「HEAVENLY SYMPHONY」は,1993年に フジテレビとセガの提携により製作された FOCA公認の F1レースシミュレーションゲーム。F1レース解説者/ピットリポーターでお馴染みの 川井一仁氏の監修が かなり話題を呼んだゲームです。1993年当時の F1サーカスを忠実に再現しており,予選から決勝までのすべてのレースイベントが網羅されています。また,フジテレビが保有する数多くの映像,音声リソースが随所に活用されており,「公認ソフト」である利点が最大限に生かされていたゲームでもあります。
この当時は,非ポリゴンの 擬似3Dレースゲームが 飽きるほど乱発されていた時期で,こと F1関係のゲームについては どれも中途半端な内容であり,お世辞にも「出来がいい」といえるものは無かったように思います。その点,この「HEAVENLY SYMPHONY」は,ハードウェアの進歩に助けられた事もありますが,かなり「レースらしいレース」を楽しめる内容に仕上げられていました。
擬似3Dながら メガCD本体の 回転/拡縮機能をフル活用した 非常に「空間」を感じさせるビジュアルが特徴のゲームですが,今となっては グラフィックの解像度が粗く フレームレートも低いため,動きがダイナミック過ぎて眼がついていかないのが正直なところです。しかしながら,馴染みのある「鈴鹿サーキット」などを走ってみると,コースレイアウトについては かなり「リアル」である事が実感できると思います。擬似3Dの F1レースゲームでは 最高峰だと言っても過言ではないでしょう。
特に注目すべきなのは「1993モード」の存在です。
1993年シーズンの「実際に発生した事件」に対しプレイヤーが該当するドライバーと同じ状況下で,史実と同じ,またはそれ以上の結果が残せるかどうかに挑戦するモードで,難易度別にいくつかのシナリオが用意されています。1993年シーズンというのは 非常に事件の多いシーズンだった事もあり,最も印象に残っているシーズンのひとつなのです。それがこのように「参加できる形」で残されているのは,かなり興味深いものだったのですが,結局「HEAVENLY SYMPHONY」以降に 同様の試みを実践したゲームは一切発売されなかったように記憶しています。
是非,現代の技術にて「HEAVENLY SYMPHONY」を再現して欲しいものです。
過去の F1シーンから名場面をピックアップしてシナリオ化すれば,かなり面白いものに仕上がると思うのですが。
セナが死ななかったら・・・なんていうベタなネタではなく,
90年開幕戦でティレルのアレジを勝たせる!とか,92年モナコでウィリアムズのマンセルを勝たせる!とか,
94年ホッケンハイムでティレルの片山右京に勝たせるとか。そういうのを見てみたい(笑)。
95年オーストラリアでハッキネンが事故らなかったら?ってのも見たいかな。
ハッキネンって事故後に化けたような気がするし。(≧∇≦)
(2005/8/23修正)
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