2007年12月17日(月) 読者のひろば
2007年の世相を表す「今年の漢字」に「偽」が選ばれ、テレビで京都・清水寺の森清範貫主が揮毫されるのを見た。
募集した日本漢字能力検定協会によると、寄せられた90800通余りのうち「偽」が18パーセントに当たる16550通もあったという。
春先から、食品などの賞味期限や消費期限、産地の偽装や改ざんが相次いで報道された。さらには、高速道路の橋げたの材料までも手抜きしていた。まさに世の中、偽装が横溢した年だった。
私も「赤福」や「白い恋人」を何度か口にしたことがあるだけに、苦々しい思いがした。そして今年の漢字はきっと「偽り」か「欺く」だろうと想像していた。
悪事はいつか露見するものだ。子どものころ、親や周りの大人から「(悪いことは)」お天道さまが見取られるぞ」と言われたことを思い出す。
揮毫を終えた森貫主は述べられた。「己の利ばかりを望まず、分を知り、自分の心を律する気持ちを取り戻してほしい」と。深く心に刻みたい言葉である。
「世相表現漢字「偽」は恥辱的」2007年12月14日(金)
森清範:(もり せいはん 1940年7月8日-)清水寺貫主(1988年4月)
今年の漢字:1995年より日本漢字能力検定協会が公募 森清範貫主が理事だったため清水寺奥の院舞台で揮毫し発表