す意味でも美し過ぎる、そして切な過ぎる光景だった。
うさぎの着ぐるみが度々現れるが、これが中々怖い。
そのうさぎの瞳がぐるっと動く所もそうだが、棺桶の中で眠る大悟の母が突如目を開き血の涙を流す所、妄想が独り歩きし始めた事で大悟が現実化し、キリコを陥れる際に眼球が真っ黒になる所(通称俊雄eye)等を含め、目を使った恐怖演出が震えを抱かせる上では抜群の効果を発揮している。
眼球ショックを得意とする清水監督だからこその優れ技。
中盤辺りまでは良く解らない展開だったが、大悟に関しての真実が明るみに成った時には全ての謎が解けた様でサスペンス好きには堪らない驚きを味合わせてくれる。
これは韓国映画『箪笥<たんす>』のオチと非常に良く似たものだが、例え二番煎じであろうとも驚愕させる点では面白い試みではある。
うさぎの着ぐるみをモンスターアイコンとして出した時点で下手するとコメディに成りかねない。
しかしそこは清水監督であり、しっかりとホラー映画として成立させているのだから、脚本の上手さと、雰囲気作りの巧みさには感服せざるを得ないだろう。
因みの特典映像としてフェイク予告『兎年』というものが入っていたが、こちらは完全にコメディタッチな作り。
これはこれで実に味わい深いものがあった。
今作の自分の娘にしたい子役図鑑
まだ言葉が話せた時の幼少時代のキリコ。
この子が成長すると
満島ひかりになる。
顔立ちが良く似た子役を上手く探せ出せたものだ。
オフィシャル・サイト
評価:★★★☆
12/02/25DVD鑑賞(新作)
にほんブログ村
レンタル開始日:2012-02-22
メーカー:バップ
監督:清水崇
過去監督作:『戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH』
脚本:清水崇
撮影:クリストファー・ドイル
主題歌:SCANDAL『BURN』
特殊造型監修:西村善廣
出演:
◆満島ひかり…キリコ
過去出演作:『愛のむきだし』
◆香川照之…公平
過去出演作:『あしたのジョー』
◆大森南朋
過去出演作:『ゴールデンスランバー』
◆緒川たまき
過去出演作:『乱歩地獄』
◆澁谷武尊…大悟
<ストーリー>
母親の死がトラウマとなり口が利けなくなった少女・キリコ。ある日彼女は着ぐるみのウサギに導かれて消えた弟を追って、不思議な世界へと足を踏み入れるが…。
<感想>
レンタル版は2Dなのに、3Dで観ているかの様な錯覚に陥るシーンがある。
それが劇中劇で流れる『戦慄迷宮 THE SHOCK LABYRINTH』からうさぎの縫いぐるみがスクリーンから飛び出し、大悟の手に渡るシーン。
ここは凄いと思った。
2Dでも画が飛び出している!と思わせるのだから、大した映像技術だ。
遊園地での雨がスローになる所も上手い。
その中をキリコが走り抜ける様は正に幻想的だ。
母親を殺してしまった事から自責の念に駆られ声が出せなくなったキリコ。
演じるのは邦画界のミューズ満島ひかり。
表情だけでもしっかりと喜怒哀楽を使い分けている。
流石だ、と唸らせるだけの演技力を今作でも堂々と披露してくれていた。
若手女優の中でも天才的な才能を持っている事は確か。
表情演技だけでこうも魅せられる女優も数少ないだろう。
そんなキリコが螺旋階段から突き落とされ、貯め込んでいた恐怖を爆発させるかのように絶叫する。
そして
「私・・・声が出た」
声が出なかった少女が声を出し、その事に対して自分でも驚きつつも、人魚姫の如くその代償として死を迎える。
インパクトを与える、記憶に残す意味でも美し過ぎる、そして切な過ぎる光景だった。
うさぎの着ぐるみが度々現れるが、これが中々怖い。
そのうさぎの瞳がぐるっと動く所もそうだが、棺桶の中で眠る大悟の母が突如目を開き血の涙を流す所、妄想が独り歩きし始めた事で大悟が現実化し、キリコを陥れる際に眼球が真っ黒になる所(通称俊雄eye)等を含め、目を使った恐怖演出が震えを抱かせる上では抜群の効果を発揮している。
眼球ショックを得意とする清水監督だからこその優れ技。
中盤辺りまでは良く解らない展開だったが、大悟に関しての真実が明るみに成った時には全ての謎が解けた様でサスペンス好きには堪らない驚きを味合わせてくれる。
これは韓国映画『箪笥<たんす>』のオチと非常に良く似たものだが、例え二番煎じであろうとも驚愕させる点では面白い試みではある。
うさぎの着ぐるみをモンスターアイコンとして出した時点で下手するとコメディに成りかねない。
しかしそこは清水監督であり、しっかりとホラー映画として成立させているのだから、脚本の上手さと、雰囲気作りの巧みさには感服せざるを得ないだろう。
因みの特典映像としてフェイク予告『兎年』というものが入っていたが、こちらは完全にコメディタッチな作り。
これはこれで実に味わい深いものがあった。
今作の自分の娘にしたい子役図鑑
まだ言葉が話せた時の幼少時代のキリコ。
この子が成長すると
満島ひかりになる。
顔立ちが良く似た子役を上手く探せ出せたものだ。
オフィシャル・サイト
評価:★★★☆
12/02/25DVD鑑賞(新作)
にほんブログ村
レンタル開始日:2012-02-22
メーカー:バップ
ウサギのぬいぐるみがスクリーンを飛び出すシーンでは、本当に目の前にウサギのぬいぐるみがあるように見えて、一生懸命手を伸ばして「あっ、掴めない!!」とか子供じみたことをやっていました筆者です。
とりわけ満島ひかりの背後を赤い服を着た幽霊(トラウマの具象?)が通り過ぎるシーンは、3Dで見ると恐ろしいほどの臨場感があり、まさにそこに「幽霊がいる」という新たな映画体験が味わえました。
世界中の3Dは、すべて本作のカメラを使用すべきだと思うほど、臨場感にあふれていましたね(*^^*)
でも『アバター』『トランスフォーマー3』とかだと「映像革命」とか謳われるのに、本作みたいなホラー映画の場合、いくら映像が素晴らしくても表に出ないんですよね(^^;)
「ホラー映画」というだけでorz
本作の映像美は、『アバター』よりも優れていて、他の3D映画を凌駕していると思うのですが…。
それに清水崇だって、彼ほど作家性に溢れた監督はいないのに、なぜ評価されないかと言えば、彼はホラーとコメディの監督だから…というわけで、やっぱりホラーに対する非道なレッテルは神話に染まりすぎていると思うのです。
と、まぁ、いつの間にか愚痴だらけになってしまいました(^^;)スンマヘン。
しかしながら、『ラビット・ホラー3D』みたいな作品が評価されないとホントだめですよね。
アメリカだと「ホラーマスターの清水」と言われて道端で握手とかされるそうです。日本での評価はホント低すぎだと思います…ブツブツ(・・;)
やっぱり3D観ると、飛び出す感は凄かったんですね!
2Dでも飛び出している感覚は味わえましたもの。
それ位、技術が凄かったって事でしょうか。
私は映画館で3D作品を観た事が無いので、何とも言えないのですが、本作に関しては相当3D技術が上手く機能していたみたいで、ちょっとそれは観たかったなぁって思います。
幽霊が飛び出す!?
近日公開予定の『貞子3D』でも飛び出してくるんでしょうか!
和製ホラー好きとしては是非とも飛び出す幽霊は味わってみたいです。
ですよねぇ。
ホラー映画で3Dを使用したら、なんでこうも皆そっぽ向くんでしょうかね。
ジャンルなんて関係無いと思うのですが。
私は清水監督の作家性はかなり評価しています。
『戦慄迷宮』もそうですが、物語はとても面白かったですよ。
でも、本作と同じく全く世間では評価されませんよねぇ。
その辺は、やっぱりヒッチさんが仰っているような理由があるからなんでしょう。
まだちょっと他のブロガーさんの評価を観ていないのですが、余り良い評判は聴きませんよねこの作品。
何が駄目なのか私としては逆に知りたい位です。
清水監督は間違いなく邦画ホラーの第一人者だと思いますよ。
私は彼が手かがけたホラー作品はどれも好きです。
もうどんどん愚痴って下さい!!
いいですね~!!!
あの作品、ボロクソ言われてますけど、非常に巧妙で主題的にも魅力的ですよね。
人形が動き出して、ゾンビみたいに迫ってくるシーンを恐怖描写として捉えていてはあの映画はなかなか楽しめない。
『ラビット・ホラー』もそうですが、『戦慄迷宮』は人間の罪悪感やトラウマ、人間関係における負の側面をファンタジックに描いたミステリー映画です。
ただスプラッター的な恐怖だけをホラーと捉えてしまう傾向にある大衆には、「怖くない映画」として払拭されてしまったのでしょう。
「製作上の方針」と「広告戦略」として生まれるジャンル。そのジャンルに鑑賞者の感覚が一致しなければいけない理由はないのですが、どうにもホラーは一致を求めてしまうんですよね(*_*)
ホラーって深いですなぁ~
女の子を可愛く撮るのはとてもいいと思う。
『戦慄迷宮』私は好きですよ~。
あれも3D映像映画としては素晴らしい輝きを放っていました。
うんうん。
ヒッチさんのコメント、その通りだと思います。
『戦慄迷宮』にはファンタジックな怖さがあるんですよねぇ。
ただやたらとスプラッターな表現だけを前面に押し出した作品よりかは、心理的に怖さを抱く意味でも優れた作品でしょう。
ホラーには色んなタイプのものがありますが、基本的に私は和製ホラーは欧米ホラーと違って特有の雰囲気を味わえるので好きです。
少しでも「怖い」と思えたなら、私はそれだけでその作品を許せちゃうんですよね~。
コメント有難うございます。
今回のコメントは大真面目ですね!!
ふじきさんの意見もアリだと思います。
確かにOV版『呪怨』はホラーとして完成されていましたからね。
それと似た様なものを出しては、人によっては新鮮味に欠けるのかもしれません。
それでも私は、清水監督が描き出す恐怖演出にはゾクッとなるものがあるのですよ。
単に私とは相性がいいのかもしれませんね。
今回の評価は、2Dでも3Dに見える!という大きな驚きがあったんで高めにしましたが、作品自体も割と好きです。
貴重な御意見、有難う御座いました^^
ただ、作品としては全く怖くなく、
1人の女性のトラウマを描かれた作品でした
しかし中盤で分かる過去の出来事、ちょっとないですよねぇ^;突飛過ぎてびっくりしました
結局大悟のした事は全てキリコがした事で、小学生達はキリコに対してウサギ殺しと言っていたんですね
ただ、伝染したかのような父親など、ラストが少々不鮮明で消化不良に…。
これは、ちょっとかなり評価の意見がざっくり分かれちゃう作品ですよね~。
私は映像に引き込まれたので、もうそこで既に評価高めなんですけどね。
ストーリーもそんなに悪くは感じないのですが、確かにラストはちょっと分かり難いですよねぇ^^;
清水監督は非常に恐怖を表現するのが上手い人だと思うのですが
何というか、今作に限らず全体的にファンタジー色が強くて
そのへんがちょっと自分とは合わないな~と感じます。
オリジナル「呪怨」は低予算が故にあんなソリッドな恐怖映画が”たまたま”撮れてしまったのかな?と思わざるを得ません。
コメント有難うございます。
どうにもこの作品は自分には合わないという意見の方が多いですね。
まぁ確かにちょっとファンタジーの色が入っていますし、ホラーとして観ても、怖さが乏しいという印象を受けてしまうものもあるかと思います。
わたしはそんな中にもダークでシリアス的な怖さを感じ取れたのでかなり面白く観れました。
『呪怨』の怖さは半端無いものがありましたから、どうしても新作が出ると比べられてしまうのがこの監督の悲しい性なのかもしれません。